紙芝居1:いちごちゃん時計を飛び出した日|エピソード1
時計のネジを探す旅は、いちごちゃんにとって初めての冒険でした。
本来なら緊張の連続……になるはずでしたけれど、
どうやら様子が違うようです。

「あーー。おなかすいたなぁ~」
いちごちゃんはポケットからいちごを取り出すと、
お口にポンと放り込みました。
「ねえねえ飛行機さん。このいちご、すっごく甘いのよ、一緒に食べよ?」
「……」
「一粒だけなら、あげてもいいわよ?」
「飛んでる間は食わないよ」
「えーーすごくおいしいんだよ」
あまりにも「おやつ、おやつ」と繰り返すいちごちゃん。
飛行機さんは少しだけイタズラをしたくなりました。
「えーい。ぶんぶんぶん!」
飛行機さんは急にスピードを上げて、右へ左へ全速力!
そのたびに、いちごちゃんの大きな瞳がぱちくりぱちくりと揺れ動きます。
「うわー――やめて!!!」
いちごちゃんは大パニック!
でも、そんな時でも手はしっかり、真っ赤ないちごを潰さないようにそっと握っていました。
「もういっちょ、ぶんぶんぶーん!」
さらなる猛スピードに、いちごちゃんはついに観念して叫びました。
「おやつ全部あげるからーーー!」
「よし、約束だよ?」
飛行機さんはニヤリと笑い、
おやつをぜーんぶもらおうとお口を大きく開けようと、
なんと、その場で急ブレーキをかけたのです!
スポーーーン!
あまりの勢いに、いちごちゃんは空へ放り出されてしまいました。
「あ」「え」
逆さまになって落ちていく、いちごちゃん。
「たいへん! 飛行機さんに、一粒もあげられなかった。あっちに落としたのが、一番甘いのに~!」
びゅんびゅん風が吹く中で、いちごちゃんが気にしているのは
なんと、やっぱりおやつのことでした。
ねえ……いちごちゃん、わかってる?
あなた今、大ピンチなのよ?

みるみるうちに、いちごちゃんは地面へと落ちていきました。
いちごちゃん
一体この後、どうなっちゃうの!?
続きのお話は
エピソード2:いちご畑の出会いと、きえたネジ
【MeiMeiの制作ノート:裏話】
物語の中で大パニックになっているいちごちゃんですが、実はその手に握られているいちごには、作者・MeiMeiの「日常の小さな幸せを大切にしてほしい」という願いが込められています。
空から落ちていく瞬間ですら、おやつのことを考えてしまう。 そんな彼女の「愛すべきマイペースさ」が、あなたの忙しい日々に少しのゆとりと癒しを届けられたら嬉しいです。

👇 空想の街の記録(note)
https://note.com/happy_bibi88/n/n8805db952715
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