のとキリシマツツジを見に行く
5月、日帰りで奥能登へ行ってきました。
ずっと叶わなかった「のとキリシマツツジを見に奥能登へ行く」をやりに行きました。
今年も行けないだろうと思っていたら、たまたま「のとキリオープンガーデンスタンプラリー」カードを手に入れました。ダメもとで頼んだら運転手も確保できたので、勢いで行くことにしました。
一般公開されている庭は、奥能登4町の43か所。
そのうち5か所以上のスタンプを集めると、抽選でオリジナルグッズがもらえるというおまけ付き。
どうせやるなら、スタンプ10個をめざそう。
天気にも恵まれ、のと里山海道(さとやまかいどう)を走り、いざ奥能登へ。
この季節に行くのは何年ぶりだろう。
北へ北へ進んでいくと、いつもどおり山林が見えてきました。
いつもどおり?
ではないような気がしました。
復旧工事のせいだけではない違和感。
正体は、暗緑色のスギやアテの林に咲く薄紫の藤でした。
藤の花の季節ではあるけれど、前よりずっと多いように見えました。
きれい。
でもそれは、いずれ材木になるはずの木が藤ヅルだらけ、ということ。
林業を営む人がいなくなったか、地震の影響で林道が使えないのかもしれない。
花盛りの藤を見ながら、そんなことを考えました。
奥能登に着いたのは、お昼頃でした。
能登町のファミマでおにぎりを買い、食べながらオープンガーデンをめぐる作戦を立てました。
帰りが遅くならないよう、半島の内浦側、能登町と穴水町に絞ることにしました。
開花にはまだ早い庭もありましたが、満開の庭もありました。
能登町の萬年寺は、奥能登らしくて印象深い場所でした。
駐車場から坂を上っていくと、3000坪の境内の一角に庭園が見えてきました。
ウグイスの声が響く杉の木立の間に、キリシマツツジが真っ赤な花をたくさん咲かせていました。
坂を上り切ると本堂が建つ高台に出ました。
黒い屋根の集落と松の木が見下ろせ、その背景に青い空と海が見えました。
視線を上げると海の向こうに白い立山が横たわっていました。
しんとした庭園の上の方では、ウグイスの声が聞こえていました。
訪れたどの庭も、キリシマツツジが大切に育てられていました。
地植えの樹齢何百年という大木を守るため、レールの上を走る大きな倉庫のような雪囲いをつくった家がありました。
地震でツツジを支えていた石垣が崩れ、修理資金の目処が立たないまま、世話を続ける家もありました。
遠方へ避難した家で大切にされてきたツツジを預かり、自分の庭で世話をしている人もいました。
多くの人たちが木を守ろうとしているのが伝わってきましたが、個人の力だけではどうにもならないという話も耳にしました。
穴水町の庭を見に行く途中、海のすぐそばを走る道を通りました。
内浦の海は、湖のように静かで穏やかで、ここでも海の向こうに雪をかぶった立山が見えました。
今度はさらに大きく、こちらに迫ってくるようでした。
森が道へ迫るようなところに、トトロが現れそうなバス停があり、その近くに民家を利用したカフェを見つけました。
ツーリングのバイクが何台か停まっていて、人気がありそうでしたが、時間が無かったのでまたの機会に。
慌ただしいスタンプラリーでしたが、暗くなる前に11か所を巡り、帰路につくことができました。
それから、しばらくして。
我が家に一通の封筒が届きました。
中には、キリシマツツジ色の深紅のエコバッグと一枚のお知らせ。
なんと、スタンプラリーの抽選に当たりました。

