【実録】自己都合退職に異議申し立てしてみた。社労士を沈黙させ、ハローワーク職権調査へ突入した話(続編)
前回の記事で、ハローワークへ「自己都合から会社都合(特定受給資格者)」への変更を求める異議申し立てを行ったところまでを書いた。
今回はその続編となる。
今週に入り、裏ではハローワークが本格的に調査に動き出していると思われるが、昨日、今日の相手方の社労士とのスリリングな前哨戦、そして現在進行形で進む「職権調査」のリアルな舞台裏をお届けする。
結論から申し上げる。大人のロジックで詰め寄った結果、相手の社労士は完全に沈黙した。
1. 相手方社労士からの打診と、こちらが放った「完璧な一手」
異議申し立てが受理された後、前職が立てた代理人である社労士から、探りを入れるようなメールが届いた。
「7月15日までに会社の意向を確認したいとのことですが、ハローワークから問い合わせがあった際に回答する形でも問題ありませんか? 事前に会社が回答することで状況が複雑になる可能性もあります。なお、今回の連絡の主旨をご教示ください」
要するに、「ハローワークが直接会社に突っ込んでくる前に、こちらがどこまで証拠を握っているのか、何を求めているのかを事前に探って防衛線を張りたい」という、あからさまな牽制(けんせい)である。
ここで感情的に怒りをぶつけたら負け。私は以下の通り、大人の余裕と理性を100%詰め込んだ返信を送りつけた。
「今回ご連絡差し上げた趣旨は、会社に対して何らかの要求を行うことではなく、ハローワークから事実確認があった際、当時の実情を正確にご認識いただいた上で、事実に基づいたご回答をいただきたいと考えたためです。
私としても、退職理由につきましてはハローワークにおいて適正に判断いただくべき事項と考えておりますので、基本的にはハローワークと会社との事実確認を通じて進めていただければと存じます」
このメールを送った瞬間、メールラリーは止まった。社労士は完全に沈黙したのである。
「ハローワーク経由で進めることに同意した」という形を取りつつ、その実、「こちらは会社と交渉する気など一切ない。ハローワークという公的機関の場で、お前たちの不正を白日の下に晒してジャッジしてもらうだけだ。嘘の報告をしたらどうなるか分かってるな?(労働局の雇用保険審査官に審査請求する)」という強烈なクギを刺したわけである。
今頃、前職の社内、親会社上席、そして相手方の社労士が頭を抱えてパニックになっていることだろう。
2. 16日ハローワーク再決戦。さらなる「追撃の弾道」
現在、ハローワークは前職への「職権調査(ヒアリング)」を行っている段階である。相手は「ハロワから連絡が来たら、適当に自己都合だと言い張って逃げ切ろう」と高をくくっているかもしれない。
しかし、私は16日、職業訓練の手続きのためにハローワークの窓口へ向かう。
その際、事前にお伺いを立てることなく、完成した「追加の陳述メモ」を窓口で既成事実として滑り込ませる作戦を仕込む。
役所という生き物は、事前に「出していいですか?」と聞くとマニュアル対応で断るが、目の前に出された書類を拒否するのは手続き的にハードルが高いからである。
そこで投入する「第2の爆弾」がこれである。
牙を剥く「AIへ法務・リーガルチェック丸投げエピソード」
私が退職を決意した決定的な要因――当時の会社側の「安全配慮義務違反」をカチ込む。
専門的に法務を担っていた取締役が退任した際、法的知識のない私に対し、引き継ぎもバックアップ体制も整えないまま全社のリーガルチェックを一方的に押し付け、経営陣は「AIにチェックさせればいい」「一応こっちでも目を通すから」という無責任な指示しか出さなかった。
専門外の高度な法的リスクを一人で背負わされる凄まじいプレッシャー。企業のガバナンスを軽視したこの体制悪化の事実を、時系列のメモとしてハローワークの調査ファイルに追記させる。
ハローワークから前職へ、「取締役が辞めたあとの全社法務を『AIでやれ』って丸投げしたというのは本当ですか?」と想定外の角度から尋問が行く。これで前職の防衛ラインは完全に崩壊し、詰む。
3. 泥水をすすった過去が、年収アップの最強の武器に化ける
この異議申し立てと並行して、私は現在、全力で転職活動を進めている。
驚くべきことに、前職で味あわされた「AI法務丸投げ」という理不尽極まりない泥水エピソードが、今、市場で最強の武器に化けている。
現在、私の手元で動いている戦況は以下の通りである。
酒類卸大手(プライム上場グループ): 一次面接で、これまでのキャリアと「現場に寄り添う労務」のストーリーをぶち込み、手応え十分。
大手気象会社(東証プライム・年収最大900万): 書類選考スタート。彼らが求める「AI等を用いた次世代オペレーション構築」に対し、前職の「AI契約書レビューの泥臭い実務導入経験」を実績として逆手に取り、殴り込みをかける。
外資系デリバリーベンチャー: 年収最大800万の尖ったベンチャー。推薦提出完了。
大手電機会社: 大手インフラ。応募書類受領完了。
老舗産廃企業: 年休127日・残業10h以下の超ホワイトインフラ企業から、書類選考通過、面接確約オファー。
前職のセコい経営陣が放った「AIにやらせとけ」という無責任な言葉を実績に変換し、「バックオフィス業務へのAI実装をリアルに成功させた先駆者」としてマウンティングをかける。
理不尽な環境をただの愚痴で終わらせず、公的機関で会社都合を勝ち取るための証拠(ハローワーク用)にし、かつ、次の会社で年収を爆上げするための実績(転職活動用)に昇華させる。これこそが、大人のリベンジです。
おわりに:30代最後の日、盤面はひっくり返った
気がつけば、私も30代が終わろうとしている。
ほんの数日前まで、ガバナンスの崩壊したクソみたいな環境で「明日からどうしよう」と悩んでいた状況が嘘のように、今は「失業保険の会社都合の権利を確実に握りながら、超大手やプライム上場、老舗企業を狙って品定めする側」に立っている。
逃げるように辞める必要なんてない。正しい証拠を集め、ロジックを武器に戦えば、労働者はここまで盤面をひっくり返せる。
16日のハローワーク追撃、そしてここから始まる面接ラッシュ。40代最初の1年、戦いは、ここからが本番である。
