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解雇じゃないのに会社都合扱いになれる人がいる。「特定受給資格者」チェックリスト

「会社都合じゃないから、失業保険は少ししかもらえない」と思っていませんか?

実は、倒産や解雇だけが会社都合ではありません。
残業過多・ハラスメント・賃金カット・労働条件の相違など、さまざまな理由が「特定受給資格者」として認定される可能性があります。

自己都合退職のつもりでいたのに、実は特定受給資格者に該当していた、というケースは珍しくありません。この記事では、自分が当てはまるかどうかをチェックリスト形式で確認できるよう整理しました。


特定受給資格者に認定されると何が変わる?


特定受給資格者は、会社都合退職と同等の扱いを受ける区分です。通常の自己都合退職と比べて、3つの点で大きく優遇されます。

①給付制限がありません。
自己都合退職では申請後に1ヶ月(5年間で3回以上は3ヶ月)の給付制限がありますが、特定受給資格者は7日間の待期期間を過ぎればすぐに受給できます。

②給付日数が大幅に増えます。
自己都合退職(一般受給資格者)の最大150日に対し、特定受給資格者は年齢と加入期間によって最大330日まで受給できます。

③受給資格の要件が緩和されます。
通常は「離職前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間」が必要ですが、特定受給資格者は「離職前1年間に6ヶ月以上」あれば受給資格を得られる可能性があります。


チェックリスト:あなたは該当しますか?


特定受給資格者の範囲は、大きく「倒産等による離職」と「解雇等による離職」の2種類に分かれます。
「解雇」という言葉が入っていますが、実際には自分から辞めた場合でも該当するケースが多くあります。順番に確認してみてください。


パターン1:会社の倒産・事業縮小・廃止による離職

以下のいずれかに当てはまる場合、該当する可能性があります。

会社が倒産した(破産・民事再生・会社更生・手形取引停止など)、事業所が廃止された、または事業所が遠方に移転したことで通勤が困難になったケースが該当します。

また、会社全体で大規模なリストラが行われ(1ヶ月に30人以上の離職が予定されるなど)、その影響で離職した場合も含まれます。


パターン2:解雇・退職勧奨による離職

以下のいずれかに当てはまる場合、該当する可能性があります。

自分の重大な責任による解雇(懲戒解雇など)を除く、一般的な解雇により離職した場合。また、会社から直接・間接に「辞めてほしい」と退職を促された(退職勧奨)ことで離職した場合も含まれます。なお、常時設けられている早期退職優遇制度への自主応募は該当しません。


パターン3:労働条件・賃金に関するトラブルによる離職

採用時に提示された労働条件(勤務地・業務内容・給与など)が、実際の内容と著しく異なっていたため離職した場合。

賃金の3分の1を超える額が、2ヶ月以上にわたって支払期日までに支払われなかった場合。

賃金が、これまでもらっていた額に比べて85%未満に低下した(または低下することが決まった)ため離職した場合。ただし、低下する事実を事前に知ることができなかった場合に限ります。


パターン4:長時間労働・健康被害のリスクによる離職

これは「自分から辞めた」場合でも、以下の残業実態が証明できれば該当する可能性があります。

離職の直前6ヶ月間のうち、以下のいずれかに当てはまる場合です。

連続する3ヶ月で、いずれも月45時間を超える時間外労働があった。いずれか1ヶ月で100時間を超える時間外労働があった。連続する2ヶ月以上の平均が、月80時間を超える時間外労働だった。

タイムカード・給与明細・メールの送受信履歴など、残業時間を客観的に証明できる記録を保管しておくことが非常に重要です。


パターン5:ハラスメント・マタハラ・パワハラによる離職

上司や同僚から故意の排斥・著しい冷遇・嫌がらせを受けたことで離職した場合。

会社がセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、適切な措置を取らなかったため離職した場合。

妊娠・出産・育児休業・介護休業の取得申出などを理由に不利益な扱い(降格・雇用継続の拒否など)を受けたため離職した場合。また、会社がその事実を把握しながら是正しなかったため離職した場合も含まれます。


パターン6:長期休業・法令違反による離職

会社の責任によって休業が3ヶ月以上続き、その状況に耐えられず離職した場合。

事業所が法令に違反した業務を行っていたため離職した場合。


パターン7:有期雇用の「雇い止め」(一定条件あり)

契約社員・派遣社員などの有期雇用で、以下のいずれかに当てはまる場合は、特定受給資格者(一般の雇い止めより手厚い区分)に該当することがあります。

同じ事業主のもとで3年以上継続して雇用されていたのに、契約が更新されなかった場合。または、最初の契約時から「更新される」と明示されていたにもかかわらず、更新されなかった場合(ただし、1年以上引き続き雇用されていた場合を除く)です。


認定を受けるための注意点

特定受給資格者かどうかを最終的に判断するのはハローワークです。以下の点に気をつけてください。

離職票の「離職区分」を必ず確認しましょう。
会社が「自己都合(4D)」と記載していても、実態が特定受給資格者に該当する場合は、ハローワークで異議を申し立てることができます。サイン前に必ず内容を確認し、異議がある場合はそのまま署名せず、ハローワークに相談してください。

証明書類を事前に揃えておくことが重要です。残業過多の場合はタイムカードや給与明細、ハラスメントの場合は記録・メール・診断書など、客観的な証拠があると認定がスムーズになります。在職中から記録を残しておく習慣をつけておくと安心です。

離職票の離職理由に納得できない場合、本人が直接会社に掛け合う必要はなく、ハローワークに異議を申し立てるだけでよいです。その後の会社への事実確認はハローワークが行います。


まとめ

特定受給資格者の範囲は、「倒産・解雇」だけにとどまりません。残業過多・賃金カット・ハラスメント・労働条件の相違など、多くのケースが該当する可能性があります。

「自己都合だから仕方ない」と諦める前に、まず自分の退職理由と照らし合わせてみてください。少しでも当てはまりそうな項目があれば、退職前にハローワークへ相談することを強くおすすめします。退職後では証拠書類の収集が難しくなるケースもあるため、在職中に動くのが最も確実です。


※ 本記事は厚生労働省・ハローワークの公式情報をもとに作成した一般的な情報提供を目的としており、認定の可否は個別の状況によって異なります。正確な判断は最寄りのハローワークにご確認ください。給付日数・受給資格は年齢・離職理由・雇用保険加入期間により異なります。

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