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|教育AI活用術|AIで指導案を書く前に。研究授業で絶対に読み込ませるべき5つの情報

最近、生成AIを使って指導案を書く先生が増えてきた。

ChatGPTやGeminiに「〇〇の指導案を書いてください」と入力すると、それらしい文章が数秒で返ってくる時代である。

これは本当に便利だ。

私自身も研究授業や提案授業の際にAIを活用している。

ただし、ここで一つだけ大きな勘違いがある。

それは、

AIに指導案を書かせることが目的になってしまうこと

である。

実は、指導案の質を決めるのはAIの性能ではない。

AIに何を読み込ませたかである。

同じChatGPTを使っても、読み込ませる資料によって出てくる内容は全く変わる。

逆に言えば、資料が不足していれば、どれだけ高性能なAIを使っても、出てくるものは一般論の寄せ集めになってしまう。

研究授業というのは、そもそも「目の前の子どもたちをどう伸ばすか」を考える営みである。

だからAIに丸投げするのではなく、自分の考えを整理するためのパートナーとして使うべきだと考えている。

今回は、私が研究授業の指導案を作る時に、絶対にAIへ読み込ませるべきだと思う5つの情報について紹介したい。


まず大前提。AIは指導案を書いてくれるが授業は作ってくれない

最初に言っておきたい。

AIは文章を書くのが得意である。

しかし授業を作るのは得意ではない。

ここを勘違いすると危険である。

例えば、

「4年社会科 水はどこから 指導案を書いて」

と入力すると、それっぽいものは返ってくる。

しかしそれは全国どこの学校でも使えるような一般論である。

研究授業に必要なのは一般論ではない。

自分の学級だからこそ必要な手立てであり、自分の研究テーマだからこそ価値がある提案である。

つまり、

AIは文章担当。授業設計は人間担当。

この役割分担が重要になる。


① 子どもの課題を読み込ませる

一つ目は子どもの課題である。

これが出発点になる。

研究授業を考える時に一番やってはいけないのは、

「やりたい授業から考えること」

である。

先にICTを使いたい。

先に探究をやりたい。

先にグループ活動をやりたい。

こう考えてしまうと、子どもの姿が見えなくなる。

本来は逆である。

まず、

  • この子たちは何に困っているのか

  • 何が苦手なのか

  • 何ができるようになれば成長なのか

を考える必要がある。

だから私はアンケートを勧めたい。

GoogleフォームでもFormsでもよい。

例えば、

「自分の考えを説明することができますか」

「資料から情報を読み取ることができますか」

「友達の考えを聞いて自分の考えを変えることができますか」

そんなアンケートを取るだけでも、子どもの実態は見えてくる。

AIは子どもの顔を知らない。

だからこそ、人間が子どもの情報を与える必要がある。

研究授業は子どもから始まる。

これはAI時代になっても変わらない。


② 学習指導要領を読み込ませる

二つ目は学習指導要領である。

これは絶対条件である。

研究授業というと、どうしても新しいことをやりたくなる。

しかし、公立学校で行う以上、学習指導要領から離れることはできない。

むしろ優れた研究授業ほど、学習指導要領を深く読み込んでいる。

例えば社会科なら、

  • 知識及び技能

  • 思考力・判断力・表現力

  • 学びに向かう力、人間性等

の三観点がある。

算数なら、

  • 数学的な見方・考え方

という言葉が繰り返し出てくる。

AIは学習指導要領を読み込ませると、その観点に沿って文章を整理してくれる。

人間が何十ページも読むのは大変だが、AIは一瞬で整理する。

だからここは積極的にAIを活用すべき場面である。


③ 研究会の研究理論を読み込ませる

ここが意外と重要である。

研究授業には必ず研究テーマがある。

例えば、

  • 情報活用能力

  • 探究的な学び

  • 社会形成力

  • 個別最適な学び

  • 協働的な学び

などである。

AIは基本的に平均点を取ろうとする。

だから研究理論を与えないと、どの理論にも当てはまるような無難な文章を書いてしまう。

しかし研究授業は無難では意味がない。

研究テーマに迫る必要がある。

私は研究会の資料や研究紀要をPDFで読み込ませることを勧める。

そうすると、

「この研究会が大切にしている価値観」

をAIが理解してくれる。

結果として、検討会で

「研究テーマとの関連が見えませんね」

と言われるリスクが大きく減る。


④ 論点整理を読み込ませる

四つ目は論点整理である。

これは最近特に重要になっている。

現在の学習指導要領は平成29年告示である。

もちろん今も有効だが、その後社会は大きく変わった。

生成AI。

情報活用能力。

個別最適な学び。

協働的な学び。

探究。

これらは今後さらに重要になる。

文部科学省では次期学習指導要領に向けて論点整理が進められている。

研究授業は未来への提案でもある。

だから今の学習指導要領だけでなく、

「これからの教育はどこへ向かうのか」

という視点も必要になる。

論点整理は文章量が多い。

正直、人間が読むとかなり疲れる。

だからこそAIに読ませる価値がある。

ここは生成AIの得意分野である。


⑤ 最後は自分の教育観を入れる

そして最後に、一番大切なものがある。

それは自分自身である。

私はここだけは絶対にAIに任せてはいけないと思っている。

例えば、

なぜこの授業をしたいのか。

なぜこの教材を選んだのか。

なぜこの単元に価値を感じたのか。

ここは教員自身の言葉でなければならない。

研究協議会では必ず質問される。

その時、

「AIがそう書いていました」

では通用しない。

自分の考えがなければ議論にならない。

逆に言えば、自分の思いさえ入っていれば、AIを使っても全く問題ない。

むしろ文章化を手伝ってくれる優秀な秘書になる。


AIで時短した時間をどこに使うのか

ここが一番重要である。

AIを使う目的は指導案を早く終わらせることではない。

指導案を早く終わらせて、

教材研究に時間を使うこと

である。

研究授業で本当に大事なのは、

  • 子どもがどんな反応をするか

  • どんな発問をするか

  • どんな資料を出すか

  • どこで困るか

を考えることである。

これはAIにはできない。

目の前の子どもを見ている教員にしかできない。

だから私は、

「AIで指導案を書く」

のではなく、

「AIで指導案作成を短縮して教材研究に時間を使う」

という考え方を勧めたい。

まとめ

研究授業でAIを使うなら、次の5つを必ず読み込ませたい。

  1. 子どもの課題・実態

  2. 学習指導要領

  3. 研究会の研究理論

  4. 次期学習指導要領の論点整理

  5. 自分自身の教育観

この5つがそろえば、AIは単なる文章作成ツールではなくなる。

研究授業を支える優秀なパートナーになる。

そして忘れてはいけない。

研究授業の主役はAIではない。

指導案でもない。

目の前の子どもたちである。

AIで浮いた時間を、ぜひ子どもを見る時間に使ってほしい。

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