パンケーキ日和の休日に~札幌記録会第1戦~
招集場でスパイクに足を通していると
どこからかパンケーキでも食べたそう声で
「9時スタートはちょっと早いよなあ」
という声が聞こえてくる。
私は、今朝は3時半から起きているので
その言葉には、ちっとも共感できなかったが、
若い子たちは、そうなんだろうなあ。
よく、生徒に
「何時に起きてるんですか?」と聞かれる。
「明るくなったらや」と答えると
生徒の大半はポカンとする。
生徒たちは、この時期、
何時に明るくなるかを知らない。
自分の知らない事には
興味をもたないのが今の子供たちである。
それ以上、その話しに興味がなくなり
「へえー、おじいちゃんやん」と
お決まりの終止符を打たれ、
その会話は終わる。
伊達の10kから1週間開けて
札幌記録会第1戦5000mにエントリーした。
練習の感覚、伊達のレースの感覚から
15分台では、走れそうな感覚がある。
でも15分30は、ちょっと厳しい。
そんな1000mを3分5秒で走るような
トレーニングはしていないからだ。
目標は15分40秒。
5000mは昨年、
練習もろくにしないで出場し
17分台をたたき出した
DTT2戦以来だ。
天気は快晴。風もあまりない。
絶好5000m日和。
確かにパンケーキ日和でもある。
スタートすると、
勢いよく2人の高校生が飛び出した。
資格記録を見ていると
15分30ぐらいの選手が2人ほどいたので
その選手だろう。
攻めるレースをするのであれば
あまりそうした先入観は持たない方がいい。
けれど、もう53歳のおじさんは
この選手たちからみれば
「へえーおじいちゃんやん」である。
『安全運転してやあ』と背中で諭される。
今日は守りのレースに徹する。
先頭の2人は放っておいて、
第2集団の先頭のすぐ後ろについた。
ちょうど1周76秒(15分50)ぐらいの
ペースで回っている。
1000mは、3分09秒。
このペースなら余裕がある。
でも欲張らない。バターを載せたりしない。
2000mを、6分20秒で通過すると
集団の先頭の選手のラップが
少し落ちてきた。
「第2集団は6人。」と
アナウンスで言っている。
先頭のすぐ後ろの2番目につけていたので
私の後ろに4人いることになる。
前に出て行くか。
記録会のセオリー的には
集団であれば、みんな記録を出したいので
順番に先頭を変わる。
でも、シロップを手にしながら
かけることを躊躇している
自分がいた。
すると、しびれを切らした
後ろの選手が、集団の前に出た。
ありがたい。
ムラサキのランシャツをきた
私と同じ札幌陸協所属のランナーだ。
同じ所属といっても面識はない。
ただ個人でレースに参加するために
札幌陸協に所属している。
まあいってみれば同じ芸能事務所に
所属するピン芸人同士みたいなものだ。
ペースは持ち直し3000mを9分31秒。
レースが動く3000m。
残り5周で今度は
北海道大学の学生が前にでた。
さすが北大生、ペースを落としては
いけない所をわきまえている。
ご相伴に預かる。
それでも一番苦しい3000m~4000mだ。
この1000mは3分15秒かかった。(12分45秒)
『よく頑張った方だよ』と
何もしてないのに偉そうな事しか言わない
上司みたいに集団の先頭の後ろで
力を溜め込んでいる。
がちがちの守りのレース。
なんの彩りもない私のレース展開。
プレーンのパンケーキ。
ラスト1000mで、もう一人の北大生が前に出る。
まだ行かない。
ラスト600mで今度は、
青いユニフォームの高校生がロングスパート。
そこにも対応はするが
前にはでない。
これで、6人の第2集団の中で
何の役にも立っていないのは私だけだ。
みんな苦しくて言葉にはできないが
荒い呼吸が『いい加減にしろ』
と言っているように聞こえる。
ラスト1周鐘が鳴る。
大外に位置を変えると
視界がぱっと開けた。
『行け!』と身体内側から声がする。
最後の最後にとっておいた
イチゴのホイップスパート。
15分49秒。
守りのレースではあったが
トラックのシーズン初戦としては
上出来だ。
しかし、このままでは
只々せこくて早起きなだけのおじさんなので
次はもう少し積極的にレースに
参加したい。
