防水靴は本当に濡れない?ゴアテックス・簡易防水・防水スプレーの違いをシューフィッターが本音で解説
「防水って書いてあったのに、靴下がびしょびしょ……」
これ、靴業界で働いていると本当によく聞く話です。
しかも相談してくれるのは、ちゃんと「防水靴を買った」人なんですよね。なのに濡れた。なぜか。
答えは単純で、防水の種類と使い方が合っていなかっただけです。
私は靴業界に入って20年以上になります。靴専門店でフィッティングや接客を17年担当し、今はシューズメーカーで営業・商品企画をしています。そのキャリアの中で、防水靴にまつわる「こんなはずじゃなかった」を何十件も見てきました。
この記事では、そういった現場の経験をもとに、
ゴアテックスと簡易防水、何が違うの?
防水スプレーって本当に効果あるの?
結局、雨の日は何を選べばいいの?
を、専門用語をなるべく使わずに解説します。
梅雨前に靴を買おうとしている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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まず「防水」には4種類あると知っておく

「防水靴」と一口に言っても、中身は全然違います。
大きく分けると、こんな4種類です。
完全防水(長靴・ゴムブーツ系)
防水透湿素材(ゴアテックスなど)
簡易防水(通学靴・ビジネスシューズなど)
防水スプレーによる後付け撥水
この4つは「防水」という言葉でまとめられていますが、性能も得意な場面もまったく違います。
ここを理解するだけで、靴選びの失敗はかなり減ります。
完全防水(長靴)は「最強だけど蒸れる」
長靴はわかりやすいです。ゴムや樹脂で全体を覆っているので、水が入り込む隙間がそもそもありません。
大雨の日や畑仕事、工事現場では最強の選択肢です。
ただ、欠点が一つあります。蒸れます。
防水性能が高いほど、靴の中の湿気も逃げにくい。一日中履いていると、足の不快感が積み重なります。通勤や通学で毎日使うには、正直しんどいです。
「雨の日だけ使う」「短時間だけ使う」という用途なら長靴は合理的ですが、それ以外の場面では他の選択肢が向いています。
ゴアテックスが高く評価される理由

防水靴の話になると必ず出てくるのがゴアテックスです。
一言で言うと、「水は通さないのに、汗は逃がせる」素材です。
仕組みを簡単に説明すると
ゴアテックスの防水膜には、肉眼では見えないほど小さな穴が無数に開いています。
この穴は雨粒より圧倒的に小さいので、外から水は入ってこれない。でも、足から出た汗の水蒸気(気体)は穴を通って外に逃げることができます。
だから防水なのに蒸れにくいという、長靴ではできなかった両立が実現できています。
私がゴアテックスをすすめる場面
一日中歩き回る人です。
電車やバスで通勤して、さらに駅から会社まで歩く
営業で外回りが多い
旅行中もたくさん歩く
こういった場面では、蒸れとの戦いが意外と大きい。ゴアテックスなら雨だけじゃなく、蒸れによる不快感も抑えられます。
「ゴアテックスなのに濡れた」はなぜ起きるか
販売現場でもよく相談されました。
「ゴアテックスのはずなのに靴下が濡れた」
詳しく聞くと、だいたい3パターンのどれかです。
① 履き口から水が入った
ゴアテックスはあくまで「靴の素材」の防水です。履き口(くるぶし周辺)の高さを超える水位になれば、上から入ってきます。深い水たまりを踏んだり、靴の高さを超える雨の跳ね返りを受けたりすると、防水膜があっても意味がない。
② 撥水性能が落ちていた
ゴアテックスの防水膜は靴の内側にあります。でも実際には、その外側にあるアッパー生地も水を弾く「撥水加工」が施されています。この撥水が劣化すると、生地がずぶ濡れになって重くなり、結果として蒸れを感じやすくなります。
③ 縫い目や素材の劣化
長年使えば、どんな高性能素材でも傷みます。縫い目のシーリングが剥がれると、そこから水が浸入します。
つまりゴアテックス=永久に濡れない、ではないのです。使い方と定期的なメンテナンスが前提になります。
簡易防水は「妥協」じゃない
ここ、意外と誤解されているポイントです。
通学靴やビジネスシューズでよく見かける「防水設計」「○cm防水」などの表示。
「ゴアテックスじゃないんでしょ、どうせ大したことないよね」
と思う人もいます。でも実際は違います。
簡易防水は、日常生活の雨を想定して作られた、十分実用的な防水性能です。
通勤や通学で遭遇する雨って、よく考えると「深い水たまりに何分も浸かる」とか「豪雨の中を1時間歩き続ける」ってケースはそんなに多くないですよね。
駅からオフィスまでの10分。学校の行き帰り。そういった日常の雨であれば、簡易防水で十分対応できる商品がほとんどです。
簡易防水を選ぶメリット
私が通学靴や指定靴に関わる仕事をしていて感じるのは、
価格が抑えられる(ゴアテックスより明らかに安い)
デザインの選択肢が広い
軽くなりやすい
という点で、特に子どもや学生には合理的な選択だということです。
毎日履く靴として考えたとき、価格と機能のバランスが良い。
ゴアテックスが必要なのは、アウトドアや長時間の雨中行動など、ハードな使い方をするときです。普段の通学・通勤なら簡易防水でも十分な場面は多い、というのが私の考えです。
防水スプレーの正しい使い方と種類

「防水スプレーをかけたら防水靴になるの?」
よく聞かれます。答えは「防水靴にはならないけど、かなり有効」です。
防水スプレーの役割
防水スプレーは、靴の表面に目に見えない薄い膜を作って、水が染み込む前に弾かせるためのものです。
「水を通さなくする」というより「水が入り込む前にはじく」というイメージです。ちょっとした雨なら水玉ができてコロコロ転がり落ちる、あの状態を作ります。
フッ素系とシリコン系の違い
防水スプレーには大きく2種類あります。
フッ素系:迷ったらこれ
私が普段使いにすすめているのはフッ素系です。通気性を残しやすく、素材の風合いを変えにくい。
スニーカー
革靴
ゴアテックスの靴
メッシュ素材
幅広い靴に使えるので、とりあえず1本持つならフッ素系で間違いないです。
そのフッ素系の中でも私がいちばんおすすめしているのが、コロンブスのアメダスです。
靴好きの間ではド定番の製品で、フッ素系防水スプレーの中では価格がかなり手ごろ。しかも容量が420mlとたっぷりあるので、複数の靴にガンガン使えます。
撥水性能も日常使いとして十分な高さで、「コスパで選ぶならアメダス一択」と言っても過言じゃないと思っています。靴専門店でも定番品として長年置かれている実績もあります。
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シリコン系:撥水性能を最優先したいなら
水を弾く力はフッ素系より強い傾向があります。ただ、素材によっては通気性を落としたり、色味が変わったりすることも。
傘
レインウェア
長靴
などに向いています。
シリコン系の中で一段上の撥水性能を求めるなら、ネバーウェット ネオが候補に上がります。
かなり強力な超撥水性能が特徴で、かなりの水圧でも弾くレベル。「防水スプレーってこんなに効くの?」と初めて使ったときは正直驚きました。値段はフッ素系と比べると高めですが、撥水性能に特化した製品としては納得感があります。
一点だけ正直に言っておくと、使い始めは石油系の匂いが強めです。スプレーして、そのまま1~2日は匂いが残る場合があります。
通気性については、公式サイトでは「損なわない」とされています。実際に私自身が使った感覚では、特別蒸れるようになったとは感じませんでした。ただ、これは推測の域を出ないので、ゴアテックスなど透湿性を重視する靴への使用は自己判断でお願いします。私はゴアテックスの靴にはフッ素系(アメダス)を使っています。
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防水スプレーを使う前に必ずやること
これ、知らない人が意外と多いです。
汚れを落としてからスプレーする。
泥やホコリが付いた状態でスプレーをかけても、汚れの上にコーティングができてしまうので効果が半減します。
私の場合、靴用ブラシで軽くほこりを払うか、ウェットシートでサッと拭いてからスプレーします。乾燥させてからかけるとさらに効果的です。
大した手間ではないですが、これだけで持続性が全然違います。
結局、どれを選べばいいか
私の考えをまとめるとこうなります。

「一番高いものを買えば安心」ではないです。
自分の使い方と靴の性能が合っているかどうかが一番大事です。
そしてどんな防水靴でも、防水スプレーとセットで使うことで快適さがぐっと上がります。特に梅雨前に手持ちの靴のメンテナンスとして試してみてほしいです。
※本記事はAIを用いて構成案と草案を作成し、筆者である現役シューフィッターが自身の経験と知見に基づき、加筆・修正しています。
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著者プロフィール
靴業界歴20年超。靴専門店での小売販売17年(紳士靴・スニーカー・婦人子供靴)を経て、現在は関西のシューズメーカーで営業・商品企画を担当。シューフィッター資格保有。
私は普段から靴やファッションの流れを知るために、Begin、2nd、Lightningなどのファッション誌を読んでます。
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