稲盛和夫が私財を投じて創設した京都賞は、「将来のノーベル賞候補」を見極める賞として世界的に注目されている
京セラの創業者の稲盛和夫さんの「生き方」を読みました。
これは、これから医師を目指す医学生にぜひ読んでもらいたいですね。
医師に一番必要な「利他の心」が満載の本です。
この本を繰り返し、読み続けることによって、人格が磨かれます。
医学は、医学と医術と医道の3つからなります。言い換えると、サイエンス(科学)とアート(技術)とフィロソフィ(哲学)です。
医学と医術は現場で学ぶことができますが、哲学は書籍から学ぶのが一番です。
京セラの経営理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類社会の進歩発展に貢献する」というものです。
企業経営の目的は、まず第一に、そこで働く人たちの生活と幸福を実現することにあります。
しかし、それだけなら、一私企業の利益を図るだけのエゴにとどまってしまいます。
企業には社会の公器として、世のため人のために尽くす責務もあります。
京セラの経営理念の後段は、利己の経営から利他の経営へという、経営理念の広がりを表しています。
創業から数年後、会社の基礎が固まってきたころ、稲盛社長は、暮れのボーナスを社員一人ひとりに手渡したあと、その一部を社会のために寄付することも考えたらどうかと提案しました。
社員全員から少しずつお金を出してもらい、それと同額のお金を会社からも提供して、それをお正月にお餅も買えないような貧しい人に寄付しようと提案をしました。
従業員はそれに賛同してくれ、ボーナスの一部を快く寄付してくれました。
これが、今日京セラが行っているさまざまな社会貢献事業のさきがけとなりました。

稲盛さんは、1985年に「京都賞」を創設しています。
私が、厚生省(現在の厚生労働省)に勤務していたときに、当時の科学技術担当審議官が京都賞の授賞式に出席して、その感想を聞いたときに初めて京都賞というものがあると知りました。
審議官は「素晴らしい授賞式だった」と言っておりました。
そのときの私は、京セラが設けたお金を配っているだけだろうと、斜めに構えており、審議官の話をまじめに聞いていませんでした。
稲盛さん著書「生き方」に、京都賞のことが書かれていました。
会社のお金ではありませんでした。
稲盛さん個人が持ってた京セラの株式や現金など二百億円を拠出して稲盛財団をつくり、先端技術、基礎科学、思想・芸術の各分野ですばらしい業績を上げ、多大な貢献を果たした人たちを選んで顕彰、その功績をたたえようという趣旨で始めたものでした。
「現在では、ノーベル賞に匹敵する国際賞として高く評価されている」とありました。
稲用さんはこのように述べております。
京セラの発展の結果、思いがけず増えた私の資産は、社会の多くの人たちの支援や尽力を得てもたらされたものなのだから、それを私物化してはいけない。
社会からちょうだいした、あるいは社会から預かった資産は、社会に役立つかたちで還元するのが筋である、そう考えて設立したものです。
この京都賞は社会への恩返しであると同時に、私の利他の哲学の実践でもあるわけです。
恐縮です。ケツの青い未熟だった私は、稲盛さんの利他の心というものを全く理解しておりませんでした。反省しております。審議官すいません。

以下は、京都賞について、Geminiによる解説をベースにまとめたものです。
京都賞は、科学技術や思想・芸術の発展に大きく貢献した人々に贈られる、日本発の国際賞です。
京セラの創業者である稲盛和夫氏が「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」という信念のもと、私財を投じて設立した稲盛財団によって創設されました。
「日本版ノーベル賞」とも称されるほど権威が高く、特にノーベル賞の対象外となる数学や芸術分野もカバーしているのが大きな特徴です。
1. 部門と分野
毎年、以下の3つの部門から各1名(または1グループ)が選ばれます。
それぞれの部門には4つの詳細分野があり、毎年順番に選考対象が変わります。
先端技術部門
エレクトロニクス、バイオ・メディカル、材料科学、情報科学|
基礎科学部門
生物科学、数理科学、地球・宇宙科学、生命科学|
思想・芸術部門
音楽、美術、映画・演劇、思想・倫理
2. 賞の内容
賞金: 1部門につき1億円
授与品: 京都賞メダル、ディプロマ(証書)
授賞式: 毎年11月に国立京都国際会館(京都市)で開催されます。
3. 直近(2025年 第40回)の受賞者
2025年度は、以下の3名が選ばれました。
先端技術部門:甘利 俊一 氏(数理工学者)
人工知能(AI)の理論的基盤や「情報幾何学」を確立した功績。
基礎科学部門:アジム・スラーニ 氏(発生生物学者)
哺乳類の「ゲノムインプリンティング」を発見し、生命科学の発展に貢献。
思想・芸術部門:キャロル・ギリガン 氏(心理学者)
「ケアの倫理」という新たな視点を提唱し、従来の心理学や倫理学を再構築した功績。
京都賞は、その選考基準の高さから「将来のノーベル賞候補」を見極める賞としても世界的に注目されています。
実際に京都賞を受賞した後にノーベル賞を受賞するケースが多く、これまでに10名以上の重複受賞者がいます。

代表的な重複受賞者は以下の通りです。
1. 京都賞の後にノーベル賞を受賞した主な人物
京都賞が「先見性」を持っている証左として、多くの学者が数年〜十数年後にノーベル賞に輝いています。
山中 伸弥 氏
京都賞(2010年):iPS細胞の作製 ノーベル生理学・医学賞(2012年)
大隅 良典 氏
京都賞(2012年):オートファジーの分子メカニズムの解明 ノーベル生理学・医学賞(2016年)
本庶 佑 氏
京都賞(2016年):PD-1分子の発見とがん免疫療法への応用、 ノーベル生理学・医学賞(2018年)
赤﨑 勇 氏
京都賞(2009年):青色発光ダイオード(LED)の発明、 ノーベル物理学賞(2014年)
ミシェル・マイヨール 氏
京都賞(2015年):系外惑星の発見、 ノーベル物理学賞(2019年)
2. 両方の賞を受賞した主な海外の学者
ポール・ラウターバー氏
京都賞(1994年)先端技術 、ノーベル生理学・医学賞(2003年)
シドニー・ブレナー氏
京都賞( 1990年)基礎科学、ノーベル賞生理学・医学賞( 2002年)
マリオ・カペッキ氏
京都賞( 1996年)基礎科学、ノーベル賞生理学・医学(2007年)
ジョレス・アルフェロフ氏
京都賞( 2001年)先端技術、 ノーベル物理学 (2000年)

3. なぜ「ノーベル賞に近い」と言われるのか?
分野の広さ: 京都賞は、ノーベル賞にはない「数学」や「情報科学」、「材料科学」なども対象としています。そのため、科学界全体の最先端を網羅しています。
選考の厳格さ: 全世界の推薦をもとに、数年かけて徹底的な審査を行うため、学術的価値が極めて高い人物が選ばれます。

うーむ。京都賞は、もっと我が国で盛り上げていってもいいと思いました。
京都賞を取れば、次にノーベル賞が近いと世界の科学者は知っていますが、国内での知名度がいまいち少ないと感じております。恐縮です。私が知らなかっただけかも。
稲盛さんは、そんな下世話なことは気にしていないと思いますが、日本の誇る賞だと知った私は、これからハベレオ通信で応援したいと思います。
稲盛さんの利他の心の表れである京都賞すごいです!
ちなみに、私は、厚労省にいたときに、山中教授と本庶教授と食事をしたことがあります。威張るわけではないですが、ご一緒できて光栄です。
