【#シロクマ文芸部 4月②】お題:ひとりごと(#怪異LABO)
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。
1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
第1話はこちら👇
「ひとりごと?」
朝からPCと格闘していた私は振り向きもせず、相棒へ言葉を投げかけます。怪異の相談先なんて一般の人が見つけるのは至難の業と考え、スマホからも気軽に依頼できるページを作成しているところでした。
私なりに怪異LABOの営業に力を入れているというわけです。それなのに、相棒はひとりごとを呟きながら呑気にお茶でもしてるのでしょうか?
ちょっと腹立たしいな。
そんな私の怒りなど我関せずといった様子の相棒が、のんびりとした声で応えます。
「い~や。なにも言ってないけど」
そういえばさっきの声は間延びしてなかったかも。
集中していたので「声」としか認識していなかった私は、仕事をサボっている相棒が、ひとりごとを言っていると思い込んでいたのです。
「じゃ、さっきの声って……」
異変を感じた私は素早く周囲を見回します。すると相棒が右手を軽くあげました。
「これじゃね?」
手のひらの上には透明で丸いものが乗っています。球体の表面は太陽の光で七色に輝いていました。
「シャボン玉?」
「そっ」
「割れないね?」
耳を澄ますと、シャボン玉から先ほど聞えてきた声がかすかに漏れ出ています。ゆらゆらと動く様子は今にも壊れそうなのに、割れる気配がありません。
これは怪異?
そう思った私は椅子からすっと立ち上がりました。足を前後に開き腰を落とし、左の手のひらをシャボン玉に向けます。相棒には当たらないようにシャボン玉だけに集中……。
「ふううう!」
深呼吸でみぞおちに全ての力を集めたそのとき、相棒が左手に持った針でシャボン玉をつついたのです。
パアアン!
自分のポーズに没入していた私は、突然の出来事に体勢を崩し膝を地面に激しく打ちつけてしまいました。
「いったぁぁ!もう!なんなのよ!」
怒り狂う私におかまいなく、ゲラゲラと笑いながら相棒は右手のひらを私に差し出します。
「ご依頼です」
割れたシャボン玉から出てきたのは次の依頼でした。
(つづく)
怪異LABO二件目の依頼です!
今月もガンガン解決していきます!
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
