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【#シロクマ文芸部10月④】いろいろコロコロ

シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。

上記プラス、おばあさんがお題から始まる部分が読み聞かせをし、その後に孫との会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。


10月1回目はこちら👇

10月2回目はこちら👇

10月2回目はこちら👇

「手を洗う前にぃ」

幼い声が聞こえ、水色に手が伸びてきた。

「この子泣いてる!絶対そう!」
「色が泣くのぉ?」
「うん!」

泣いている気がするのと言いながら、びぃやぁぁぁ、ええええんと口を動かし動かし水色のクレヨンを持った子どもが、画用紙の上で楽しそうに手を動かし始めた。

「ぎゃああああん!わああああん!」

色達が月の味で大騒ぎしていたのは幼稚園のさくら組のひとりの子のお道具箱の中。先生が「手を洗う時間よぉ」と声をかけたのに、遊び足りない子がお道具箱をひっくり返しクレヨン達を外へ放り出したのだ。

いたずら坊主は水色をグリングリンと画用紙に押し付ける。

「た、助けてぇぇ!い、痛いぃぃ!」

月の味どころではなくなった水色が助けを呼ぶ。助けようと他の色達もお道具箱からコロコロととびだした。

水色で殴り書きをしている子を見ていた他の子は先生に促され、手を洗いに立ち上がる。しかし、その子だけは画用紙の前から動かない。先生がしびれを切らして催促をする。

「手を洗う時間ですよ」
「まだ遊びたい!お絵描きしたい!」

子どもは水色を助けるために飛び出した色達を次々に掴み、

「だだだだだあ!」

と画用紙に殴り書きを始めた。泣いている絵を描いているはずだったのに、いつの間にか画用紙は色々な色で埋め尽くされていた。

「もう……」

先生があきれ顔をしたその時、黒色がコロコロンと足元に転がってきた。

「あら」

📚📚📚

「お片付け守らないのだめなんだー」
「クレヨン、イタイイタイだめなんだー」

頬をふくらませ、言いつけを守らない絵本の中の子どもに文句を言う孫達。

「そうね、手を洗わないといけないわよねぇ」

とおばあさんがいいました。

だよねー守らないとねーという孫達に、

「そろそろ寝る時間ですよ。守りましょうか?」

おばあさんがそういうと、

「はい!」

と良い返事をして、2人はぎゅっと目をつぶりました。

「本当にいい子ねー」

とおばあさんは笑いました。

(つづく)

小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
来週、10月最後のお題が出るので発表は11月となりますが、来週日曜日が10月1カ月物語の最終回となります。