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【仮説】:桶狭間ー織田信長の切札とは⁉

仮説:桶狭間の切札


1.ルパン三世

ルパン三世 全員集合トランプ作戦

子どもの頃、いつもテレビの前に座り、ルパン三世を観ていた。

泥棒の話なのに、毎回どこか哲学があった。

その中でも忘れられない話がある。

「全員集合トランプ作戦」。

世界中の人々が欲しがるという、ナポレオンのトランプ。

そのカードを手にした者には幸運が訪れると伝えられ、多くの者が奪い合う。

ルパンも、不二子も、敵も、その伝説のトランプを追い続ける。

2.ジョーカー

ところが、物語の本当の主役はトランプではなかった。

ジョーカーである。

ナポレオントランプのジョーカー

ジョーカーは自らを「ナポレオンカードの守り神」と名乗る。

カードを独占しようとする者の前には現れず、カードを正しくあるべき場所へ導くためだけに姿を見せる。

まるで持ち主を選ぶかのようにカードとともに現れ、役目が終わると、他のカードを従えて静かに持ち主の許を去っていく。

誰もジョーカーを所有することはできない。

ジョーカーもまた、誰かのものにはならない。

そしてこの物語で、私の記憶に残っているのはルパンでも不二子でもなく、このジョーカーだった。

3.桶狭間という奇跡

1560年。

織田信長は終わるはずだった。

相手は、駿河の今川義元。

兵力差は圧倒的だった。それなのに勝った。

誰もが語っている。

相手が気を抜いていた時に、奇襲攻撃が成功した。

豪雨だった。地形だった。情報だった。決断だった。

もちろん、それらは間違っていない。でも、私は別のことを考えてしまう。

信長は熱田神宮へ行き、戦勝祈願を行っている。

そして勝利後、莫大な寄進を行った。信長塀などが、今でも残っている。

熱田神宮のご神体は、三種の神器の一つ——草薙剣である。

これらの事実だけは確実に残っている。

ここから先は、私の想像だ。

『信長は熱田神宮から草薙剣を借りていた』

4.信長が草薙剣を借りていたならば

信長は、おそらく、その剣を振るわなかったと思う。

そもそも草薙剣は、人を斬る道具ではない。

三種の神器は権力の象徴だ。持つことに意味がある。

人は何を恐れるのか。敵ではない。

『責任』だ。

信長が草薙剣を腰に差したらどうなるだろう。

周りの兵たちは思ったに違いない。

『熱田の神』がついていると。

信長自身も思っただろう。

勝つのは自分だと。

しかし、この剣を預かる責任は神と共にある。

その覚悟が桶狭間の勝利を生んだ。

5.なぜ平家は使わなかった

ここで疑問が生まれてくる。

最後の壇ノ浦の戦い。平家は草薙剣を持っていた。

彼らもジョーカーを持っていたのだ。

では、なぜ彼らは使わなかったのか。

私はこう考える。恐れ多くて使えなかったのではないだろうか。

神器だからだ。神の物を人間の戦に使う。それは越えてはならない一線だった。

反面、彼らは、三種の神器を自分たちの存在自体を守るためには使っていた。

しかし、信長は違った。

勝つために、熱田神宮から借りた。そして、返却した。

6.ジョーカーは去る

ルパン三世でも、ジョーカーは最後に去っていった。

誰の許にも留まらない。それが、あのジョーカーだった。

信長の場合も同じだった。桶狭間の時だけだった。

草薙剣というジョーカーは、信長の許にいた。

だから、奇跡の勝利を呼び込んだ。

しかし、ジョーカーとしての役目は終わった。

信長はその後、熱田へ返却した。

やがて、勝利の見返りとして多大な寄進を行った。

歴史には、「寄進した」という一行だけが残る。

本当の理由は誰も知らない。

7.ジョーカーが去ったあと

ここから先は、信長自身の人生である。

美濃や越前の攻略。長篠の合戦の勝利。安土城築城。天下布武。

そして、1582年の本能寺の変。

それらに、ジョーカーは既にいない。信長は一人で歩き続けていた。

歴史とはそういうものだ。神は一歩だけ道を照らし、歩いて来たのは人間だけだった。

8.桶狭間の戦いとは

私は、歴史を語る上で、必ずジョーカーがいると思っている。

誰も知らず、記録にも残らない。一度だけ姿を見せて、去ってしまうような。

ジョーカーが去り、残された人間だけが歴史を作る。

桶狭間とは、信長が勝った戦ではない。

織田信長が独り立ちした瞬間だった。

以上、仮説:桶狭間の切札

:tokisuke


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