漫画家アシスタント物語 第8章 〈3〉 新米店主、早くも詐欺被害!
《 写真上: マッサージ店の玄関脇に置かれたウサギの置物。右の木彫り人形はタイから持って来ました。額に入った小さな青いウサギの絵は、友人のイラストレーターのO氏が描いてくれました。お店のトレードマークです 》
< この8章〈3〉は、文庫本約8ページ分 >
「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
ただし‥‥
はじめての方は、「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
その5
《 漫画家アシスタントが・・・代金支払いに追われる! 》
アシスタントの仕事が休みの日には、マッサージ店( ※参照 )の開店準備に走り回り、多くの業者さんとの打ち合わせに忙殺されました。
エアコンの設置が3台。 ダイニングから全ての個室にカーペットを敷き、ウィンドウ、押入れ、壁の一部などには、壁紙の代わりにカーテンを貼る。
応接セットに観葉植物、100枚以上のタオル類( ※参照 )や着替えなどの用具入れ、さらに洗濯機や空気清浄機、全室へのステレオ設備など‥‥
『 金を稼ぐどころか、払ってばかりじゃないかよ‥‥! 』
商売で稼ぐつもりが、何やら毎日‥‥ お金を払う事ばかりが続き、街を歩いていると全ての人から「 代金 」を請求される様な怖さを感じたものです‥‥
『 これで失敗したら‥‥ オレの人生はいったい何だったんだろう‥‥ 』
暗い顔をしながらも‥‥ 開店間際には、アシスタントの仕事が終わると池袋のお店へ出かけて、一人でせっせと室内のインテリアやライトアップなどの軽作業に励みました。
漫画とはまるで違う作業に戸惑いの連続だったのです‥‥‥‥
それでも、新聞広告や情報誌広告( ※参照 )、ホームページなど、集客の準備には随分とお金( 全広告経費は50万以上 )を掛けましたから開店日からお客さんがゼロになる事はないだろうと自信を持っていました。
開店日にはカミさんの友人であるセラピストさん( タイ人女性マッサージ師 )が3~4人来てくれましたし、店番のママさんをやってくれる日本語が達者なタイ人女性もいましたので、私は秋山プロ( ※参照 )で何も心配する事なくアシスタントの仕事が出来たわけです。
開店初日の売り上げは6~7万円( お客さん7~8人 )だったと思います。初日としてはまあまあでした。( 友人、知人が花束を持って来てくれたりしました )
こうした民間治療施設は、最初はお客さんが少ないのですが、徐々にリピーターが増えていくので、あまり心配はしないこと‥‥‥‥ そう、聞いていましたので、先行きを楽観していました‥‥‥‥
ところが、翌日のお客さんは‥‥‥‥ 2人だけ‥‥‥‥
次に日は‥‥‥‥ 1人‥‥‥‥
その次の日は‥‥‥‥
開店日に来てくれたお客さんのほとんどが、セラピストさんの知り合い( ご指名客 )ばかりだったのです‥‥!
新聞広告を見て来てくれた人は‥‥‥‥ 1週間で4人だけ!
新聞広告代で割ると‥‥ 1人のお客さんを呼ぶのに10万円かけた事になります‥‥
『 何じゃあああああああ! 新聞はぁあああああああっ! 』
新聞広告による実害は‥‥
実は‥‥ こんなもんではなく‥‥‥‥

その6
《 漫画家アシスタントが・・・押し売りに泣かされる! 》
お店を開店して1週間‥‥
この間、新聞広告の効果がまるで無かった事は前回書いた通りなのですが‥‥
実は、短期間に多くの広告を出したために私自身が詐欺的商法( ※参照 )に遭うはめになりました‥‥
「 広告の契約ありがとうございました、さっそくですが‥‥ 料金の方を‥‥ 」
‥‥という電話がかかってきたのです。
会社名は聞き覚えがなかったのですが‥‥ それは‥‥ 私が、うっかり忘れているのだと思ってお金を払ってしまったのです。( 金額は2~3万円、実際に業界紙に広告が出たのですが‥‥ )
しかし、後で考えれば「 業界紙 」などには頼んだ覚えがないし、契約書もない‥‥‥‥
開店前後の新聞広告を出した頃から、毎日数件、似た様な電話がかかる様になりました。
何も契約などしていないのに‥‥
「 スペースを確保しましたので、代金の支払いをよろしく‥‥ 」
‥‥などと電話してくるわけです。
「 そちらとは何も契約なんかしてませんが‥‥ 」
「 社長さん‥‥ そりゃありませんよぉ‥‥ うちだってやっとスペースを作ったんですから‥‥ 」( 院長先生なんて呼ぶ場合もある )
「 頼んでなんかいませんよ! 」
「 社長さん! 勘弁して下さいよぉ‥‥ うちだって商売なんですから! 今更キャンセルなんて出来ませんよ! 」
「 だから、契約なんかしてません! 」
こうした電話が朝から晩まで色々な所( 電話番号や人物が違う )からかかって来て、さずがにウンザリさせられたものです‥‥‥‥
中には‥‥
「 しゃ‥‥ 社長さ~ん、『 契約してない 』なんてヒドい事言わないで下さいよ~! 私、クビになっちゃいますよ~! 」( 苦しそうに )
などと泣き落としにかかるタイプまで出てきました‥‥ お客さんからの電話は全然無いのに‥‥ こんな詐欺と、押し売り電話( ※参照 )ばかりで、私の方が泣きたくなっちゃう有様でした‥‥‥‥
しかし、中にはまったくデタラメな奴もいて‥‥ 私がしつこい電話に「 これは脅迫じゃないか? 」と詰問した時に‥‥
「 脅迫してるのは、社長さんの方でしょ! 料金払って下さい! 」
頭にきた私は‥‥
「 さっきから、社長、社長って‥‥‥‥ その社長( 私 )の名前を言ってみろ! 」
「 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥社長さん‥‥‥‥ 」
「 だから、その名前は? 」
「 ‥‥‥‥‥‥タイマッサージ店の社長さん‥‥‥‥ 」
「 社長の名前だよ‥‥な、ま、えっ! 」
「 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 」
「 相手の名前も知らずに契約したのかよ! 」
「 そ‥‥ そりゃ‥‥ お互いの‥‥ お互いの信頼関係で‥‥‥‥ 」
シドロモドロになってきたところで‥‥ 私は電話を切る。
どうも連中は、新聞広告を見て屋号と電話番号を元に片っぱしから「 押し売り電話 」をしている様でした。
こんな電話に毎日おびえ‥‥ お店の電話が鳴ると‥‥‥‥
「 まただ‥‥‥‥ 」
などと、暗い気分になるのでした‥‥‥‥ せめて‥‥‥‥ その半分でもお客さんからの電話なら‥‥‥‥
さて、数え切れない程の「 押し売り電話 」を受け、我慢できずに「 着信拒否 」( ※参照 )ができるファックス電話を購入。 多少効果があったとは思いますが‥‥‥‥ 最大の効果をあげたのは‥‥
「 新聞広告 」( 1ヶ月ほどで )を止めた事でした。 それだけで、その後6年間‥‥「 押し売り電話 」はただの1件もありませんでした!
漫画家アシスタントの店舗経営、血の教訓
『 悪い奴ほどよく新聞を読んでいる! 』
「 漫画家アシスタント物語 第8章〈4〉」へつづく・・・・
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~~~ 参照 ・第8章〈3〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
【その5】
・タオル類 : 普通のタオルではすぐに傷んでしまうので、特別注文で作った浴用タオル、バスタオル(まとめ買いで1枚500円ほど)。お店ロゴ入り。
・情報誌広告 : 無料配布式の地域情報月刊誌、飲食サービス業の宣伝本。月刊誌への掲載料は一回で4~6万円‥‥ただし、名刺程度のスペース。
【その6】
・詐欺的商法 : 最近、話題になっている「貴方の俳句を掲載したい」などと騙して、掲載料金を請求する詐欺と似ている「広告代金請求詐欺」。
・押し売り電話 : 新聞広告欄を一括で契約し、それを小分けに押し売りする詐欺的商法。ただし、実際に専門業界紙に広告が出るため、「詐欺罪」が成立するかどうかは不明。新聞社は「広告欄」のトラブルには、一切関与しない‥‥「広告の内容とウチの新聞とは関係ありません」だそうです。
・着信拒否 : 特定の電話番号を自動で受信拒否できる機能。「ナンバーディスプレイ」などの機能も併用して迷惑電話を処理する。
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