白衣と学校の給食:「専門家の福音」に物申す
白衣のクイズ
あなたの目の前に一人の男性が立っていると想像してください。彼はパリッとした長い白衣を着て、名札をつけています。さて、彼は一体誰でしょう?
A) 医師
B) 化学の技術研究員
C) アイスクリーム屋さん
D) 街の肉屋の主人
答えは? 「見た目だけでは絶対に分からない」 です。目に見えるものが、必ずしも本物とは限りません。
お肉屋さんは血痕を隠すためにそれを着ます。アイスクリーム屋さんは基本的な衛生管理のために着ます。そして医師は、瞬時に「権威」を示すために着るのです。それでも私たち人間は、視覚的な小道具を盲信する習性があります。誰であれ白衣を着せてしまえば、私たちはその肩書きを疑うことをやめてしまうのです。
『スタートレック』の勘違い
肩書きや有名人の名前に盲目になるのは、今に始まったことではありません。1960年代を振り返ってみましょう。当時、何百万人もの必死な親たちが、育児マニュアルを買いに走りました。育児のすべてを知り尽くした**「スポック博士(Dr. Spock)」**の本が素晴らしいと聞いたからです。
おそらく、そのうちの半数は、宇宙船エンタープライズ号に乗った「尖った耳と緑の血を持つヴァルカン人(Mr. スポック)」が、論理的なトイレトレーニングの方法を教えてくれると期待していたのではないでしょうか。しかし実際に彼らが手にしたのは、人間の小児科医の本でした。しかもそのアドバイスは、現代の専門家たちと同じように、時代の風向き次第でコロコロと変わるものだったのです。
「専門家」という名の罠
先日、『Japan Today』にオーストラリアの学術専門家による記事が掲載され、子供は乳製品を摂取すべきか否かというネット上の論争に終止符を打とうとしていました。著者は、牛乳アレルギーについて「恐怖を煽っている」として、SNSのインフルエンサーたちを一蹴しています。
しかし、ここに皮肉があります。この記事の著者は「専門家」という言葉の威を借りて、オーストラリアの栄養ガイドラインを「絶対的な福音」として扱っているのです。彼らは、今日「科学的真実」とされているものが、明日にはあっさりと覆される可能性があることを完全に忘れています。
実際、過去10年間に「専門家」たちが自信満々に語り、のちに180度意見をひっくり返した事例を見てみましょう。
低脂肪乳の神話: 何十年もの間、専門家は親たちに「子供には無脂肪乳や低脂肪乳を飲ませるべきだ」と指示してきました。しかし近年の研究ではこれが完全に覆り、全脂乳(普通の牛乳)を飲む子供の方が肥満リスクが低いことが示されています。
アレルゲンの排除命令: かつて専門家は、乳児に乳製品、ナッツ類、卵を与えるのを避けるよう指導していました。しかしその後の臨床試験で、このアドバイスこそが子供の深刻なアレルギー急増を「引き起こしていた」原因であることが証明されたのです。
国が変われば、牛乳の常識も変わる
硬直した世界共通のガイドラインは、文化や生物学的な現実を完全に無視しています。
たとえばイギリス(UK)では、牛乳は紅茶やシリアルへの絶対的な相棒であり、生活に深く根ざしています。1980年代の有名なテレビCMを覚えているでしょうか。サッカー帰りのリヴァプールファンの子供たちが牛乳を奪い合い、こう言うのです。
「イアン・ラッシュ(当時のスター選手)が言ってたぞ。牛乳を飲まないと、アクリントン・スタンリーみたいなチームでプレーすることになるって!」
「アクリントン・スタンリー? それどこだよ!?」
「その通り!」
イギリスでは、牛乳は「強くなって一流の選手になるため」に、誰もが当たり前にガブガブ飲むものでした。一方、アメリカでは、クッキーと一緒に楽しむものとして今でも激しくマーケティングされています。
日本の学校給食パラドックス
では、ここ日本はどうでしょうか。
毎日、何百万人もの日本の小中学校の生徒が学校給食の席につきます。そして、どんなメニューであろうと、すべてのトレイには必ず小さな「紙パックの牛乳」が載っています。このシステムは戦後の栄養不足の時代に始まり、今や破れない「官僚的なルール」となりました。
しかし、ここに西欧の「専門家」たちが完全に無視している生物学的な盲点があります。
乳糖不耐症(ラクトース・イントレランス): 東アジア人の成人の実に70%〜0%が、多かれ少なかれ乳糖をうまく消化できない体質を持っています。
「調和」vs「身体」: 私たちは、和を乱さないため、そして毎日のルーティンとして子供たちに牛乳を飲むよう促します。たとえ子供たちの身体が、静かにそれに拒絶反応を起こしていたとしても、です。
衣装ではなく、自分の感覚を信じよう
海外のSNSインフルエンサーと、海外の学術専門家がキャットファイトを繰り広げているとき、それは単に2人の人間がそれぞれ「デジタルの白衣」を羽織って、自分の主張を売り込んでいるだけに過ぎません。どちらも、日本の台所の現実や、日本人の子供の遺伝子のことなど考えてはいないのです。
子供はどれくらい牛乳を飲むべきでしょうか? おそらく、彼らが「本当に欲しがり、必要としている分だけ」で十分です。家族に何をどう食べさせるかを決めるのに、白衣を着た男も、宇宙から来た科学士官も必要ありません。
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