YSⅡリリアMSX1風:肌色をきれいに見せる技巧その1
リリア好きですか?

YSⅡよりオープニングのリリアとの会話シーンをMSX1ルール縛りで描いてみました。(横8ピク内2色縛り、スプライト補助あり)
綺麗な肌色に感じられるように2つの事に気を使ったのですが分かるでしょうか?

関連で、MSX1のパレットは肌色表現に向かないという話を投稿しているので興味があればこちらを先にどうぞ。

スプライト14枚で黒い枠線と右ほほ&口の白い部分を描画しています。

スプライトなしの様子。怖い。

スプライトありでビュー部分アップ。リリアかわいいですね。ちなみに多分少数派ですが自分はリリアよりフィーナ派です。ただの村の小娘より女神の責務ゆえに主人公と結ばれず引き裂かれるみたいな方がロマンチックじゃないですか!(お互い引きあうなんて演出は無かったので妄想でしかない。)
人間の目は無意識に露出調整を行う
いきなり何の話だって所なんですが、この後解説する技巧のベースとなる考えなのでお付き合いください。
トンネルのような暗い場所から屋外の明るいエリアにいきなり入ると、まぶしくて何も見えないがしばらくすると見えるようになってくる、明るい外から暗い室内に入るとものが見えないがずっといると慣れてくる、というような事を経験したことがあるかと思います。これは人間の目が状況に合わせて脳に入力する輝度範囲を適切に自動調整する機能があるものの、その調整が間に合わないために起こります。自然界の光の輝度範囲は人間が一度に情報処理できないほどとてつもなく広いので、そのうち重要な範囲だけを取り込めるように自動で調整がされるのです。白は灰色にも黒にもなるし、赤はピンクにも茶色にもなります。
デジタルカメラやスマホには自動露出調整がついていますがまさにそれが同じ目的で機能する物です。
11番黄色を鮮やかにしたい

これをCG作品に応用します。くすんだ色ばっかりパレットで持っているレトロPCがどこかにありましたね…?
今回は11番黄色を肌色のメイン部分に使いましたが、11番黄色は鮮やかでなくグレーがかっているのが残念なところです。これをCGを見た人が無意識に露出補正をして鮮やかに感じ誰るように細工を施します。
白を使わない!
先のCG,よく見ると普段白をつくであろう部分がすべて14番グレーになっています。よーく見れば確かにグレーなのですが、ぱっと見では白と感じたのではないでしょうか。

雲や肌ハイライトがグレーなため、これを見た人は画像全体が暗くなっていると無意識に判断し、鮮やかさの感度が上がり普段くすんで見えている黄色を鮮やかに感じるようになります。信じられませんか?
実は背景の空の色もあえて暗い色にシフトさせています。補色として色味のバランスを取っている部分も多いですが、この色の代わりに7番水色を置くかなり鮮やかな色なため、黄色がくすんで見えてしまうのです。
この際、どこかに迷って白を入れてはいけません。逆にくすんだ黄色を引き立てる結果になります。

先の絵を調整して普通に背景水色、ハイライト白を配置したものです。こちらの方が好みという人はいると思いますが肌の色に関しては少しリリアが日焼けしたような印象を受けると思います。え?健康的でかわいい?確かにそうですね。狙ってやるなら別にヨシ!です。
余談:これも別のTIPSなのですが、今回は明るい黄色の影色に濃い黄色を使っていないのでリリアの血色が良く感じられると思います。何か他の機種の絵をMSX1に移植する際にもしRGBまたはHSL値が近いのが10番11番黄色2色だとしてもそのまま適用しない事をお勧めします。MSX1のしょぼさを誇張してしまいます。(コナミのゲームに多い配色なので好きな人は好きかもですが。)
ここで注意点があり、この2枚の絵を交互に比較してみると絵の印象の正しい評価ができないという事です。いえ、今は比較するために張り付けたので比較してもらってもちろんいいのですが、パッと片方を見たときに感じる印象とは別の印象を持ってしまいます。後者を見た後に前者に戻ると全体的にくすんでいて変という印象を持つと思います。
他の絵との分離が必要
全体をくすんだ色で塗る作風は一般的なイラストでもよく用いられますが、人に見せる際、発表する際に他のPOPな絵の隣に並べてはいけません。正しく評価されないどころか引き立て役になってしまうかもしれません。リアルイベントの絵の展示には額縁が重宝されますが、あれは単に格好がつくだけではなくて、その絵の縄張りを物理的に確保するためにも必要なのだと思っています。額縁の装飾と絵の間にもマージンが多いのがベストです。
webでの発表ではどうでしょうか?Noteの場合背景色が強制で白なのでこれが不都合です。Xの場合はダークモードとライトモードを選べますが明るい画面で見ている人もいるわけなので何か対策をしたいとこです。
黒いマージンを設けよう
今回の投稿、絵の周りに黒いマージンが多くくっついている画像が多いのがわかるでしょうか。これは狙ってやっていて、Noteのページの背景色白の影響を受けづらいようにしています。
いや、もともとのYSⅡのオープニングも黒いマージンが多い構成ではあるんですがあれはどちらかというとメモリまたはファイル容量削減でやっているのではないでしょうか。リリアのCGをMSX1風で描くときは目いっぱい大きくして描こうと思っていてのですが(そのほうが中間色もきれいでディティールの表現もしやすいので)今回思いとどまってオープニングシーンのレイアウトそのままにしたのは、明るい白がなるべく視界に入らないようにする目的からだったのです。
逆光の状況を作ってみる
わざとくすんだ色の組み合わせてCG作成に臨む場合、純白を配置しては駄目と先に書きましたが、あえて置く試みをしてみます。それは逆光の状況を再現する場合です。

影の入り方が典型的な逆光を表現する塗りではないですが、自然界に光源は無数になるのでこんな感じになる事もあるでしょう。全体として違和感はないですね。むしろさわやかさを感じるかもしれないです。いやむしろこの絵が一番いいかな…。
このようにくすんだ黄色のままでも、全体として鮮やかな印象を持たせる事もできるのです。
まとめ
人間の色味・輝度の感覚は絶対的ではなく相対的でそれゆえ色の配置の妙で本来の色とは異なった印象を与えることができます。今回は全体をくすませる事で鮮やかに見せるというお話でしたが、このようなテクニックはたくさん存在し、いつもMSX1風の絵を描くときはしょぼいパレット色を最大限生かすような戦略を持って臨んでいます。画像のコンバーターやPhotoshopのツールも(どこまでできるかはわかりませんが)単にRGB値の近い色を中間色で配置したフィルター感丸出しの物が出づらくなるような手順や処理を考えています。
まあこのような読み物的な投稿も作品作成も色々気長にやりますのでまたよろしくお願いします。(といいつつMSX系はあと1,2発で半年ほどお休み予定です。某イベント参加準備で忙しいのです。)
おまけ:肌色を頑張った他のCG
ザースのミリカを描いた時も肌色を綺麗に見せるための考察をしっかりしてから絵を描いています。今回解説した方法とは違う戦略で、その解説投稿は記述中です。
こちらのグラムキャッツもコンバーターに与えるパラメータで肌色がきれいになるように何度か調整しています。MSX1らしからぬ色合いの印象を出せているいると思います。
