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【#シロクマ文芸部 2月④】お題:三月は(怪異LABOプロローグ)

シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。

1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。

第1回はこちら👇

第2回目はこちら👇

第3回目はこちら👇

三月は急な気温上昇となり、震えあがるほどの冷気がこもっていた建物もすっかり暖かくなりました。冷凍庫のような寒さが嘘のように快適な事務所で私は彼女と打合せを行っています。

「で、次の待ち合わせの場所なんだけど」

そう言われて私は身構えました。

「なに?」
「なんか企んでいるよね?」
「なんて人聞きの悪い!」

わざとらしく目と口を大きく開ける彼女を、軽く睨みますが、すぐに目を伏せました。色々と問題はありますが、彼女が私を助けてくれたのは事実なのですから。

「別に普通の人らしくなんて考えなくていいから」

彼女がほほ笑みます。かあっと顔が赤くなるのを感じながら、

「で、でも!私が変わっているから迷惑を!」
「違うよ!」

彼女が私の口に人差し指を当てます。

「変わってない。あなたの能力は認められるべきもの」

そう言いながら彼女はにっこりと笑いました。

じんわりと熱くなる目頭に慌てて力を入れます。涙をこぼすのが癪だったからです。ふうっと大きく息を吐き、心を落ち着けてから私は口を開きました。

「わかった。じゃあ……」
「やった、能力全開で行く気になった?」
「ううん。やだよ」
「ええ~!」

不満そうな彼女の視線をよけ、さっと手で目元を触ります。

濡れてない、OK!

安心した私は顔を上げ、彼女に憎まれ口をたたきました。

「次の待ち合わせは絶対遅れないでよ!」
「う~ん、それは約束できないなあ」

なんでだよー!社会人として基本中の基本でしょ!と叫ぶ私の声を背に彼女は出ていこうとします。

「逃げないでよ!」
「逃げてませ~ん。怪異の下調べです♪」

ふざけたように聞こえますが、これは真面目も真面目、大真面目。私たちは怪異に悩まされる人からの相談に寄り添う会社を立ち上げたのです。

「まさか私の能力が仕事に活かされる日が来るとは」

これまで、迷惑でしかなかった力が世の中の役に立つ、このことが私の心をぽっと照らしてくれました。

「癪だけど、あいつのおかげだな」

こうして私と彼女の「怪異LABO」は動き出したのです。

(3月以降の1カ月物語につづく)

ギリギリ間に合いました!

来月以降「怪異LABO」の2人の活躍を連載します。といいながらアイデアが浮かばなかったらごめんなさい。でも頑張ります。

小牧幸助部長、来月も頑張ります😊

※そうそう、昨日はひな祭りでしたね。ダフやんとささやかに祝いました。

あら?お雛様?
仲良くパチリ