「自己都合退職」なのに給付制限なし?特定理由離職者チェックリスト
「自己都合で辞めたから、失業保険は2ヶ月待ってから…」と思っていませんか?
実は、退職の理由によっては「自己都合」でも給付制限なしで失業保険をすぐ受け取れる制度があります。それが「特定理由離職者」の認定です。
この制度を知らずに損している人が、毎年相当数いると言われています。
この記事では、自分が該当するかどうかをチェックリスト形式で確認できるよう整理しました。
そもそも、何が変わるの?
特定理由離職者に認定されると、通常の自己都合退職と比べて3つの点で優遇されます。
①給付制限期間がなくなります。
通常の自己都合退職では、申請後に1ヶ月(5年間で3回以上の離職は3ヶ月)の給付制限があります。
特定理由離職者の場合、7日間の待期期間を過ぎればすぐに受給できます。
②受給資格の要件が緩和されます。
通常は「離職前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間」が必要ですが、特定理由離職者は「離職前1年間に6ヶ月以上」あれば受給資格を得られる可能性があります。
③給付日数が延びる場合があります。
正当な理由による自己都合退職(後述の範囲Ⅱ)は最大180日、雇い止め(範囲Ⅰ)は最大330日まで受給できます(年齢・加入期間による)。
チェックリスト:あなたは該当しますか?
特定理由離職者は大きく「範囲Ⅰ(雇い止め)」と「範囲Ⅱ(正当な理由のある自己都合退職)」の2種類に分かれます。
範囲Ⅰ:雇い止めによる離職
派遣・契約社員など有期雇用の方が対象です。以下の3つをすべて満たす場合に該当します。
期間の定めのある労働契約(有期契約)だった
「更新する場合がある」など、更新・延長の可能性が契約書に明示されていた
自分は更新を希望したが、会社との合意に至らず契約終了となった
注意点として、最初から「更新なし」と明示されていた場合は該当しません。また、勤続3年以上での雇い止めや、雇い止め通知ありのケースは「特定受給資格者」という、さらに給付日数が手厚い区分になる可能性があります。
範囲Ⅱ:正当な理由のある自己都合退職
自分から退職を申し出た場合でも、以下のいずれかに当てはまれば該当する可能性があります。
体力・健康上の理由
体力の低下、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退などにより、継続就労が客観的に困難と判断される場合。医師の診断書が原則必要です。うつ病・適応障害・パニック障害なども対象になり得ます。
妊娠・出産・育児による離職
妊娠・出産・育児(小学校就学前)を理由に離職し、雇用保険法の受給期間延長措置を受けた場合。最長4年まで受給期間を延長でき、働ける状態になった時点で申請すれば給付制限なしで受給できます。
家庭の事情が急変した場合
父母の死亡・疾病・負傷などのため扶養が必要になった、または常時看護が必要な親族の介護が生じた場合など、家庭の事情が急変したことにより離職を余儀なくされたケース。
通勤が著しく困難になった場合
結婚・配偶者の転勤・引越しなどにより、通勤時間が片道2時間以上(往復4時間以上)になった場合が目安です。住民票・婚姻届受理証明書・配偶者の採用通知書などが証明書類になります。
配偶者や親族の暴力(DV)を避けるための転居
配偶者から身体的暴力またはそれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けたことにより、同居を避けるために住所を移転して離職した場合。
その他、やむを得ない事情による退職
希望退職の募集に応じた場合なども、状況によって該当するケースがあります。
「残業が多くて限界で辞めた」という方へ
残業過多が理由の退職は、特定理由離職者ではなく「特定受給資格者」に該当する可能性があります。特定受給資格者は会社都合退職と同等の扱いで、給付日数が最大330日と、さらに手厚い区分です。
以下のいずれかに当てはまる場合、特定受給資格者として認定される可能性があります。
離職直前の6ヶ月のうち、いずれか連続する3ヶ月で月45時間超の時間外労働があった
1ヶ月で100時間超の時間外労働があった
連続する2ヶ月以上の平均が月80時間超の時間外労働があった
タイムカードや給与明細など、残業時間を証明できる記録を保管しておくことが重要です。
認定されるための注意点
特定理由離職者かどうかを決めるのはハローワークです。自分で「該当する」と判断しても、自動的に認定されるわけではありません。申請時に客観的な証明書類を持参し、窓口のヒアリングを経て最終判定が行われます。
よくある失敗として、離職票に会社が「自己都合(4D)」と記載したままサインしてしまうケースがあります。サイン後でも異議申立ては可能ですが、手続きが複雑になります。離職票を受け取ったら、まず「離職区分」の欄を確認する習慣をつけましょう。
また、病気・ケガを理由に申請する場合は、退職前に医師の診察を受け、診断書を取得しておくことが重要です。退職後に通院履歴がない状態で診断書を取ろうとすると、発行してもらえないケースもあります。
まとめ
「自己都合だから仕方ない」と諦める前に、一度自分の退職理由を振り返ってみてください。体調不良・介護・転居・雇い止めなど、やむを得ない事情であれば、特定理由離職者として給付制限なしで受給できる可能性があります。
自分がどの区分に当てはまるかは、退職前にハローワークに相談するのが最も確実です。特に証明書類が必要なケースは、退職後では準備が難しくなることがあるため、在職中に動くことをおすすめします。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、認定の可否は個別の状況によって異なります。正確な判断は最寄りのハローワークにご確認ください。給付日数・受給資格は年齢・離職理由・雇用保険加入期間により異なります。
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