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【配信一家の物語・第1章】夫の夢は「一夫多妻制」だった。

「ご存じだと思いますが、あなたの夫と不倫しています」

突然家に訪ねてきた女は、まるで当然のように、そう言った。

「仲良くしてください。子供を取り返したいから、協力してほしいんです」

私は言葉を失った。 でも、驚きはしなかった。 夫がずっと「一夫多妻制が夢だ」と語っていたから。

その頃の私は、静かな地獄の中にいた。

末っ子は生後3ヶ月で脳腫瘍が見つかり、「余命2週間」を告げられてから、9年間寝たきりで在宅介護だった。 夫からの経済DVを受け、生活費は私が稼ぐしかなかった。 24時間介護と在宅ワーク。 私の日常は、戦場そのものだった。

そんな私に、夫は毎日「すごい俺様の話を聞く時間」を強要した。 大事な仕事の納期前や打ち合わせ前を狙って、わざと妨害するように始まることも日常茶飯事だった。

末っ子は頭が大きく、首が座らない。お風呂は私が抱っこしたまま、片手で体を洗う。 自分の体を拭く暇もなく、びしょ濡れのまま息子を寝室に運び、湯冷めしないうちに着替えさせ、おむつを替え、ミルクをあげる。

そんな瞬間に限って、夫は私を呼びつけるのだ。 「ちょっと来て」

その"ちょっと"は短くても2時間、時には朝まで続く。 末っ子の風呂上がりで、ろくに拭けていない裸のまま立たされることもあった。 座ることは許されず、「服を着たら?」の一言すらない。 ただひたすら、彼の話を聞く。

「凄い俺様の話を聞く時間」という静かな暴力。そして、その裏表をなすように、自尊心を削り取る言葉の暴力が、毎日私と子供たちに向けられた。fさらに長男は、夫の機嫌次第で殴られることもあった。 私たちは夫の機嫌を損ねないよう、家の中で息をひそめて暮らしていた。

今思えば異常だ。でも当時はそれが日常で、異常だとも思えなかった。 いや、異常だ、逃げなければと、心の奥では叫んでいた。 でも、その声に蓋をした。

夫の数年前の不倫は、相手に振られて終わった。 だから、「今度こそ、うまくいくようにしなければ」と。 洗脳されていた私は、本気でそう思い込んでいた。 夫の夢を、私が叶えなければと。

こうして、狂気の半年間が始まった。

毎日、仕事終わりの彼女を車で迎えに行く。 夕方、彼女の分まで夕飯を作り、風呂を沸かす。 彼女の分の手作り弁当まで持たせ、夫と彼女を見送る。

二人は、彼女の家へ帰っていく。

「大人が3人力を合わせればみんなが幸せになる」 夫の言葉を信じ、私は必死に彼女の「友達」を演じた。 でも彼女は、我が家で女王のように振る舞った。

買い物に行けば、彼女は子供たちの目の前で、夫の財布から当たり前のように自分の物を買う。 私と子供たちは別のレジに並ばされ、生活必需品を、私が稼いだお金で支払う。 それが、私たちの「家族」のルールだった。

家に来ても、椅子に座ったまま、上げ膳据え膳でスマートフォンを眺めているだけ。 会話の中心が自分でないと、わざと大きな音を立てて部屋を出ていく。 子供たちの前でも、平気で。

「ここには私の居場所がない」 「私が彼の一番じゃないのはおかしい」

彼女はそう言いながら、私の家で女王様を続けた。

半年が過ぎた頃、濃い霧が晴れるように気づき始めた。 私はただ、二人に都合よく利用されているだけだ、と。

彼女を家に入れないと決めた日、新たな地獄が始まった。 SNSでの執拗な嫌がらせは、離婚後も数年続いた。

私の目の前で不倫解消を約束した、その翌日には、夫にLINEでミニスカートの写真を送る。 息子が亡くなった、その日にさえ、私を貶める投稿をSNSに上げた。 そういう女だった。

夫は「彼女はおかしいから、お前たちが傷つけられないように別れるタイミングを計っている」と、おかしなことを言い続けるだけ。

ガラスの破片の上を、裸足で歩き続けるような毎日。 寝たきりの病気の息子を抱えて、この地獄から逃げ出す覚悟は、私にはなかった。

張り詰めていた糸が、音を立てて切れていく。

私たち家族は、もうとっくに壊れていた。 でもこの出来事で、完全に崩壊した。

あの頃の私は知らなかった。 崩壊の先に、「配信一家」として笑い合える未来が待っていることを。 地獄のような日々が、いつか誰かの希望になる物語に変わることを。

これは、私たちが配信一家になるずっと前の物語。


■あとがき

ここまで、私たちの長く、そして拙い告白にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

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その旅を、どうか一緒に歩んでいただけると嬉しいです。

(第2章へつづく)


✍️ この記事を書いた「配信一家」について

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

「この記事を書いた人たちは、何者?」 私たちは、大阪在住、母・姉・弟の全員が発達障害 の当事者でありながら、家族でクリエイティブ集団「配信一家」 として活動しています。

私たちがなぜ配信ノウハウを発信しているのか? それは、元夫のDV 、不倫、離婚、子供の不登校 、末っ子の9年間の在宅介護 … そんな壮絶な体験を経て、「家を安心できる場所にする」 ために家族で再出発した、私たちの物語と深く繋がっています。

ぜひ私たちの「物語」も知っていただけたら嬉しいです。

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