【僧帽筋】肩こりだけに関わると思ったら大間違い!僧帽筋と肩関節の関係性について徹底解説!!
こんにちは!
皆さんは、僧帽筋と言われて何を思い浮かべますか?
恐らく、僧帽筋と言われたら“肩こり”を連想されるのではないでしょうか?

たしかに、僧帽筋は“肩こり筋”として有名であると同時に、肩こりの原因として1番多い筋肉とも言われています。
しかし!僧帽筋=肩こりの原因筋という単純なものではないんです!!
むしろ、肩こりの原因筋という事実以外にも、肩関節障害との関係が非常に深い筋肉なのです。
今回は、そんな僧帽筋の構造や機能はもちろんのこと、僧帽筋と肩関節との関係や、僧帽筋の評価や介入について徹底解説したいと思います!
今回の記事で学べることは、以下になります!
・僧帽筋の構造
・僧帽筋の機能
・僧帽筋と肩関節の関係性
・僧帽筋の評価
・僧帽筋の介入
構造〜評価までを動画でご覧になりたい方は、こちらからどうぞ!
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ではさっそく見てみましょう!
僧帽筋の構造

まずは僧帽筋の構造について。
僧帽筋は頭部〜背部にかけて幅広く付着する筋肉であると同時に、線維も上部・中部・下部の3つに分かれているという特徴があります。
そんな僧帽筋の起始・停止・作用・神経支配は、以下になります。
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起始:上部→後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯
中部→C7、T1〜T4棘突起
下部→T4〜T12棘突起
停止:上部→鎖骨外側1/3
中部→肩峰、肩甲棘
下部→肩甲棘内側1/3
作用:上部→肩甲骨挙上、上方回旋
中部→肩甲骨内転
下部→肩甲骨下制、上方回旋、内転
全体→肩甲骨内転
神経支配:副神経
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以上が、僧帽筋の大まかなな解剖になります!
僧帽筋の機能
ここからは僧帽筋の機能について解説していきます!
先ほどご紹介した解剖だけでは、どうして僧帽筋が重要なのか?が見えてこないので、それぞれの線維がどのように作用しているのか?をもう少し深掘りしたいと思います!
僧帽筋上部線維の機能
僧帽筋上部線維は、後頭骨から始まって、鎖骨外側1/3を斜め下方に向かって走行するので、別名「下行部」とも言われています。
そんな僧帽筋上部ですが、肩甲骨の挙上と上方回旋に働くとされていますが、実はそれだけではないんです!

僧帽筋上部は、鎖骨に停止を持つことから、鎖骨の動きにも関与しています。主な動きとしては、鎖骨の挙上です。これに関しては、走行的に考えるとイメージがつきやすいと思います!
それだけではなく、鎖骨の後退・後方回旋を行うとの報告もあり、鎖骨を介して間接的に肩甲骨の上方回旋や外旋を担っていると考えることができます。
したがって、僧帽筋上部は直接的に肩甲骨へ作用するというよりも、間接的に肩甲骨に作用すると理解した方がしっくりきますね!
さらに!僧帽筋上部は頸部への運動にも作用していて、両側同時収縮することで頸部伸展、片側収縮することで同側頸部の側屈を行います。
このあたりの知識は、臨床でも非常に重要な部分となりますので、しっかりと押さえておきましょう!
僧帽筋中部線維の機能
僧帽筋中部線維は、C7・T1〜T4の棘突起から始まって、肩峰・肩甲棘を横方向に向かって走行するので、別名「横行部」とも言われています。
そんな僧帽筋中部は、肩甲骨の内転(外旋)の作用がありますが、それ以外にも肩甲骨の上方回旋にも作用します。

肩甲骨の内転(外旋)に関しては、僧帽筋中部線維が肩鎖関節全体に働くトルクが大きいとされていて、収縮すると肩甲骨の内転(外旋)が生じるとされています。
また、僧帽筋中部による肩甲骨上方回旋作用は、僧帽筋上部同様にそこまで大きく貢献しないとされています。しかし、僧帽筋下部とともに協調して作用することで、上方回旋にも作用していると言われています。
まとめると、僧帽筋中部は線維が横方向を走行することから収縮すると、肩鎖関節を介して肩甲骨の内転(外旋)に強く作用し、僧帽筋下部と協調して働くことで上方回旋も行なっています!
僧帽筋下部線維の機能
僧帽筋下部線維は、T4〜T12の棘突起から始まって、肩甲棘内側1/3を斜め上に向かって走行するので、別名「上行部」とも言われています。
そして僧帽筋下部は、他の線維に比べて線維長が長いので、比較的大きい運動トルクを発揮できるとされている線維なんです。

そんな僧帽筋下部は、僧帽筋中部と共に肩甲骨内転(外旋)に作用しています。
僧帽筋は、全体で収縮することで肩甲骨内転(外旋)に作用すると言われてはいますが、僧帽筋中部と下部線維による作用がメインであると考えた方が良いかもしれません。
さらに僧帽筋下部は、前鋸筋とフォースカップル機構を形成すると言われています。

前鋸筋(下部線維)は肩甲骨上方回旋と外転に作用する筋肉ですが、僧帽筋下部線維と同時収縮することで、肩甲骨上方回旋に作用し、肩甲骨の後傾にも作用します。
これらの動きは、肩関節の外転初期〜中期にかけて特に重要とされていますので、しっかりと押さえておきたいところですね!
僧帽筋と肩関節の関係
僧帽筋は、肩関節との関連が非常に大きい筋肉です。これは前述してきた機能を見ていただけると分かるかと思いますが、もう少し踏み込んでお話ししていきますね!
まず、肩関節を屈曲する際の肩甲骨の動きは、どのように動くのかというと・・・

・上方回旋
・後傾
・外転(内旋)
一方で、肩関節を外転する際の肩甲骨の動きは、どのように動くのかというと・・・

・上方回旋
・後傾
・内転(外旋)
ここから分かるように、屈曲にしても外転にしても、どちらも肩甲骨の上方回旋と後傾が必要となるわけですね!
しかし、僧帽筋(特に中部・下部)が活動遅延を起こすといった機能障害が生じると、肩甲骨の可動性が低下し、肩関節の挙上制限などを引き起こす可能性があります。

このような機能障害を起こす背景としては、僧帽筋上部が過活動を強いられているケースが多いとされており、僧帽筋上部の過活動に伴って僧帽筋中部・下部の活動遅延が生じるor筋力低下が起こるという報告があります。
それだけでなく、僧帽筋の機能障害は、結帯動作にも問題が生じると言われています。

僧帽筋上部の過活動に伴って僧帽筋が過緊張を強いられると、鎖骨や肩甲骨の動きが阻害され、結帯動作も困難になる可能性があると報告されています。(引用:理学療法科学 36(3): 433–437, 2021結帯動作に対する僧帽筋上部線維の影響─電気刺激を用いて─)
さらに!
肩関節の挙上動作では、最終域に近づくにつれて、脊柱の伸展や側屈といった動きが必要になりますが、これにも僧帽筋が関係してきます。
以下がその報告の抜粋です。
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また※LTの活性化と肩甲骨後傾9)や体幹伸展(胸椎伸展)10)は関連することが報告されている.
※LT=僧帽筋下部
(引用:背臥位における僧帽筋下部線維の選択的収縮を促す新規エクササイズの筋活動より一部抜粋)

したがって、僧帽筋は肩関節との関連性が非常に深く、僧帽筋の機能低下などが生じれば、高確率で肩関節障害を引き起こす可能性があるということ。
これが、僧帽筋=肩こり筋という単純なものではない理由の1つなんです!
僧帽筋の評価

ここでは僧帽筋の評価についてご紹介します!
まず僧帽筋は、損傷や麻痺を起こすということは稀になるので、僧帽筋の機能に着目した評価を行うのが良いでしょう。
そして、僧帽筋は上部・中部・下部に分かれるため、それぞれの線維を個別に評価することが重要と考えています。
僧帽筋上部の評価

まず僧帽筋上部の場合は、触診にて過緊張が出現していないかを見てみましょう。
あとは問診にて、
・長時間のデスクワークをするのか?
・肩こりを発症していないか?
・肩関節疾患を発症していないか?
・頸部痛を発症していないか?etc.
これらに該当する場合には、僧帽筋上部の過緊張がある可能性があると考えることもできますね。
そして、アライメントの確認として、頭部前方偏位(以下FHP)が出現していないか?を見ることも重要です。

FHPは上位頸椎過伸展、中下位頸椎屈曲位のアライメントですが、FHPが出現している場合には、僧帽筋上部の過剰な筋活動があると報告されています。(引用:【研究成果】頭頚部前方位姿勢による疲労感は僧帽筋の過剰な筋活動に起因することを発見!)
ですので、FHPの有無も合わせて確認してみましょう!
その他には、肩関節挙上動作において、肩をすくめるような動き(shrug sign)が出現している場合にも、僧帽筋上部の過活動による影響があると考えることもできます。
僧帽筋中部の評価

僧帽筋中部の評価は、肩甲骨の内転(外旋)が出来ているか?を見る必要があります。
これは機能のところでもお話ししましたが、僧帽筋中部は肩鎖関節を介して肩甲骨を内転(外旋)させる役割があるとお伝えしましたよね?
僧帽筋中部の活動が低下すると、肩関節屈曲後期や肩関節外転初期〜中期での肩甲骨内転(外旋)が起こりにくくなるため、肩関節の可動域制限やインピンジメント障害を惹起させます。
これを踏まえて、僧帽筋中部を評価する際には、肩甲骨の内転(外旋)がちゃんと行えているかどうかを見る必要があるんですね!
〜筋力評価のやり方〜
・腹臥位で肩関節外転・外旋位として、肩甲骨を内転方向に動かしてもらう(肩関節水平外転)
・術者は、上腕遠位に水平内転方向に抵抗を加えるが、患者さんにはこの肢位を保つように指示する
〜陽性所見〜
肩関節水平外転を保持できなければ、僧帽筋中部の機能低下を疑う
上記の筋力評価の実施が難しい場合には、腹臥位での肩関節水平外転を自動運動で行ってもらい、その際に肩甲骨の内転(外旋)が行えているかを確認するのでもOKです!
僧帽筋下部の評価

僧帽筋下部の評価は、肩甲骨の内転(外旋)や下制の動きが出来ているか?を見る必要があります。
僧帽筋下部は中部とともに、肩関節屈曲後期や外転中期以降で活動することで、肩甲骨の内転(外旋)・後傾・上方回旋といった作用を担います。
特に僧帽筋下部は、前鋸筋下部との関係性が深いため、両者の活動によって肩甲骨の上方回旋を円滑に行います。
そのため、僧帽筋下部の機能低下が生じれば、肩関節の可動域制限やインピンジメント障害を惹起させます。
これを踏まえて僧帽筋下部は、肩甲骨の内転(外旋)・下制がちゃんと行えているかを見る必要があるんです!
〜筋力評価のやり方〜
腹臥位で肩関節外転120°付近にし、術者は下に向かって力を加えるの対し、患者さんは外転位で保持をしてもらう
〜陽性所見〜
外転位を保持できない場合には、僧帽筋下部の機能低下を疑う
上記の筋力評価の実施が難しい場合には、腹臥位での肩関節外転120°の状態から、自動運動で挙上する動きをやってもらい、その際に僧帽筋下部の収縮が出せているかを確認するのでもOKです!
僧帽筋下部は、特に機能低下を起こすことが多いので、上記のような動作をしたときに、肩甲骨の下角が浮き上がるような現象が生じます。(前鋸筋の問題もあるが、ここでは僧帽筋下部のみの言及に留める)
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僧帽筋の介入
ここでは僧帽筋の介入についてご紹介します!
僧帽筋の介入は、ざっくりいうと・・・
上部は過緊張を抑制する
中部・下部は機能を正常にさせる
この視点が重要となるので、それぞれの線維に対してのアプローチを6つご紹介しますね!
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