バックレ・トゥ・ザ・フューチャー 第7話「窓」
世界が丸いから
ぼくを目覚めさせる
世界が丸いから
何とか日没1時間前にホテルに着いた。うちらはどっかに泊まると毎回語呂合わせで部屋番号を覚えている。今日は318号室だから「サイバー」だな。これをやっとくとたとえ泥酔しても無事に帰ってこれるからマジ大事よ。これまででいちばんのおもしろナンバーは前に京都で泊まった564号室。「ころし」はだめだろ!リトルインディアンころしのカレーかよ。

部屋に入ると厚めのカーテンが完全に閉めきられている。にくい演出なのかもしれんし、とりあえず緊急で動画回しとくか。オイ、緊急で動画回せダンカンこの野郎!どこに泊まったか説明する前にたったの40秒だけだからこれを見てほしい。おれたちの奇声はGoogle Pixel 10 Proの音声消しゴムマジックで消してやったぜ。興奮のあまりちょっと残っとるけど。AIがなんぼのもんじゃ!かかってきやがれ。
それでは参ります、わくわくカーテン、オープン!


そう、ここがモニュメント・バレー(Monument Valley)の絶景独り占めスポットことザ・ビュー・ホテル(The View Hotel)だ!20数年前から地球上で最も見てみたかった景色が目の前に広がっている。左からウエスト・ミトン・ビュート、イースト・ミトン・ビュート、メリック・ビュート。
高さは福岡タワーが234m、西ミトンさんが261m、東ミトンさんが313m、メリックさんが294m、東京タワーが333m。あータワマン建てて広告にポエム書きて~(やめろボケ)。ミトンたちは本当に鍋つかみみたいで両手でハイタッチできそう。

お三方みたいに単体の丘といえるものはビュート、テーブルみたいな台地はメサと呼ぶ。隆起した2億7千年前の地層が風と雨でこんな形になって、今でも少しずつ変化し続けている。赤茶色なのは、コロラド川がロッキー山脈から大量の鉄分を運んできて酸化した土地だから。恐るべし、コロラド川。


部屋に入ってもう20分ぐらいたったか、刻々と世界の色が変わっていく。玄関側も見に行ってみよう。あ、ナントカKANKOって書いてあるバスから数組の日本人グループがおりてきた。それをあのキングダムのミームみたいな顔で見下ろしている。大好きな音楽をたれ流しながらKIAで爆走して二人で爆笑して、いろいろな場所に寄ってきたことに完全に勝ち誇っている大沢 "Bo" たかお。あー、EEE、気持ちィー。
しかしラスベガス発ツアー、運転とガイドもしてもらって楽々ここまで来れるんだろうな。途中で行く場所もどうせ同じ感じやろうし、4人家族だったら数十万円ポーンと払えるってことだよな。うんうんうん、よくわからんけど、ギリ引き分けってとこかな。よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ。

ナバホの風が気持ちよすぎる。日が沈むまでずっと眺めていたいけれど、ミトンたちのこともやっぱり気になるから行ったり来たりしている。両面(リャンメン)楽しめるこの最高のホテル、今すぐ予約だ!自分で行くか、ツアーで行くかはあなた次第。





空が青いから
ぼくを泣かせる
空が青いから

よし、サンセットも見届けたしホテルを探検してみようぜ。窓ガラスに廊下のランプを映り込ませた方が昔写ルンですで撮ってた写真みたいでいい感じな気がしてきた。思わず「車窓エモい」って言ってしまったら「車じゃないやろ、ふん」って鼻で笑われた。あー、ホテルの窓だからホテ窓だな。新しい概念の発明だ。ホテ窓写真家Boにおれはなる。






磯野と中島になったみたいな気分で館内と外を歩き回っている。ずっとずっと昔にもここで青春アミーゴしていたよな、地元じゃ負け知らずのおれたちだから。昼間に聞いたMuseの歌の通り無敵になってきた。



バルコニーの右側に見えていたでっかいメサ(うちらは名前を存じ上げなかったのでメサニキと呼んでた)はこんな形だったのか。こっちから部屋を見るとまるで味集中カウンターみたいにばっちり区切ってある。わくわくカーテンの本当の役割は演出じゃなくて外に光を漏らさないためだったのかも。
お土産屋コーナーをちょっと冷やかして、食堂入口のレジ兼売店でアイスを2種類買って部屋に戻る。もう値段も2ドルだろうが3ドルだろうが気にしないぜ、無敵だから。マジックアワーもそろそろ終わりそう。

今夜、真に言える 一緒ならぼくらは無敵だと
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