週末の家飲みを格上げする「BULLEIT ブレット バーボン」の購入体験と、巧みなブランド戦略
こんにちは。今回は、オンラインでアメリカ合衆国産のウイスキー「ブレット バーボン」を購入してみました。
一口飲んでみて、そのスパイシーでドライな味わいと、所有欲を満たすボトルデザインの完成度の高さに驚かされました。 新規事業としてD2Cや酒類、嗜好品の小売ビジネスを企画している方にとって、学びが多い設計になっていると思うので、具体的な実体験とビジネス的な観点での考察をまとめてみます。
【購入レポ】Amazonで買った「ブレット バーボン」の圧倒的な世界観
まずは、実際の体験から書いていきますね。
平日の夜22時ごろ、週末の晩酌用にAmazonで注文しました。価格は700mlで税込2,800円ほど。プライム配送により翌日の夕方には到着し、すぐに楽しむことができました。
届いた箱を開けてまず目を引くのが、その無骨で美しいボトルデザインです。 昔の薬瓶(アポセカリーボトル)をモチーフにしており、紙のラベルではなく、ガラスのボトル自体に「BULLEIT BOURBON」の文字がエンボス加工(浮き彫り)で刻み込まれています。棚に置いておくだけで絵になる、非常に所有欲を満たしてくれるUI(ユーザーインターフェース)ですね。
休日の夜、7歳の息子と3歳の娘が寝静まった後、妻と一緒にロックで飲んでみました。 バーボンといえばトウモロコシ由来の「強い甘み」を想像する方が多いと思いますが、このブレット バーボンは全く違います。原料に占めるライ麦の比率が約28%と非常に高いため、口に含むとピリッとしたスパイシーさと、ドライでキレのある後味が広がります。 甘ったるさがないので、食事中のハイボールとしても非常に優秀で、あっという間にグラスが空になってしまいました。
「ブレット バーボン」の強みを事業性から解剖する
ここからは、この「ブレット バーボン」の魅力を、少しビジネス的な視点から解剖してみたいと思います。
巨大な酒類市場において、どのようにポジションを確立しているのか。個人的に、ポイントは大きく3つあると思っています。
1. 「甘さ」からの脱却による明確なポジショニング
バーボン市場は、安価でベーシックな「ジムビーム」や、赤い封蝋と甘くまろやかな味わいでクラフトバーボンの地位を築いた「メーカーズマーク」など、強力な競合がひしめき合っています。 そこにブレット バーボンは、「ライ麦比率28%」という明確なスペックを提示し、「甘くなくてスパイシー(フロンティア・ウイスキー)」という全く別の軸でポジショニングを行いました。これにより、「いつもの甘いバーボンに飽きた層」や「ドライな味わいを好む層」のペインをピンポイントで解消し、独自の熱狂的なファン(ニッチトップ)を獲得しています。
2. パッケージデザイン(ハードウェア)がもたらすブランド価値
紙のラベルを極力排し、エンボス加工のガラス瓶を採用したことは、ECサイト上やバーのバックボトルに並んだ際の「視認性」を劇的に高めています。 味を試す前に「なんだかかっこいい、本格的だ」と消費者に直感させるこのハードウェアの力は、ブランド構築において非常に強力です。 以前、以下の記事でも書いたのですが、ウイスキー市場における「ボトルの形状や希少性」がもたらすブランド価値の向上は、価格以上の意味を持ちます。
Amazonで10800円の「I.W.ハーパー12年」を買ってわかった、休売モデルが引き起こすブランド価値の向上 https://note.com/hibikiyamazaki/n/nbed3554beb6b
ブレット バーボンの場合も、「このボトルを部屋に置いている自分」という情緒的な価値が、強力な競争優位性になっています。
3. 「家飲みのプチ贅沢」を突く価格設計とLTV
1本2,800円前後という価格設計も絶妙です。 スーパーで買える1,000円台のデイリーウイスキーよりは高いですが、5,000円を超えるようなスコッチのシングルモルトほど手が出ない価格ではありません。「週末にちょっとだけ良いお酒を飲みたい」という、最も財布の紐が緩みやすいスイートスポットを突いています。 この価格帯で一度「スパイシーでドライな味」にハマると、他の甘いバーボンには戻れなくなり、結果として指名買いによる強力なリピート(LTVの向上)を生み出す構造になっています。
というわけで
今回は、「ブレット バーボン」についてまとめてみました。
単に美味しいだけでなく、成分(ライ麦比率)による味の差別化、直感的に世界観を伝えるボトルデザイン、そして買いやすい価格設定が三位一体となって回っている素晴らしい事例だと思います。
ウイスキーに限らず、新規事業でコモディティ化した市場に参入する際、「競合とは違うどのパラメーター(成分やデザイン)を尖らせれば、新しい需要を喚起できるか?」という視点を持つことが大事そうですね。
他にも、気になっているD2Cブランドや酒類のビジネスモデル分析があれば、ぜひ教えていただけますか?
本記事は関東を中心に、飲食店やラグジュアリーホテルなどを実地取材し、「体験価値」を評価して比較するレビュー媒体です。法人向けに取材記事制作・改善レポの制作も受託しています。
