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【#創作大賞2026】#17 更年期ファンタジー 聖ホルモーニア・クエスト ~お母さん、今日も転生したの?~

▶第1話を読む


こんにちは😀
異世界転生中のアザミです。


★前回までのおさらい★

現実世界に戻ってきたら、いつもの寝室。


そこで、娘に異世界での出来事と、私が勇者であることを説明していたら!



今度は「手指のこわばり」を発症してしまいました😭

中指があらぬ方向を向いたまま固まって、自由に動かせないのですが、主婦には休んでいる暇はありません。


今回は、娘の大好物を作るために向かったスーパーで、


まさかの「戦友」と再会し、
とんでもない事態に巻き込まれるお話です😀 ミ☆


第6話の①:アザミ、スーパーで凍りつく


昨日から「ピキッ」と固まったままの右手の中指を、反対の手で必死にもみほぐしながら、私は今日の夕飯の献立を考えていた。


異世界でいくら勇者と言われたところで、現実世界では容赦なく家事が襲ってくる。


でも、冷静に考えてみてちょうだい。


誰も褒めてくれないのに、毎日毎日、家族の栄養と好みを考えて献立をひねり出している私。


現実世界での私も、ある意味「立派な勇者」よね!


だって、これを365日休みなしで続けているのだから。


よし、今晩は娘が大好きな『アザミ特製ハンバーグ』にしよう!


勇者が作る、渾身の特製ハンバーグ。

これさえ出せば、反抗期を引きずり気味の娘だって、

少しは私に尊敬の眼差しを向けるはずだ😏


娘に「お店のより美味しい!」と絶賛される私のハンバーグには、絶対に譲れないコツがある。



それは、よくある『合いびき肉』でお茶を濁すのではなく、贅沢に『国産牛の粗挽きひき肉』を使うことだ。


これを使うだけで、ジューシーさと肉々しさが格段にアップする。


これぞ、主婦歴25年が編み出した熟練の味!(まあ、ひき肉のポテンシャルのおかげだけどね🐮)


しかし、そのこだわりの国産牛粗挽きひき肉は、どこのスーパーにでも置いているわけではない。


我が家の周辺では、少し車を走らせたところにある大型スーパー「イトーヨーカドゥ」にしか売っていないのだ。



ちなみにこのイトーヨーカドゥ、

いま私が異世界で振るっているおたまちゃんと、ピンクのパジャマを、改装セール半額で救い出したお店でもある。


おたまとパジャマを売り、極上のひき肉を置く。

主婦目線で見ても、優秀すぎるスーパーね🤔


私は車を走らせ、日進市に一軒しかないイトーヨーカドゥへ向かった。


固まったままの、お行儀の悪すぎる中指を買い物バッグの陰に必死に隠しながら、自動ドアをくぐる。



店内に足を踏み入れると、お出かけ用の服の上からでも容赦なく冷気が襲ってきた。


昨日からのこわばりのせいで、カゴの取っ手がうまく握れなくて、地味にイライラする。


「もう、不便だわ。レジでお金を出すのも一苦労なんだから……」


ひとりで文句を言いながら、お目当ての精肉コーナーに近づくと、空気の温度が明らかに数度下がった。


ショーケースに並んだパック入りの豚肉や、冷凍庫に並ぶホルモンたち。


その中心で、ガタガタと震えながら、重い肉の塊を鮮やかな手つきで並べている女性の背中が見えた。


「あれ?……ヒエ子?」


鎧こそ着ていないものの、精肉コーナーの冷気に震える姿は、異世界で出会ったヒエ子そのものだった。


(えっ、ここ、ヒエ子の職場だったの?)


まさか、こんな身近なイトーヨーカドゥの精肉コーナーで、異世界の戦友が働いていたなんて。


声をかけようとした私に気づき、ヒエ子がゆっくりとこちらを振り返り、口を開いた。


「……アザっち 。……来たの。……ここは、禁域。……設定温度、マイナス3度」


ヒエ子が、霜の降りたような青ざめた顔で私を見る。


「さ、ささ、寒い……ガタガタガタガタ」


仕事とはいえ、一日の大半をこの「極寒」の中で過ごす彼女の足元は、現実でも氷のように冷え切っているという 。

「ヒエ子、無理しないで。私が代わってあげたいけど……っ、うう、指が……」


固まった中指をもう片方の手で揉もうとした、その瞬間だった。


視界が白く濁る。



「いつものめまい」じゃない。



精肉コーナーの冷気が、不自然な白い霧となって視界全体に広がっていく。


これは一体──?


「おみゃーさんたち! やっとかめだねぇ!」


霧の向こうから、乳母車を爆走させながら賢者ヨシエが現れた。


(やっぱり出た!!!)


だが、今日のヨシエはダウンジャケットをこれでもかと重ね着して、雪だるまのような格好をしている。


「ここは魔王エストロゲン・ロスが仕掛けた

『巨大冷蔵庫ダンジョン』

だわ! 

このままじゃ、聖域の戦士たちはみんな冷凍食品になってまうがね!!🧊❄️」


気づけば、スーパーの通路はどこまでも続く、巨大な氷の通路に変貌していた。


──と、その時だ。



ヨシエの叫び声と、唾液の飛沫に呆気にとられていた私は、自分の体に猛烈な違和感を覚えて視線を落とした。


「……え? 嘘でしょ?」


さっきまで着ていた、お気に入りのお出かけ用の私服が、跡形もなく消え去っている。



代わりに私の体を包んでいたのは、繰り返しの洗濯でクタクタに色あせてヘタった、あのピンクのパジャマ。


足元には、お馴染みのピンクのスリッパ。


そして右手には、10年選手の愛用おたまが、ガチガチの中指を突っ立てたまま、無理やり握り締められていた。


「またこのパジャマ姿!? 私の私服をどこへやったのよーーーっ!!」


あまりの理不尽さに絶叫して隣を見ると、いつの間にかあのゴツい鎧姿になったヒエ子が、立ち尽くしていた。


(ウソでしょ……😨)



パジャマにおたまの私と、ゴツい鎧に物干し竿のヒエ子。


そして、目の前には温かそうなダウンにくるまったヨシエと、どこまでも続く巨大な氷の通路。


一体なんなの? 
何が起きているの!?


っていうか、私の国産牛粗挽きひき肉は!?



というわけで、またも突然の異世界です。


まさか、スーパーの精肉コーナーからそのまま拉致されるだなんて、油断も隙もあったもんじゃありません。


お気に入りの私服はパジャマにされるし、何より、今晩の献立は完全にハンバーグの口になっていたのに!!😭


国産牛の粗挽きひき肉がほしかっただけなのに、主婦の段取りを狂わせないでちょうだい!


中指が立ったままおたまを挟んでいる私と、物干し竿で立ち尽くす主婦二人組、誰か助けてください😭ミ☆


アザミ@異世界転生中
50歳パート主婦。ただいま異世界転生中😀


赤いきつね:21分前
アザミさん、大丈夫ですか?
今すぐにでも、アザミさんを助けに駆けつけたいところです。
しかし、私も異世界転生中で
思うように動けないのが口惜しい……。

アザミ@異世界転生中:18分前
赤いきつねさん
ありがとうございます😭
そのお気持ちだけで、とてもうれしいです。
赤いきつねさんも、異世界で大変なんですね。
無事であることを祈っています😭

アザミっ娘@大学生:7分前
ちょwww
なにこのパジャマの不審者と
宇宙にいる人の謎の共鳴www
なんか二人で勝手に通じ合ってて、
ウケるwww

noteコメント欄

#更年期 #異世界転生 #精肉コーナー #手指のこわばり #国産牛粗挽きひき肉

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