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態度や礼儀作法を身につけることは、若い医師が成長するための必須スキルである

宮崎大学医学部の1年生の地域枠の学生に講義をしました。

最初のパワーポイントに次の4つをあげました。

①人口動態
②宮崎県の医師の状況
③若手医師の確保に向けた「All Miyazaki」の取組
④ドラフト会議で指名された選手がなすべきこと


地域枠の学生を、プロ野球のドラフト会議で指名された選手に例えて、さまざまな人の言葉や本を紹介しました。

15時30分からの90分という、完全アウェイな時間帯でしたが、寝る学生もおらず、真面目に講義を聴いていたことに驚きました。

自分が学生のときと違っておりました!

講義終了後に講義内容をレポート用紙で提出することになっており、そのコピーをいただきました。

びっしりと書き込まれた感想を見て、感動しました。自分が学生のときと違っておりました!

多くの医学生は、宮崎県の人口が減ることに驚いておりました。

人口=患者ということまでは思いが至っていなかったようです。

自分たちが医者として活躍する頃には、今よりも患者が減るという現実を初めて知ったようです。

入院患者の75%を、75歳以上の後期高齢者が占めることになります。

こうした患者は、複数の疾病を合併することが多く、また医療だけではなく介護も必要です。

そのために単独の診療科では、もはや対応できません。
総合診療科や地域包括ケアの知識が不可欠です。

がんや糖尿病による入院患者は減少して、
骨折や認知症、脳血管疾患や心血管疾患が増加するという将来予測もインパクトがありました。

宮崎県医療計画というものがあり、計画に今後6年間の医療をどのようにしていくかが書いてあることを知ったので、是非読んでみたいという感想がありました。

宮崎県内の医師は、
40代の働き手が少ないこと、
宮崎市周辺に医師が集中して、他の二次医療圏に医師が少ないこと
も新鮮だったようです。

今年度に入学した学生から開始された文部科学省が作成した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を紹介しました。

医学教育モデル・コア・カリキュラムは、学生が卒業時までに身につけておくべき必須の実践的診療能力(知識・技能・態度)の学修目標を示したものです。

キャッチフレーズは、
「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の育成」
です。

読んでわかる通り「医療機関」は明記されておりません。

未来の社会や地域は、人口減地域が増加し、高齢化が上昇しています。

温暖化などによる新興感染症や災害リスクの増大、AIに代表される新規科学技術の台頭が予測されています。

そういった状況を見据えて、
病院だけでなく在宅などの多様な場や、
医療だけでなく行政や福祉、介護、防災の人をつないで活躍できる医療人を育成
することになっているのです。

病院の中でしか活動できない医師は、時代に合わなくなるのです。

講義では、さまざまな先生方の言葉を紹介しました。

自治医大の初代学長の言葉
「忘己利他」

長崎大学医学部の前身の長崎療養所のポンペの言葉
「ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のためのものではなく、病める人のものである。もし、それを好まぬなら、他の職業を選ぶがよい」

産業医大の初代学長の言葉
「哲学する医師・感謝されない医師になれ」

昭和天皇の心臓手術をされた順天堂大学の天野篤教授の言葉
「名医の条件は、予後がつくれること、予後が当てられること」

当然のごとく、漫画も紹介しました。

「総合診療医の漫画19番目のカルテを知っている?」
この質問に、手を挙げる学生が多数いたのは意外でした。読まれています!

ドラフト会議に選ばれた選手の話として、昭和の大選手である野村克也選手の本を紹介しました。 

「超二流」という本です。

自分が勝てる場所を見つけてそこに全てをかける。

その洞察力を駆使した能力が、一流の力を上回り、「超二流」の選手として大成する。

一流の脇役になれ、チームに不可欠な「超二流」になれ。

進化とは変わること。変化には恐怖が伴う。

成長を阻んでいるのは、変化を受け入れない自分自身。

「失敗」と書いて、「せいちょう」と読む。

天野先生とは、お話しをしたことがあります。

厚労省の事務次官の代理で出席した会合で、向かい合って座ったのです。

最初にどこかで見た人だとは思いましたが、まさか天皇陛下の手術をされたドクターだとは判りませんでした。

昭和天皇が入院されたのは東大病院でしたので、東大の先生が手術をすると思っていましたが、なぜ、順天堂大学病院の天野先生が執刀することになったのかを聞いてみました。

当時の東大病院の院長は、循環器内科が専門の先生でした。現在は自治医大の学長をされています。

この先生から紹介された多数の患者さんの心臓の手術をして、術後の経過をレポートにして必ず返していたそうです。

そうしたこともあって、昭和天皇と同じ症例の手術例が多い自分に依頼がきたのだと思った、と言っておられました。

自分から言い出してはいません。
日頃の仕事を、見ている人がいるのです。

学生の感想で、コメントが一番多かったのは天野先生が示した「医師に必要なスキル」でした。

①勉強
②コミュニケーション能力
③展開能力
④礼儀作法


天野先生はこの4つを挙げています。

医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、
知識・技能・態度
の3つが大事と言っており、
態度に直結した「礼儀作法」を挙げてくださってよかったと思います。

普通に考えれば、礼儀作法が悪ければ、天皇陛下の手術の依頼は来ることはなかったでしょう。

つまり礼儀作法は、医師以外にもあらゆる社会で成長していくための必殺スキルです。

いや必須のスキルです。

医学生におすすめしたいのは、医学の勉強と並行して本を読むことです。漫画でもOK!

noteで読んだ本の感想をアウトプットしていけば、知識量は増えていき、文章によるプレゼンテーション能力が身につきます。

時間は万人に平等です。時間をどのように使うかで、生き残るかどうかが決まります。

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