【#シロクマ文芸部 4月③】お題:レシートに(#怪異LABO)
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。
1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
第1話はこちら👇
第2話はこちら👇
「レシートにある品目を疑えですって?」
怪異とはかけ離れた依頼に私は思わずひとりごとを言ってしまいました。
ソウデスソウデス
とシャボン玉があったあたりに落ちているレシートから小さな声が聞こえてきます。どこにでもあるなんの変哲もないレシートでした。それから声が発せられるたびにゆらっゆらっと微かに揺れます。道に落ちたレシートが風に吹かれている動きになんとなく似ていました。
質問をすれば答えはしますが、とにかく小さな声で聞き取りが非常に困難です。レシートが話をしているので、怪異は怪異ですが、特段危ない雰囲気は感じません。
レシートが喋るんだから怪異は怪異だけど……
依頼者自身が来ればもっと聞きやすいだろうに……
レシートヲミテオネガイオネガイ
相棒にパチンと割られたシャボン玉があったあたりで、ゴニョゴニョと聞こえてくる声に私はイライラし、思わず不満を口にしてしまいました。
「依頼ではなく依頼者が怪異なんじゃね?」
「先入観で物を言わない!」
いつもはゆるゆるっとしている相棒が私の鼻先をピンと指ではじきます。
「イタッ!」
もうっ痛いじゃない、と文句を言おうと相棒を見ると、真剣な顔をしていました。いつものふざけた表情は消えています。
「怪異LABOへの依頼は色々な形で来るの。常識で考えたらおかしく見えたとしても、ひとりひとりが真剣に私たちを頼ってるんだよ。それを忘れないで。あなたも常識に苦しむ気持ちを理解している一人でしょ?」
相棒の正論にぐうの音も出ません。
実際、誰も信じてくれない状況にいた私に手を差し伸べてくれたのが相棒でした。それが縁で私は相棒と怪異LABOを立ち上げることになったのです。
内容の軽い重いに関係なく依頼者は困っている……
それを忘れていた自分が恥ずかしくなりました。普段はふざけた態度を取っている相棒は、どの怪異にもきちんと寄り添う人間でした。
(つづく)
日曜日に提出するのが日付をまたいで月曜日提出になってしまいました💦
4月のお題は全部で5回。あと2回で解決するのかしないのか。神ではなく作者のみが知る……がんばります!
🐌🐌🐌
こちらも人間以外がお喋りをしますよ!
