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【子育て】親の先回りが奪う「生きる力」自立を阻む親の優しさと心理学から見る子どもの成長

「一人で電車に乗れる」という自立。受験に親が付き添うことへの違和感。

私立中学校に入学した我が子は 休みの日には、隣県に住む友達と遊んだり、少し離れた遊園地へ出かけたりするようになりました。中学生になった子どもの行動範囲は住んでいる地域から県外へと広がりました。

ただ、そこで気になったのが「公共交通機関を使えない友達」が意外にも多いということでした。

「電車の乗り場がわからない」 「反対方向の電車に乗ってしまった」 「時刻表の見方がわからない」

そんな理由で約束に遅れてくる友達が度々いたようです。我が子に「スマホで(乗り換えを)教えてほしい」「帰りは一緒についてきてほしい」と頼み込む友達もいたらしい。

高校生になっても同じような状況は続いていました。


「当たり前」の違いはどこにあるのか

私たちの住む地域は、一人一台の車が必須の地域で、どこへ行くにも親が送迎することが多くなり、子どもが電車に不慣れなのは、ある意味その環境のせいかもしれません。

私と夫は県外の大都市出身のため、 公共交通機関の利用は「当たり前」の環境で育ちました。

そんな背景もあり、我が家では中学受験の塾(隣市の駅前)へも、小学生の頃から子ども一人で電車に乗って通わせていました。 隣接する県の高校受験も関東、関西の大学受験もすべて本人一人で行きました。 最寄り駅までは親が送迎しましたが、そこから先は「自分の力」で行くのが、我が家にとってはずっと当たり前の光景でした。

子ども自身も「親についてきてほしい」と言ったことは一度もありません。


子どもの受験に付き添う親と「優しさ」の背景

最近、SNSなどで親御さんの投稿を見ていると驚くことがあります。

「子どもに受験に集中してほしいから、親が(試験会場まで)ついていく」

もちろん、子ども、家庭ごとに考え方はありますし、何が正解で何が悪か、一概には言えませんが考えてしまいます。

主役であるはずの受験生の「場所」を実は大人が奪ってしまってはいないだろうかと…

共通テストの日。 受験生本人につきそう親も一緒に移動することで、例年以上の交通渋滞や規制が発生しています。 宿泊先にしてもそうです。親が同行して2部屋予約すれば、その分、本来泊まるべき受験生の枠が埋まってしまいます。

親が「邪魔」をしている……と言い切ってしまうのは強すぎるかもしれませんが、過剰な付き添いが親自身の負担や社会的なコストを生んでいる側面は否定できません。


「一人で行動できる」という財産

高校生が一人で目的地までたどり着けない、あるいは一人で行動させてもらえない。 そのことが、後の大学生活での「一人暮らし」や社会に出た時の自立心にどう影響するのか。

目的地までのルートを自分で調べ、時刻表を確認し、もし間違えたら自分で修正する。 そんな経験の積み重ねが、本当の意味での「自信」に繋がるのではないでしょうか。

親が先回りして整えた道を進むのではなく、自分の足で電車に乗り、目的地を目指す。 そんな「当たり前」の自立を、もう少し信じて見守ってもいいのかもしれない。

受験シーズンの投稿を見てそんなことをつくづく感じています。


高校生の子どもが一人で行動できないことは、実は後の一人暮らしや社会人生活にも大きな影響を及ぼします。

心理学の視点から見ると「何でもしてあげてしまうこと」は、時として子どもから大切な能力を奪う結果に繋がります。

「自分でできた」という自己効力感を守るために

親が先回りして、受験当日も横に付き添って歩く。一見すると「受験に集中させるためのサポート」に見えます。 しかし、心理学では、人間が「自分の力で環境をコントロールできている」と感じる「自己効力感」を重視します。

何でも親がやってしまう環境が続くと、子どもは無意識のうちに「自分一人では何もできない」と思い込んでしまう「学習性無力感」に陥るリスクがあるのです。

電車の乗り場を間違えることも、反対方向に行ってしまうことも、実は大切な学びです。 「間違えたけれど、自分で目的地に着けた」という小さな成功体験が、「自分は一人でも生きていける」という根底の自信を育ちます。

「親の安心」と「子どもの自立」の境界線

もちろん、親として心配な気持ちはとてもよくわかります。特に公共交通機関に慣れていない地域であればなおさらです。 けれど、大人が宿泊先の部屋を埋めたり、交通を混雑させたりしてまで付き添う現状は、どこか「親側の安心」が優先されてはいないでしょうか。

子どもを信じて任せる」ことは、実は親が「やってあげる」ことよりも親にとってエネルギーが必要で忍耐がいる作業です。

高校生はもう大人です。 一人で電車に乗り、見知らぬ土地を歩き、自分で試験会場に向かう。 その子どもを黙って見送ることこそが、実は親ができる「最後で最大の受験サポート」なのかもしれません。

子どもさんが小さい今からそんなことを意識して欲しいと思います。
誰か、一人にでも届けば嬉しく思います。
お読みいただきありがとうございます。


sabinukidayooさんのイラストをのせさせてもらいました。

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