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漫画家アシスタント物語  第8章 〈24〉 お店の最後がやって来ます!

 
《 写真上:2011年、改装工事が終わった池袋の西口前です。以前ここは、タクシー乗り場やバス停だったのですが、今では小奇麗な広場になりました 》
              < この8章〈24〉は、文庫本約10ページ分 >

  
 

「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
 
ただし‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
 
 

さて‥‥ 本文の前に‥‥ ここで‥‥‥‥
 

「漫画家アシスタント物語」のマガジンを複数購読してくれた方を紹介させてください。  ぷにょさん ‥‥‥‥‥‥ ありがとうございました!

以下の記事は、ぷにょさんの作品の中でも、お薦めの一作です‥‥

 
 
 
 
 
               その47  
  
   《 漫画家アシスタントが・・・経営限界に・・・!? 》
 
 
2008年4月にこのブログを書籍化した「 漫画家アシスタント物語 」( ※参照 )が出版され、初版が1ヶ月で完売し翌月には1万部の増刷、3ヵ月後には5万部‥‥‥‥ などという奇跡が起こるわけはなく‥‥‥‥
 
やっとこ、さっとこ‥‥ 出版にこぎ着けたものの、売れ行きはイマイチで‥‥‥‥ 出版後からもう3年以上になるのに、まだ初版本( 5千部ほど )が売れ残っている有様です。( ちなみに、2025年にも売れ残りがありました )
 
このブログ( 旧gooブログ、noteブログ )にも書いてあるのですが、本の印税のほとんどはジョージ先生への古い借金返済に消えてしまいました。
 
ただ、運良く去年( 2010年9月 )コンビニ販売専用として改訂版が出版された時の印税( お礼金20万円ほど )が入ったのは嬉しかったですが‥‥‥‥
 
もっとも、このブログを読みながら単行本の印税というものが相当高額なのだろう‥‥‥‥ などと考えている方々の期待と夢を裏切るようで、大変に心苦しく‥‥‥‥ でも、そんなもんなんです。
 
さて、私の方はブログの書籍化からラジオ出演( ※参照 )、旧作の「 覇王の船 」の単行本「 蟹工船・覇王の船 」の出版と絶好調だったのですが‥‥ お店の方は、相変わらずの低調でした。( ラジオ出演の録音データは、第9章で公開の予定 )
 
お店で一番の人気マッサージ師サニヤさん( ※参照 )とも別れの時がやってまいりました。
  
彼女の事は以前、ライバルとの争い事から相手がお店を辞め、仕返しに大勢のスタッフを引き抜きにかかった件で書かせていただきました。( 「 第8章〈12〉 」 )
 
うちのお店にとってはナンバー1の大黒柱だったのですが‥‥‥‥ これも些細な事が契機となって関係が破綻します‥‥‥‥
 
毎日、マッサージのスタッフたちを疑いの目で見ていたママさんは、すっかりお店の経営に疲れていました。
 
「 このコ( マッサージ師 )が携帯で話しているのは、他のお店のオーナーだわ‥‥ 」( 以下、タイ語による会話 )
‥‥とか
 
「 彼女は独立するために、お店のお客さんを皆連れて行ってしまうつもりかも知れない‥‥‥‥ 」
さらには‥‥
 
「 あの二人は仲が良すぎる‥‥ きっと、一緒に他の店に行ってしまうかも‥‥ 」
 
疲労と疑惑ですっかり笑顔も消え、顔つきまで昔とはすっかり変わってしまいました。( 年齢的な問題もあったかもしれません )
 
いつも、怒りっぽくなり些細な事でも大きな声で怒りを爆発させる様になります‥‥‥‥ そして結局最後のセリフが‥‥‥‥
 
「 もうお店を止めたい‥‥‥‥ 」
 
そんな時に、サニヤさんが自分の荷物を整理しているのを見て‥‥‥‥
 
「 サニヤはお店を止める気でいるのよ‥‥ 」
 
と、疑念を抱いたわけです‥‥‥‥( 過去の経験からそう思うので、あながち疑り深いともいえませんのです )
 
数日後には、その疑念が確信に変わります‥‥‥‥ 二人の関係は口も利かない冷たいものになっていました。
 
「 毎日、常連客の携帯番号を調べて、全ての客を持って行ってしまうつもりよ! 」
 
疑惑と困惑‥‥‥‥ しかし、それでも‥‥ まだ‥‥
 
ここで、充分に話し合いが出来ていれば、誤解は解けたと思うのですが‥‥ すでに、お互いが相手の言っている事をまるで信じないのですから、会話が成立しません。
 
決定的な事件はサニヤさんへの指名電話があった時に起きました‥‥‥‥
 
「 明日の夜‥‥ サニヤさん、指名でお願いしたいんですが‥‥ 」
 
常連のお客さんからの電話に‥‥ ママさんは、もうサニヤさんが辞めるのだと決めつけ( まだ、仕事をしているのに )‥‥‥‥
 
「 サニヤはもう辞めましたよ 」
 
ママさんは、常連客とサニヤさんが接触するのを恐れてウソを言ったのです‥‥‥‥
 
そして、この事はすぐにこのお客さんからサニヤさんの携帯に連絡があり、バレテしまうのです‥‥‥‥
 
「 ママ! なぜ、私が辞めたなんて嘘を言うのよっ! 」
 
ここで、素直にママさんが謝っていれば良かったのですが‥‥‥‥ これが女の意地というものなのか‥‥‥‥
 
「 私は知らないわよ、そのお客さんがウソを言ってるのよ! 」
‥‥と応酬したので、二人の関係は完全に終わってしまいました。
 
 
サニヤさんがお店を去る時に、そっと私に別れの挨拶をした時‥‥‥‥
 
彼女が前からお店を辞めるつもりでいたとは、とても思えないほど寂しそうでした‥‥‥‥。
 
私がお店の経営を止めようと決めたのは、この後でした‥‥‥‥

 

 

 
 


池袋西口、立教大学通りへのびる地下通路。10数年前には、ただの通路だった場所がデパートの地下食品街の様に明るくオシャレに改装されました。賑やかな雰囲気で、通行人が途絶えません。

 
               その48 
  
   《 漫画家アシスタントが・・・ゴミになる・・・!? 》
 
 
ブログにゲームにオークションに‥‥ こちらが飽きれば、あちらに‥‥ あちらが飽きればこちらに‥‥‥‥ 留まる事がありません。
 
私が作り、経営したお店から撤退する頃には毎日の様に‥‥
 
「 いつもパソコンばっかり! 」
‥‥と、カミさんに小言を言われていました。( チェンマイに暮らす今でも同じですが‥‥ )
 
 
お店を経営する時のトラブルについては、いろいろと書いてきたつもりですが‥‥‥‥ 最終的には、そうしたトラブルの結果から来るストレスに耐えられなくなっていたのです。
 
お店を辞める時にマッサージ師さんから
 
「 学校の先生やるから辞めるデスカ? 」
 
などと訊かれた事がありますが、漫画家アシスタントと学校の先生( ※参照 )とお店とブログ運営‥‥‥‥ 能力もないのにどんどん仕事を増やしていくわけにもいきませんでした。
 
カミさんのストレスも限界にきていましたし‥‥‥‥ これが「 潮時 」か‥‥‥‥と。
 
赤字経営で多額の借金を背負い、火だるまの様になって店を閉める人が大勢いる中で、ほとんど無傷( おまけに貯金付 )で撤退できるならラッキーな方だとも思いました。
 
幸いな事にお店を止めようと考えた時に、経営をそのまま引き継いでくれる人が出てきてくれました。
 
彼女は、以前お店に務めていたマッサージ師さんですが、独立を考えていたらしくお店を閉めるなら自分が引き継ぎたいと‥‥‥‥
 
私は、よく知らなかったのですが‥‥‥‥ こんな普通のマンションの奥まった一室にあるお店を「 売り買い 」できるとは驚きでした。( 一般に「居抜き」というそうです )
 
たいした金額ではありませんが‥‥‥‥ それでも、次の住居へ引っ越す時の費用にはなりました( 約60万円、お店によっては数百万円になるとか )。
 
通常、お店を引き払ってから原状回復するのに相当な手間と費用がかかるのですが、その分がかからずに済んだので助かりました。
 
何よりも務めてくれていたスタッフが全員、そのまま新しい経営者の元で仕事ができる事が私にとってはとても嬉しい事でした。
 
今でも、良い時に退く事が出来たと思っています。
 
見捨てられるのではなく、迷惑をかけるのでもなく‥‥‥‥ 本当に惜しまれつつ後始末が出来た事はとても幸いでした。( 撤退後の抑鬱や後悔などといったものもありませんでした )
 
その後、カミさんの毎日の様にあった頭痛や腰痛、肩こり、そして怒りっぽい癇癪かんしゃく症もウソの様に消えてしまいました。( ホントに2~3か月ほどで鬼から仏に‥‥! )
  
 
話は変わりますが‥‥
 
世の中というのは結局‥‥‥‥ 持てる者が富み、持てない者は奪われるのだという事がしみじみと感じたというお話です。
 
実は、マンションの賃貸料の事なのですが‥‥‥‥
 
お店と住居用に借りていたマンションの家賃( 二部屋分 )は一カ月で約34万円だったので、利用していた5、6年間に支払った総額は礼金、更新料、手数料、保証金を含めて軽く2200万円を越えます。( この古いマンションが一部屋買える金額! )
 
マンションを出る時には、不動産店からも、管理人からも、オーナーからも、一言の「 お礼 」もない‥‥!

5年間で2200万円払った客に「あんがと」の一言すらない!

何度も書きますが‥‥ 2200万円払っても何も残らない‥‥ ただのゴミ袋( 出がらし )の様にマンションから吐き出されるだけです。
 
いつも、朝、このマンションのゴミの管理人が不燃物やらビン缶などの仕分けをするる姿をボンヤリと見ていたものでしたが‥‥‥‥ 結局、自分がゴミのように仕分けられるとは想像もしていませんでした。
 
まぁ‥‥ いいさ、いいさ、どうせ俺は池袋のゴミですよ‥‥‥‥ってなセリフが出そうな芸術劇場通りの午後‥‥ 小さな不動産店のガラス戸を出て池袋駅へ向かいます‥‥‥‥
 
 
東京、板橋にある古いマンションの一室から、埼玉県蕨市の3階建ての軽鉄骨マンション( 一階がコインランドリー )に引っ越した私は、漫画家アシスタントと学校の先生という「 二足の草鞋わらじ 」を履く事になります‥‥‥‥

次回の「第8章〈25〉」で「第8章」を終わりたいと思います。
 

 
 

        「 漫画家アシスタント物語 第8章〈25〉」へつづく・・・・

                    「第8章〈23〉」へもどる‥‥

                    「もくじ」 へ‥‥

 


 ~~~ 参照 ・第8章〈24〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
 

 【その47】
・書籍化した本 : 拙ブログ「漫画家アシスタント物語」をマガジン・マガジン社が2008年4月に出版。2025年現在も初版分(!)を販売中。
・ラジオ出演 : 2008年7月、TBSラジオの「安住紳一郎の日曜天国」にゲスト出演。漫画家アシスタントの仕事について30分間インタビューされる! この録音データは、このnoteブログでいつか公開する予定です!
・サニヤさん : 仮名、26歳のアイドル風タイ人女性。私が経営したタイ式マッサージ店で指名№1の人気マッサージ師。すごく優しい人でした。
 【その48】
・学校 : ブログやラジオ出演が契機になって、美術系大学のマンガ科で背景画を教える技術実習の非常勤講師に招かれる。2009年~2016年まで。
 
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