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「14歳年下の彼」 14話 思春期の子供に好きな人が出来たと伝えた日


「子供に、どう話そう。」


そのことばかり考えていた。


まだ中学生。


思春期真っ只中だった。


「ママね、好きな人ができたの。」


いや……なんか違う。


何度も頭の中で言葉を並べては消した。


「もう少し考えてから話そう。」


そう思っていた。


主人を病気で亡くしてから、私たちはずっと二人三脚で生きてきた。


嬉しいことも、悲しいことも、二人で支え合って乗り越えてきた。


だからこそ、どう伝えたらいいのか分からなかった。


ネットで調べたり、経験談を読んだりもした。


「反対されたらどうしよう。」


「嫌だと言われたら……。」


そう考えれば考えるほど、言葉は喉につかえて出てこなかった。


そんなある日。


子供と二人でテレビを見ていると、不意に言われた。


「ママ、なんか最近楽しそう。」


「携帯もほったらかしだったのに、最近よく見てるよね。」


ドキッとした。


「そうかな。」


私は少し笑ってごまかした。


でも、その瞬間に思った。


今しかない。


「あのね……。」


「ママね、会社で好きな人が出来たの。お付き合いしてるんだ。」


言ってしまった。


胸がドキドキして、心臓の音が聞こえそうだった。


子供は何も言わない。


沈黙が流れる。


「あー、、やっぱり嫌だったのかな。」


そう思った、その時だった。


「ママの人生なんだから、好きにしていいよ。」


思ってもいなかった言葉だった。


私は少し安心して、もう一つ打ち明けた。


「それとね……14歳年下なんだ。」


すると子供は笑いながら、


「ママ、やばい!」


そう言って大笑いした。


私もつられて笑った。


でも、私が真剣な表情をしていることに気づくと、子供も真剣な顔になった。


「えっ……嫌じゃないの?」


思わず聞き返してしまった。


子供は笑いながら言った。


「ママが幸せなら、それでいい。」


その言葉を聞いた瞬間、胸の奥にあった不安が、すーっと溶けていった。


守っているつもりだった。


でも、本当は──

私が子供に支えられていたのかもしれない。

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