【組織のAI活用#194】Geminiで作ったWebアプリを社内公開するためにGASを使うのがおすすめ
こんにちは!寺田です。
現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
Geminiのcanvas機能やClaude Cowork, Claude Codeなどを活用して、総合職の方たちが簡単にWebアプリをつくれるようになってきました。ただ、社内全体で使えるようにする際に、どこでどのように公開するべきかで止まってしまうケースもよく見ます。
今回は、例えばGeminiのCanvasなどで作成したWebツールやWebアプリを、社内限定で公開する具体手順と留意事項について書いていこうと思います。

アプリを安全に公開するための4つのステップ
一言でいうと、上記の図が表しているのは「AIで作ったコードを、実務で使える安全な社内アプリへと展開させるための概要」です。単にプログラムが動けば終わりというわけではなく、公開までの手順と守るべきルールを明確に示しています。そのうえで、全体を4つのステップに分けて、設計から運用までの流れを整理しています。
まずシンプルな元のコードを作り、それが「見せるだけ」のものか「動く仕組み」かを切り分けるのが最初のステップです。そこからGASへの実装とGoogleサイトへの埋め込みを行い、最後に権限設定やコードのレビューといった安全管理を行うという流れになります。つまり、技術的な実装と運用上のガバナンスを両輪で進めていくことが求められていると考えます。
作りたいものの役割を先に決める
手順の中で特に重要なのが、2つ目のステップにある「公開方法の切り分け」です。作成した原型が、情報を掲示するだけの静的なページなのか、入力やデータの保存を伴うアプリ型のものなのかを明確にする必要があります。というのも、この判断によって使うべき機能や実装の複雑さが大きく変わってくるからです。
情報掲載が中心であればGoogleサイトだけでも十分に対応しやすいですが、Googleサービスとの連携が必要な場合はGASの出番となります。イメージとしては、社内規程のリンク集を作るならGoogleサイトで完結させ、社内の備品貸出ツールを作るならGASを活用してスプレッドシートに記録を残すといった使い分けです。結果的に、この役割分担をはじめに決めておくことで、その後の実装作業がスムーズに進むのではないかなと思っています。
※GASを使った身近な業務効率化の具体例については、こちらの記事もご覧ください。
実際の組み込みとデータ保存の考え方
役割が決まったら、次はGAS側で画面を表示する処理を実装し、それをGoogleサイトに埋め込んでいきます。このとき、データの保存先としてスプレッドシートを利用するのは、小規模から中規模の社内ツールにおいては非常に実用的だと考えます。例えば、日々の業務報告や簡単なアンケートの集計といった用途であれば、使い慣れたスプレッドシートで十分に要件を満たせます。
ただ、件数が増えてきた場合や複雑な処理が必要になった際には、将来的なデータベース移行も視野に入れておく必要があります。逆に言うと、最初はスプレッドシートのような手軽なツールで小さく始め、利用状況を見ながらシステムを成長させていくのが賢明です。このように段階を踏むことで、初期の構築コストを抑えつつ、現場のニーズに素早く応えることができるという印象です。
業務データを守るための運用ルール
最後に、社内限定で安全に運用するための留意事項がいくつか挙げられています。GoogleサイトとGASの双方でしっかりとアクセス制限をかけ、連携するGoogleドライブやGmailの権限は必要最小限に留めることが必須です。また、AIが生成したコードはそのまま本番環境に投入するのではなく、必ず人がレビューしてエラーの処理などを確認する必要があります。
特に運用上の線引きとして、個人のGoogleアカウントや無料のAIツールなど、学習利用される可能性のある環境には決して業務データを入れないというルールの明文化が不可欠です。つまり、企業向けのセキュアな環境内でデータ処理を完結させることが、情報漏洩を防ぐ最大の防御策になります。こうした土台をしっかりと整えることで、AIを活用した社内開発がより安全で効果的なものになるのではないかなと思っています。
※社内公開前の承認ルールづくりについては、こちらの記事もご覧ください。
GASを使った社内展開は簡単かつ安全になりやすい
ここまでで、社内アプリの公開手順と運用時の注意点について整理してきました。
表示と導線はGoogleサイトが担い、入力や保存といった処理はGASで受け止めるという基本形を守ることが、やはり一番の近道だと考えます。この構成を標準化することで、社内公開のハードルが下がり、安全性を担保しながらAIの恩恵を現場に届けることができます。
開発の初期段階では、1画面のシンプルな構成に整理して、まずは「動くたたき台」を小さく作ることが重要です。そこから、今回ご紹介した手順に沿って少しずつ社内への展開を進めていくのが良いのではないかなと思っています。AIを使った業務改善を単なる実験で終わらせず、実務に根付くツールとして育てていくための参考にしていただければ幸いです。
読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!
ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。
<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。
現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任
