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怒られた後に引きずる自分は弱い?|臨床心理士が「弱さ」で説明しない理由

はじめまして。「さわ」といいます。

臨床心理士として、心理支援の仕事に携わっています。

このnoteでは、職場で怒られたり、威圧されたり、不機嫌な態度に触れたりした後に起きる「心のぐるぐる」について書いています。

上司の一言が、家に帰ってからも頭から離れない。

怒られると涙が出る。
威圧的な人の前では、体が固まる。
その場では何とか仕事を続けても、夜になると「私が悪かったのかな」と考え続けてしまう。

そんなときに、自分の反応を責めるだけではなく、

「自分の中で、何が起きていたんだろう」
「自分が本当に見直すことは何だろう」
「自分一人で背負わなくてよいものはないだろうか」

と、少し分けて考えるための記事を届けたいと思っています。

このnoteで大切にしている言葉が、

「責める前に、分けて見る。」

です。

この記事では、記事の内容そのものではなく、

なぜ私が、人の心や反応をそのように見ているのか。

私自身の経歴や、心理支援の仕事をするうえで大切にしていることを、少し詳しく書いてみたいと思います。



2001年から心理支援に携わる中で、大切にするようになったこと

大学院修了後の2001年から臨床心理の仕事に携わり、2005年に臨床心理士資格を取得しました。

これまで、医療、被災者支援、産業、学校、民間のカウンセリングルームなどの領域で心理支援に携わってきました。

現在は、民間のカウンセリングルーム、スクールカウンセラー、産業メンタルヘルス領域の心理アドバイザーとして仕事をしています。

こう書くと経歴の紹介になってしまうのですが、私がここでお伝えしたいのは、年数や仕事の種類そのものではありません。

さまざまな場所で人の心に関わる仕事をする中で、私自身が大切にするようになった、人を見るときの姿勢があります。

なぜ、人の苦しさを「弱さ」で説明しないのか

不安になる。

何度も同じことを考える。

強い言い方をされると固まる。

人の顔色が気になる。

嫌なことがあっても言えない。

自分を責め続ける。

こうした反応を、その人の「弱さ」で説明することを、私はしません。

そもそも、人の何をもって「強い」「弱い」とするのかは、それほど単純ではないと思っています。

同じ人でも、置かれた状況や相手との関係、そのときの心身の状態によって、できることも反応の仕方も変わります。

だから私は、

「気にしすぎる性格だから」
「意志が弱いから」
「もっと強くなればいい」

といった評価から、その人を理解しようとはしません。

見るのは、その人に実際に何が起きているのかです。

何に反応したのか。

そのとき、どんな考えや感情が生まれたのか。

心だけでなく、体には何が起きていたのか。

これまでの経験や、今置かれている環境は関係していないか。

相手との関係や立場はどうだったのか。

そうしたことを一つずつ見ていきます。

もちろん、心理支援の中で、その人の考え方や受け取り方を一緒に見直すこともあります。

認知行動療法では、出来事とそこから受け取った意味を分け、別の見方がないかを検討することもあります。

でも、それは、

「あなたの考え方が問題だから、変えればいい」

ということではありません。

考え方も、感情も、身体の反応も、相手との関係も、置かれている環境も含めて、その人に何が起きているのかを理解する。

そのうえで、今の苦しさを少しでも扱いやすくするために、どこに働きかけられるのかを一緒に考える。

私は、その順番を大切にしています。

相手を理解することと、自分の苦しさを我慢することも別です

もう一つ、大切にしていることがあります。

それは、

背景を理解することと、責任や境界を曖昧にすることは違う

ということです。

たとえば、強い言い方をした人にも事情があったのかもしれません。

忙しかった。
余裕がなかった。
その人自身も何かに追われていた。

そう考えることが、自分の気持ちを少し楽にしてくれることもあります。

でも、

「相手にも事情があったのだから、自分が傷ついたことは気にしてはいけない」

となると、少し話が変わります。

反対に、

「自分はつらかった。だから相手が全部悪い」

と一つの結論だけで終わらせる必要もありません。

自分にも、次から見直したほうがよいことがあるかもしれない。

相手の言い方には、別の問題があったかもしれない。

職場の仕組みや立場が影響していたのかもしれない。

今の時点では、まだ分からないこともあるかもしれない。

それらは、同時に存在できます。

私は、理解することと責任を持つこと、相手を思いやることと自分を守ることを、どちらか一方だけにしないことを大切にしています。

だから、「責める前に、分けて見る」と書いています

このnoteで繰り返し使っている言葉があります。

「責める前に、分けて見る。」

という言葉です。

これは、

「あなたは何も悪くありません」

と言うための言葉ではありません。

反対に、

「すべて自分の考え方の問題だから、自分を変えましょう」

という意味でもありません。

一つの出来事が起きたとき、いろいろなものが一緒になってしまうことがあります。

自分がしたこと。

相手が言ったこと。

そのとき感じたこと。

体に起きた反応。

「嫌われたかもしれない」「私が全部悪かったのかもしれない」という考え。

実際に自分が見直したほうがよいこと。

相手の側にあること。

職場の環境や仕組み。

今の自分が必要としているもの。

そうしたものが全部一緒になると、

「つまり、自分がダメだった」

という一つの結論へ向かいやすくなります。

だから、いきなり自分を評価する前に、一度分けてみる。

その中から、自分が引き受ける必要のあるものは引き受ける。

でも、自分一人で背負う必要のないものまで、自分の責任にはしない。

まだ分からないことは、無理に結論を出さない。

この考え方が、このnoteで「心のぐるぐる」を扱うときの土台になっています。

一人で何とかできることだけが「力」ではない

心理支援の仕事をするうえで、私が中心に置いている考え方の一つに、エンパワメントがあります。

少し専門的な言葉ですが、私にとってこれは、

「前向きになってもらうこと」

でも、

「何でも一人で解決できるようになってもらうこと」

でもありません。

自分に何が起きているのかを理解する。

自分が何を感じているのか、何を嫌だと思っているのか、何を大切にしたいのかを少しずつ言葉にできるようになる。

そして、自分にとって必要な選択肢を持てるようになる。

そのことを大切にしています。

そこには、自分で何かをすることだけではなく、

休むこと。
今は決めないこと。
少し距離を取ること。
誰かに相談すること。
職場の制度を使うこと。
必要なら医療や専門的な支援を利用すること。

そうした選択肢も含まれています。

人の力を借りたから、自分では何もできなかった。

私は、そうは考えていません。

必要なときに、自分が使える支えを見つけて使うことも、自分を守るための大切な力だと思っています。

このnoteで伝えていきたいこと

このnoteでは、職場で怒られたり、威圧されたり、不機嫌に触れたりした後に起きる「心のぐるぐる」を中心に書いています。

一つひとつの記事で扱う困りごとは違っても、根底にあるのは同じです。

簡単に「気にしすぎ」で終わらせないこと。

だからといって、「あなたは何も悪くない」と一方向に決めることもしないこと。

自分の反応、自分が引き受けること、相手の言動や環境、今必要としているものを、必要に応じて分けて考えていくこと。

読んだ方が、

「自分の場合は、何が起きていたんだろう」

と、自分を責めるだけではない形で考えられる記事を、これからも届けていきたいと思っています。

「こんなことも記事で読んでみたい」があれば

私が考えていることだけでは、実際に読んでくださっている方が、どんなところで困っているのかをすべて知ることはできません。

そこで、今後の記事で扱ってほしいテーマを教えていただくための質問箱を用意しています。

たとえば、

  • 「こんな場面についても記事で扱ってほしい」

  • 「記事を読んだけれど、自分の場合はここがまだ整理しにくい」

  • 「こういうとき、どう考えればよいのかを記事で読んでみたい」

といったことがあれば、気軽に教えてください。

長い文章でなくても大丈夫です。

いただいた内容は、今後の記事テーマを考える際の参考にさせていただきます。

▶︎ 質問箱はこちら

なお、質問箱は個別カウンセリングや個別相談の受付窓口ではありません。すべての投稿への個別回答をお約束するものでもありませんので、ご了承ください。

また、ご本人や第三者が特定できる氏名・勤務先などの情報は書かないようお願いいたします。

緊急性の高い状況や、安全に関わる問題については、質問箱からの回答を待たず、身近な支援者、医療機関、相談機関など、その状況に応じた支援先をご利用ください。

はじめてこのnoteを読んでくださった方へ

このnoteが、

「誰に向けて、何について書いているのか」

「『責める前に、分けて見る』とはどういうことなのか」

をもう少し詳しく知りたい方は、まず固定記事をご覧ください。

▶︎ 上司の一言が、家でも頭から離れないあなたへ

具体的な困りごとから読みたい方は、現在5つのテーマに分けて記事をまとめています。

今の自分に近いものから、必要な記事を読んでいただければと思います。

これからも、このnoteでは、

責める前に、分けて見る。

そのための視点や整理のしかたを書いていきます。

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