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【作成編】「アピキウス」に載っているConditum Paradoxum(古代ローマのスパイス入りワイン)を再現してみる #2

作成までの経緯は前の記事(準備編)をご覧ください。


今回のレシピと作業工程

改めて、今回のレシピと作業工程を掲載。
煮詰めたワインと蜂蜜を一晩置く工程があるので、2日かけて行います。

レシピ

  • 蜂蜜と混ぜて加熱する用のワイン(A): 約24.7ml

  • 最後にブレンドするワイン(B): 約222.6ml

  • 蜂蜜: 約112g

  • 胡椒: 約2.5g

  • マスティック: 約0.08g

  • バレリアン: 約0.1g

  • サフラン: 約0.1g

  • ナツメヤシ: 約0.11個

作業工程

  1. 鍋にワイン(A)と蜂蜜を加え、混ぜながら煮詰める。冷まして、加熱してを3回繰り返し、冷まして一晩おく。(初日はここまで)

  2. ナツメヤシの実をワインに浸す。種は炒って乾燥させる。

  3. 計量した胡椒、マスティック、バレリアン、サフラン、ナツメヤシをすりつぶす。

  4. 2の表面のアクをすくい取ったあと、3を加える。

  5. ワイン(B)を加える。

  6. コーヒーフィルターで濾して完成

さあ、レッツクッキング!

0.ナツメヤシの種を炒って、マスティックを冷やす

鍋が1つしかないため、ワインと蜂蜜を鍋に入れてしまうと種を炒ることができない。そのため、先にナツメヤシの種を炒ります。

炒る前
炒った後(試しに包丁を入れたが全く歯が立たなかったので、10分の1を気合いで削ります)

あと、マスティックは夏季の常温だと柔らかく粘る感じだったので、冷蔵庫へ入れておきます。(マスティックを買ったときに添付されていた説明書にも、料理には冷蔵庫に入れて硬くしてから砕いて使う、と記載あり。)

余談:マスティックの味

ちなみに、マスティックを試しに食べてみたのですが、どこかで食べたことのある気がするドライハーブの味(曖昧)。
フェンネルシードで代用しているレシピが多い、ということを考えると、フェンネルに近いのだろうか?(フェンネルは単体で食べたことがない)
個人的にはレモングラスっぽい風味も感じます。

食感はミツロウとハイチュウを混ぜた感じ。少量だけ食べるとかなり歯にくっつきます(歯にくっつく場合は量を増やすと改善します)。
普通のガムと同様、溶けてなくなるものではないので、そのまま飲み込むか捨てるかしてください。

1.鍋にワインと蜂蜜を加えて煮詰める。

「泡が出るまで加熱→冷ます」を3回繰り返して一晩置きます。

後でも詳しく記載しますが、「アルコール20度以下のものを他の材料と混ぜ、すぐ飲まずに置いておく」のは酒税法的にアウトです。(今回使用するワインはアルコール度数が12度)
が、3回も加熱すればアルコールは抜けるし、これはワイン風味の蜂蜜だ!という解釈で、今回は進めていきます。

蜂蜜にワインを混ぜた図。意外とサラサラ
泡が出てきたので火を止める。この段階ではワインの香りが残っている
冷ましたものを再加熱。ちょっと粘性が出てきている。
1回目よりもかなり泡立っている。ワインの香りはほぼ消え、蜂蜜がほのかに香る状態。
3回目の加熱前。もはや水あめ。
加熱をすると緩くなる。ここで今日の作業は終了。

味見をしようとヘラを舌先で舐めたら普通に熱くて火傷したので本当に気をつけてください

味は…甘いのは分かるが、蜂蜜の感じもワインの感じもほぼない。シロップみたいなものを想像していたが、駄菓子の練りあめのような粘性。このまま冷暗所で1番置きます。(スパイス混ぜるの大変そう…)

この日の夜、買ってきたワインに蜂蜜と水を混ぜて飲んだが、こんなに頑張らなくてもこれだけで十分では。と思い始める

明日も頑張ります。

2.ナツメヤシの準備

昨日炒っておいたナツメヤシを削る。実も10分の1カット。
この後、実をワインに浸す工程があり、酒税法的にグレーか?とも思いましたが、スパイス準備する間だけだし!すぐ使うし!と言い聞かせて作業を進行

たぶん、当時のナツメヤシはカッチカチだったのでこの工程があるんだろうと思うんですが、現代のものは割と水分が残っているので浸さなくてもいいだろうな、とは思います。

隠し味にもならない気がする分量

3.スパイスを計量して混ぜる

0.1グラムを測るためだけに量りを買うのはなぁ…と思っていたところ、救世主現る。

0.1cc計れるスプーン~(0.1cc≠0.1gだけど)

マジでありがたい。これでマスティックとバレリアンをなんとなく計量。
※マスティックは冷蔵庫で冷やして固くしてからすりつぶしたものを計量しています。

その他、胡椒、サフラン、炒ったナツメヤシの種も10分の1カットします。

スパイスを盛った様子。ほぼコショウ。

余談1:バレリアンの風味

バレリアン、サイトには「風味が強いので基本的にはブレンドして使う」とありましたが、たしかにひとかけらでも十分香りが感じられます。

水に二欠片くらい入れてバレリアン水として飲んだのですが、香りはかなり官能的というか、表現しづらいが、どことなく心惹かれる香り。印象的にはムスクに近い。(香り自体はムスクとは全く違うが、どことなくうっとりする感じが似ている)

余談2:削れないナツメヤシの種

今回一番苦労したのがナツメヤシの種を削る作業。
すり鉢がないため、包丁で頑張ってみたものの、これくらいが限界だった。たぶん15分の1くらいにはなっているはず。(本当は10分の1必要)

努力の跡。

4.液面のアクをすくったワイン風味蜂蜜にスパイス&ナツメヤシを投入して混ぜる

計量したスパイス類と、ナツメヤシを投入。

投入前にこの状態の蜂蜜の味をみたのですが、ちょっとリンゴのようなニュアンスも感じられて、ハチミツというよりはキャンディみたいな印象。遠くにワインの風味がいるような気がするかも?という印象です。

粘性が強く、うまく混ざらなかったので、レシピの手順にはなかったのですが、弱火で少し熱を入れました

少し加熱して蜂蜜を柔らかくして混ぜました

これでスパイス入り蜂蜜の完成!
これにワインを加えてConditum Paradoxumの完成となりますが、ここであらためて酒税法について申し上げておきましょう。

この「スパイス入り蜂蜜」を、ワインと混ぜた状態で「保管」するのは酒税法に引っかかります。全量飲めない場合は、スパイス入り蜂蜜の状態で保管しておき、適宜ワインと混ぜて飲んでください

酒税法についてざっくりと

酒税法においては、お酒に別の何かを加えることは、新しく酒を造ることとみなされます。お酒を造るには免許が必要なので、免許のない人が行うのは違法となります。

例外として、
アルコール度数20度以上の、酒税が課税されたお酒を使い、酒税法で禁止されている品目(穀類やブドウなど)以外を混和する場合は、例外的に製造行為としない、としています。
例えば梅酒など、家庭で造る果実酒はこれに該当します。

しかし今回はワインなので、どう考えてもアルコール度数20度以下です。
ただこの場合にも、「自ら(家族含む)消費するために、飲む直前に混和するのはOK」という規定があります。

例えば自分は、自宅でたまに日本酒にサイダーを混ぜて飲んでいますが、これは「自分が飲むため」「飲む直前に混ぜる」を満たしているのでOK。
でも、日本酒とサイダーを混ぜた状態で瓶に入れて冷蔵保管しておくのはNGとなります。

5.スパイスシロップにワインを加える

今回のレシピ通りに作ると、ワインとスパイス蜂蜜が2:1の、超甘口スパイスワインが300mlくらいできることになります。

これはさすがに甘すぎるので、水で割って飲むことになるだろう、ということを考えると、半分で割ったとして約600ml。さすがにこれは一日では飲み切れない=酒税法違反!となってしまう。

そのため、レシピ分量の3分の2で作成することにしました。3分の1のスパイス蜂蜜を鍋から取り出し、(目分量)、「後から加えるワイン」の3分の2を鍋に入れて完成させました。

ワインは少しずつ入れると混ざりやすいです。

6.濾して完成

このあとコーヒーフィルターで濾したのですが、時間がかかりすぎるので、もっと粗い目のものを利用したほうが良いです。(布巾だとサフランの色がキレイにつきますので、汚れてもいいもので。)

このあと、濾す速度を上げようとコーヒーフィルターをいじっていたらフィルターが破れてやり直し。
結局、「元のレシピは木炭入れてたんだから濾してるわけじゃないし、別にスパイスが入っててもいいんじゃね?」という発想に至り、途中からコーヒーフィルターを使用するのを止め、スパイスを取り除きながら完成させました。

コーヒーフィルターが破れる前の写真

そうしてようやく完成したのがこちら!

じゃーん!(これは数年前にリリースされた風の森の容器)

味わいのレポートは次の『試飲編』で。

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