【不動産投資の失敗談】②泥水をすすった50代会社員のリアルな記録
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【第2回】1,600万円の幻。「身の程を知れ」の嘲笑と、ビビり指値の敗北
有休を使った空振りと、
家族の冷ややかな視線に耐えながら、
私は物件検索を続けました。
2021年3月。
ある時、
都内で1,600万円の戸建を見つけました。
「再建築不可」という銀行が最も嫌がる悪条件の物件でしたが、
室内は綺麗で、
利回りは十分に狙えます。
物件を買うには融資が必要です。
事業計画書を作成する程度の知識は身につけていました。
だが、
金融機関が初心者の属性をどう評価するのかという
「銀行のリアル」
は全く分かっていませんでした。
私はGoogleマップで自宅周辺の銀行や信用金庫をリストアップし、
手当たり次第に電話をかけました。
しかし、
受話器の向こうから返ってくるのは冷え切った声ばかりです。
「実績のない素人」
「再建築不可の築古戸建」
と伝えただけで、
1分足らずで断られるのが日常になりました。
中でも、
ある銀行への電話での出来事は今でも鮮明に覚えています。
計画を伝えた途端、
担当者は鼻で笑うように言い放ったのです。
「あのね、ご自分の身の程を知ったらどうですか」
頭の血が一気に沸騰しました。
30年以上、
社会人として真面目に働いてきたつもりでした。
しかし、
金融機関の物差しで測れば、
私は話を聞く価値すらない妄想家でしかなかったのです。
「大半の奴はここで諦めるんだろう。でも、俺は絶対に諦めない」
怒りをバネに、
私は並行してネットでも融資先を必死に検索し、
奇跡的にある地方銀行で
「1,600万円のフルローン仮審査」を通過させることができました。
資金の目処は立ちました。
あとは不動産会社に買付証明書を出すだけです。
しかし、
いざ買う段になって、
私の心に急激な恐怖が押し寄せました。
「本当に1軒目から再建築不可なんて買って大丈夫なのか?」
「もし誰も入居しなかったら、1,600万円の借金だけが残る」
手足が震えそうになるのを隠し、
私がその場で出した結論は、
「1,200万円での買付」でした。
400万円もの無謀な値引き交渉。
担当者は呆れた顔で「一応通してみますが……」と言いました。
数日後、
担当者から連絡がありました。
「2番手の方が1,400万円の満額回答を出されたので、
そちらで決まりました」
完全に物件を奪われました。
仮審査は1,600万円で通っていたのです。
相場から見ても1,400万円なら十分に買いでした。
しかし、
最後の最後でリスクを取る覚悟が決まらず、
過度な値引きという「逃げ道」を作った結果の敗北。
自分のビビり具合に嫌気がさしました。
だが、
この絶望の中で、
私を泥水から引き上げてくれる出来事が待っていました。
(第3回へ続く)
