【AI航海日誌】退職の伏線と新たな船出
退職に至るまでの、いくつかの伏線について。
こんにちは、ひでピチュです。
今回は前回の記事の続きとして、前回は書ききれなかった「退職に至るまでの伏線」について、過去の投稿を振り返ってみたいと思います。
前回は、私が退職を決めた理由について、「AIへのワクワク」と「黒字リストラ」が、ちょうど重なったからだと書きました。
その頃に公開していたnoteの記事や動画には、自分の進退や、これからやりたいことを意識した伏線を、いくつか込めていました。
今回は、その3つを紹介します。
1. 「黒字リストラ」
「黒字リストラ」の現実を最も直接的に反映しているのが、今年3月14日に公開した、こちらの四コマ動画です。
この動画を制作していたのは2月頃です。その時点で、私の退職はすでに決まっていました。
早期退職制度の応募締め切りは1月初旬でしたが、制度自体が発表されたのは、前年の9月頃です。私は10月頃には、応募する意思を固めていました。
私が勤めていた会社が早期退職制度に踏み切った大きな理由の一つは、社員の年齢構成を見直すことでした。
バブル期に大量採用された世代が厚い一方、その後の就職氷河期には採用数が減ったことで、上の年代ほど人数が多い、極端な逆三角形に近い構成になっていました。
会社としては、この年齢構成を、将来的に安定しやすい釣鐘型へ近づけることを目的としていました。したがって、制度の直接的な目的は、生成AIによる人員削減ではありません。
ただ、今後AIによる業務代替や効率化が進んでいくことは、十分に予想されていました。
組織の若返りと生産性向上を同時に進めるのであれば、業績が悪化してからではなく、黒字のうちに実施するという経営判断には合理性があります。
その意味では、この制度に「AI時代を見据えた人員再編」という側面が含まれていたことも、確かです。
そんな時期に作ったのが、この動画でした。
この作品は当初、AIが最も不要な人材を分析し、冷徹に退職者を選ぶ、もっとドライな結末を想定していましたが、AIリストラへの反発を感じ、最終的には、AIに決めさせるのではなく、上司自身が判断し、自ら身を引く結末へ変更しました。
最後に決断するのはAIではなく、人間の意思であってほしい。
自分自身の退職が決まった時期にこの作品を作っていたこともあり、そこには当時の自分の願いが、直接的に込められていたと思います。
それ以前に、もう一つ、別の方向の作品を作っていました。
2. 「AIのワクワク」
こちらは、「黒字リストラ」とは反対側にあった、私の「AIへのワクワク」を表した作品です。
この作品を作ったのは、退職する意思を固めた10月から11月頃でした。
その頃、私は通勤電車の中で、Sunoで作ったこの曲を何度も聴き返していました。
少年を主人公にしたミュージックビデオですが、歌詞の内容は、少年なのに未来への希望だけを歌ったものではありません。
長年勤めた会社を離れるという区切りを前に、「もしも生まれ変わるなら」という言葉で、子どもの頃に夢見た自分のことを思い出し、自分自身の背中を押していたのかもしれません。
しかし、これまでの歩みを全て否定して、別の人生に生まれ変わるのではなく、研究者としての自分も、PMとしての自分も、その経験があるからこそ進むことができる。そんな言葉で、この曲は締めくくられます。
3. 「AI未来予想」
そして、退職の前後に、これからの活動を見据えて始めたのが、次の連載です。
この『AI未来予想』では、これから私たちが直面するかもしれない、本当の未来を、物語というオブラートに包んでまじめにリサーチして描いています。
そして、この物語作りの取り組みの目的は、
AIを使って、最終的なアウトプットを生み出すために、上流から設計する方法を探ること
です。
直ぐに陳腐化するAI技術を試すのではなく、物語や世界観という上流の設計を、AIとどのように進めるかを探る試みでした。
AIと役割分担のスキームを組み、物語作りそのものを一つの「プロジェクト」として扱うことで、会社員時代の自分の仕事に、少し近づけてみたのです。
人間が全体を構想し、それぞれの役割を与えたAIと対話しながら、一つの世界を形にしていく。
この取り組みは、その後のAIエージェントの進化とも重なり、そのまま現在の事業づくりへとつながっていきます。
これからのこと
退職から、早くも3か月あまりが過ぎました。
実はこのわずかな期間の間にも、生成AIをめぐる世界的な覇権争いは、さらに激しさを増しています。
政府が介入するような軍事安全保障や経済安全保障の問題も絡み、各社は最上位モデルの発表時期を競い合い、サービスの利用制限のリセットを繰り返しながら、利用者の獲得を争っています。
この日替わりの変化の速さは、AI覇権戦争のピークではないでしょうか。
期待だけでなく、不安がないと言えば嘘になります。
今使っている技術が、いつまで通用するのか。
どのサービスが残り、どのサービスが消えていくのか。
個人で始めた取り組みを、どのように仕事や事業へつなげていくのか。
その取り組み自体、いつAIに取って代わられるのか。
分からないことばかりです。
しかし、かつてコンピュータ黎明期に、自分で作ったグラフィックボードを使い、マシン語で3Dを描画した、あの時見た風景が、いま再び私の目の前に広がっています。
これまでの組織の中で時間をかけて進めていた事業創出のプロセスは、AIによってどう変わるのか。
私たちが向かう先には、どんな世界が待っているのでしょうか。
羅針盤すら十分に機能しない激動の海へと漕ぎ出していく、大航海時代の冒険になぞらえ、日々の思いつきや、ツールへの試行錯誤、そして毎度の失敗や反省、迷いなどを、航海日誌のように記録していこうと思います。
(あ、週末の創作活動も、細々と続けていきます。笑)
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