カミヒトエ(紙一重)の差で、施策(予算・制度・組織)が実現する
昔、青森県のむつ保健所に勤務していたときに、近くにあるむつ総合病院の病院長の話を聞いたことがあります。
初めて病院長になったときに、弘前大学の外科の教授から訓示を受けました。
いいかね。
人が仕事をするにはいろいろな方法がある。
まず、頭で仕事をする人がいる。
次に、足で仕事をする人がいる。
君は、頭はそれほどよくないし、フットワークもいまいちなので、肝臓で仕事をしたまえ。
自分は若くして病院長になったので、教授のいいつけを守って、飲み会で人脈をつくりながらこれまで公立病院の院長職をしてきた。
院長の仕事は、院内の医師や看護師、事務職と言った内部のとりまとめと、市役所や市議会、市郡医師会、大学医学部といった外部との調整の二つ。
自分を送り出した教授の話は、大変役に立った。
とりわけ、肝臓が役に立った。

この話を自分が、厚労省で若手医系技官の研修の際に披露したところ、好評でした。
自分は肝臓派でしたので、新型コロナウイルス感染症の蔓延で飲食が禁止されてからは、私の実力(?)は発揮できなくなり、引退を決意しました。
同じときに、むつ下北医師会の会長からは、大切な「三つの袋」の話を聞きました。結婚式の挨拶の定番になっています。
①お袋 親や家族、親戚を大切に
②胃袋 健康を大切に
③堪忍袋 お互いの相手を大切に(生まれも育ちも違う二人が一緒になったのだから、腹が立つことがあっても我慢しなさい)

昔の内務省(今の総務省)の「三惚れ」の教え
①仕事に惚れよ 担当している仕事を好きになれ
②女房に惚れよ 家族を大切に
③地域に惚れよ 赴任した県とそこに住む人々に触れて、第二の故郷となるようにせよ

ちなみに、私が赴任した青森県むつ市には、海上自衛隊の大湊総監部があり、「大湊三度泣き」の言葉が伝わっていました。
①最初に赴任したときに、あまりの田舎さに泣く
②実際に住んでみて、地元の人の情け触れて泣く
③異動で別れるときに泣く
私の経験からは、①以外は合っていました。
むつ市は田舎ではなく、椎葉村生まれの私にとっては都会だったからです。

県庁でいろいろな施策を立案する機会もあると思います。
その際には、次の三つが大事です。
①大義名分 誰も反対できないようなスローガンを用意する。例としては、「健康寿命の延伸」など
②サイエンス 根拠となる科学的なデータや調査資料を用意する
③少しの浪花節 日本人は理屈だけでは動きません
さらに施策を実現させるための「カミヒトエの法則」です。
①紙(説明ペーパー) 重要な骨子だけで1枚にまとめる。資料は添付する。
②人(プレゼン者) 大きな声で自信たっぷりな態度でプレゼン実施
③絵(ポンチ絵) 厚労省ではポンチ絵と言っていました。ビフォー・アフターを示す。
カミヒトエ(紙一重)の差で、施策(予算・制度・組織)が実現します。

昔は、捕犬所(保健所)三種の神器もありました。
①これでもか健診
②イヤイヤ講習
③念仏保健指導
恐縮です。
「大湊三度泣き」のあと3つの言葉は、私のオリジナルです。
三は人間が一番覚えられるものだと思います。
赤、青、黄の信号とか、織田、豊臣、徳川とかの歴史など、三が基本です。
ちなみに椎葉村は、日本三大秘境だと言っております。
三種の神器も、剣と鏡と勾玉。
スターも御三家で、郷ひろみさん、野口五郎さん、西城秀樹さんです。

パワポでも説明したいことを3つにまとめると、理解が深まります。
せいぜい3プラス2までです。
結核でガフキー10号と言われてもピンときません。
アメリカでは結核の菌量の区別は4つしかありません。
人間の染色体は46。
赤穂浪士は47人。
AKB48、乃木坂46、日向坂46など、大人数になるともはや、通常の人には個人識別はできません。
押しファンだけです。
DNAは二重らせん。構成する塩基は、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4つ。
神様はシンプルです。
