おへんじ帖の「あたしのカレ」って、誰のこと?|おはようカノジョ #132
はじめに
「おはようカノジョ」は、AIイラストの彼女が毎朝7:30にいってらっしゃいを言ってくれるXアカウント。生成AIを使った個人開発の開発日記を毎日書いている。
おへんじ帖の話。リリースから2ヶ月近く経って、自分では「これで完成」だと思っていた。けれど、めじゅさんからの一言で、自分が無自覚に書いていた言葉に気づかされた。
褒めてくれるはずのキャラが、刺してきた
おへんじ帖には、未返信コメントがゼロになると曜日担当のキャラが褒めてくれる演出がある。「今日もえらいね」「おつかれさま」みたいな短いセリフが、7人それぞれの口調で出る。リリース時から入れていた、お楽しみ機能のひとつ。
メンバーシップの掲示板で、めじゅさんから声が届いた。
おへんじ帖で、呼びかけられる時に性別関係ってどうなってるのかな〜って思いまして。
言われて、初めて気づいた。
ぜんぜん意識していなかった。自分が男性で、おはようカノジョが「彼女」コンセプトのプロジェクトだから、セリフを書くときに「相手は男性」を勝手に前提にしていた。
男性前提だった3箇所
該当箇所を洗い出してみたら、3つあった。
陽(火曜)
「やるじゃん!あたしのカレ、かっこいい!」
るな(金曜)
「すごい!今日も完璧!……あたしの自慢のカレだね!」
鈴(木曜・姉妹シーン)
「ね、お兄ちゃん、えらいえらい〜」「あたしのカレ」も「お兄ちゃん」も、男性ユーザーを想定すれば自然な言葉。でも女性ユーザーがアプリを開いて、急にキャラから「あたしのカレ」と言われたら、関係性が成立しない。褒めるどころか、刺してくる。
書いた本人は、疑う理由すら持っていなかった。だから、何度見直しても気づけなかった。
キャラのトーンを壊さずに直す
修正は、表現だけ調整した。
陽:
Before「やるじゃん!あたしのカレ、かっこいい!」
After「やるじゃん!あたしの自慢、かっこいい!」
るな:
Before「すごい!今日も完璧!……あたしの自慢のカレだね!」
After「すごい!今日も完璧!……あたしの自慢だね!」
鈴(姉妹シーン):
Before「ね、お兄ちゃん、えらいえらい〜」
After「ね、えらいえらい〜」
「自慢」も「えらいえらい」も、相手が誰でも成立する言葉。陽の元気もるなのワクワクも、鈴の甘え方も、ちゃんと残る。
性別中立にすると味が薄くなる、というわけでもなかった。むしろ、相手が誰でも刺さる方が、キャラ本来の魅力が前に出る。
APIにも、聞きに行った
セリフを直したあと、もうひとつ気になっていたところに手を入れた。読み込みの遅さ。
おへんじ帖はnoteのコメントを取得して並べる。1記事ずつAPIを叩く構造で、コメントが多い記事だとそこだけで時間がかかっていた。
リリース時は「とにかくレート制限で壊れないこと」を優先して、安全側の値で組んでいた。1ページ10件取得、ページング間に500msのスリープ。
動いていたから、疑わなかった。
実測で叩き直してみる。
per_page=30 → 30件返ってきた
per_page=50 → 50件返ってきた
per_page=100 → 100件返ってきた100まで通った。187件のコメントがある記事でも、2リクエストで全件取れる。
スリープも200msに短縮して、130記事ぶんページングしても、全ページstatus=200。レート制限には引っかからない。
per_page: 10 → 100
sleep: 500ms / 300ms → 200ms実測で、読み込み時間は約半分以下になった。
安全側に寄せたつもりが、ただの思い込みだった。

共通していたこと
セリフの直しと、APIの直し。やったことは違うけれど、共通点があった。
作ったときは、ちゃんとできてると思っていた。
でもそれは、見えている範囲でしか、見ていなかっただけだった。
セリフの男性前提は、自分のバイアス。書いた本人が気づけるはずがなかった。
APIの安全側の値は、自分の臆病さ。動いているから疑わなかった。
そしてどちらも、外に聞きに行って初めて分かった。
セリフは、めじゅさんに教わった。
APIは、実際に叩いてみて教わった。
AIは、正しそうなものをすぐ出す。
でもそれを信じるかどうかは、まだ人間の仕事だった。
おわりに
リリース時点で完成だと思っていたものが、2ヶ月近く経ってこうやって2箇所も直った。
たぶん、来月にもまた、何かが直る。
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凛華の一言

で、次はどうするか。
このまま続けるのか、変えるのか。
……まだ決めてないなら、それでいい。
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