毒舌のマナー
毒舌エッセイは難しい。難易度A。
その理由を考えるには、なぜ記事を読んでいただけるのかを考える必要がある。突然だが、
この記事をクリックしてくれてありがとう!
本当に、本当に、ありがとう!
わたしは期待に応えなくてはいけない。
ざっくり面白いものが読めると思ってクリックしてくれたはずだ。
飲み会で隣の席に座ってくれた状況を思い浮かべてもいいかもしれない。
わたしはもちろん楽しい話をしたいのだが、
反対に、まったく楽しくない話とはなんだろうか?
自慢話?
たしかに自慢話はそのひとつだろうけど、もっとも聞くに堪えないのは、共感できない他人の悪口だ。
前の職場の人に誘われて、飲みに行ったときのこと。その人は、同僚の悪口ばかりを言う。わたしは仕事仲間だったその人たちが嫌いではない。
まったく共感できないが、かといって、口論する気にもなれず、なんとなく受け答えする時間が苦痛でしかなかった。二度と飲みに行かないと決意したのは言うまでもない。
職場の人はみんないい人たち。それなのに、びっくりするくらい職場がブラック化することがあるんだ!
もっと上位の苦痛がある。
知らない人の悪口!
義理の両親が、わたしの知らない親戚の話ばかりする人だった。特にある人の悪口ばかり言っているのだけど、わたし、その人知らない!
地獄に迷い込んだのかと錯覚する時間だった。
ここにひとつの真実が見えてくる。
よほど共通の敵でない限り、他人の悪口は聞くに堪えない。
いっぽう、他人の悪口がそれなりに聞けるケースもある。
ユーモアだ。ユーモアを交えて語られると、バランス次第ではエンターテイメントとして成立してしまう。
世間で言うところの「毒舌」は、こういう領域のことを指すのではないかと思う。悪口を聞いてもらいたいのなら、知性を総動員する必要がある。
さっきの飲み会の話じゃないが、受け手のことを考えずに悪口を垂れ流すのは、おたがいが楽しもうと決めた場においてマナー違反だ。
ユーモアが重要なのは、たんに面白いからだけじゃなくて、対象に少しだけ愛が残っていることが伝わるからだと思う。
悪口を言っている人にまだ余裕がある証拠でもある。
昔の友人で、他人の悪口ばかり言っている人がいたのだが、ユーモアが残っているうちはまだ付き合えた。
だが、どこかで精神状態が悪化したのだろう、ある時点からユーモアがまったく消えた。わたしは関係を切らざるを得なかった。その存在はもはや、他人の感情を蝕む闇でしかない。
というわけで、毒舌でひとを楽しませるのは難しい。紙一重のところがある。
わたしの作品も毒があるほうだが、先日の作品は、完全に毒舌エッセイとして仕上げた。
第3位「早く仕事を終わらせて、早く遊べばいいじゃないか」
「心に残る上司の言葉」の第3位として、かつてのパワハラ上司の言葉をいじり倒した
これが受け入れられるかはわたしの力量次第となる。たぶん、大丈夫ではないかと思っている。
なぜなら、作中のパワハラ部長を今ではまったく恨んでいないからだ。
わたしにネタを与えてくれてありがとう。
死の三歩手前まで追い込んで、わたしを強くしてくれてありがとう。
で、「心に残った上司の言葉」の第2位と第1位もさらっと発表しておく。もちろん、毒舌で。
第2位「仕事は気づいた人がすればいいんや」
このおっさんは、あまりに仕事ができないために、社内中をピンボールのように異動している人だった。
わたしは敬意を込めて、カリスマ課長と呼んでいた。

あるときなど、海外出張から帰ってきたカリスマ課長が会議室にわたしを呼んだので仕事の話かと思ったら、観光地の写真を見せられただけだった。
あなた、観光に行っただけじゃない!
そんなカリスマ課長がふと洩らした言葉がこれ。
「仕事は気づいた人がすればいいんや」
それは「おまえが永久に仕事をしない」ということじゃないか!
第1位「うーん、半分!」
責任逃れは上司の常だ。
これまであらゆる責任逃れのパターンを見てきた。
その中に、「ものごとを曖昧にして、意思決定をしない」という技がある。
だが、AかBしか答えがない状況で、「うーん、半分!」と言った馬鹿はひとりしかいない。
もちろん、このゴールを決めたのは永遠のワーストナンバーワン上司、ひろしだ。

その破壊力が長編小説になりました(笑)
この世の終わりのような上司たちを、どうかわたしの愛で笑いへと昇華できますように。

▼ロック氏はこんな人だよ▼
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