漫画家アシスタント物語 諦めま章〈10〉 奥様の浮気調査は甘くない!
《 写真上: 秋山プロにある誰の物とも知れぬラジカセ。20年以上放ったらかしの代物で誰ひとり触れようとする者さえありません。本来なら、ラジカセは濃いオレンジ色、床はウッド調なのですが‥‥‥‥ 2012年3月撮影 》
< この諦めま章〈10〉は、文庫本約9ページ分 >
「諦めま章」は、独立した「章」ですので、「第9章」の続きではありません。 ほとんどは、雑多な回想ですが、一部連続していますので、やはり、「諦めま章〈1〉」からお読みになる事をお勧めいたします。
それから‥‥
はじめての方は、「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
その19
《 漫画家アシスタントが・・・秘密の相談を受ける!? 》
今回の有名漫画家A先生の下半身の話と言っても‥‥‥‥ 随分と昔の話ですので、有名漫画家とはいえ若い方は知らないかも知れません。
そこで、この漫画家と一緒に、その話をしてくれた二人のアシスタント‥‥ Yさん、Kさんについても話しておきたいと思います。
週刊誌の連載を何本も持ち、売れっ子漫画家としてマスコミにも騒がれる‥‥ まだ30歳そこそこのA先生。
そして、その先生に師事する二人の若者( 20歳ほど )‥‥ アシスタントは全員で4~5人ですが、その中でも年長のKさんとYさん。
今回は、Yさんから聞いたこの先生の、人物像を表すエピソードから紹介したいと思います‥‥
まず‥‥
この漫画家A先生は、自宅とは別に小さなマンションの一室を仕事場にしていました‥‥
1970年代の始めでは、マンションの一室を仕事場にできる漫画家は、それほど多くはなかったと思います。
‥‥‥‥まだまだ、木造モルタルアパートが主流の時代でした。
Yさんが、関西から上京して、漫画家アシスタントを始めた頃‥‥ まだ18歳だった頃です‥‥
仕事場があったマンションの、先生の個室で話していた時‥‥‥‥
スケベ話か何かを話している時に例の淫語‥‥ 「 オマ○コ 」を先生が口にしたのですが‥‥
Yさんは意味がわからず‥‥
「 オマ‥‥‥‥ ン‥‥? 」
「何だよ‥‥‥‥ お前、オマ○コ知らないのかよ?」
Yさんは、関西出身で東京とは違う淫語を使用していたようで‥‥ まったく「 オマ○コ 」という言葉を知らなかったのです!
「 ‥‥え? ‥‥‥‥何ですかぁ? 」
「 ホントに知らないのかよ? 」
「 はぁ‥‥‥‥ 」
「 バカヤロウ‥‥‥‥ 女のアレって意味だよ! 」
漫画家A先生は、笑いながら‥‥‥‥ 黒い太マジックインキで壁( 仕事部屋の白壁 )に大きく‥‥(!)
『 オ マ ○ コ 』‥‥と殴り書き!
「 ‥‥‥‥だよっ! 」
Yさんは、先生が、部屋の白壁のド真ん中にその言葉を太マジックでデカデカと乱暴に書き散らすのを呆然と見守ります‥‥‥‥
‥‥‥‥これには、随分と驚いたそうです。
「 小池君、壁だよ‥‥‥‥ 壁に書いちゃったんだよ! 驚っどろいたよな~~っ! 」
ちなみに‥‥‥‥ 現在の仕事場には‥‥‥‥ 以前、先生の自宅だったマンション( 約70㎡ )ですが‥‥‥‥
押入れ、クローゼットなどに赤いスプレーインキでデカデカと意味不明の落書きが描かれています‥‥‥‥。( このエピソードは後に謎が解けてnoteブログ「チェンマイ淡々通信16」に公開 )
さて‥‥
2010年頃だったかと思います。 Yさんが私に40年近く昔の話を聞かせてくれたのです。
「古い話だし、もう‥‥ いいかなぁ」‥‥といった感じで。
その秘密めいた話は‥‥‥‥
この漫画家A先生の奥さんからYさんがある相談を受けた事から始まります‥‥‥‥
いつもは、新鮮なフルーツの様に明るい奥さんが‥‥‥‥ 深刻に、ゆっくりとYさんに語り始めそうです‥‥ この頃、奥さんは30歳位で、Yさんは20歳になっています。
暗い表情で奥さんが‥‥
「 Y君‥‥ ひょっとして先生さぁ‥‥ 浮気してるんじゃない? 」
先生とは同世代で、デビュー前から苦労を共にしてきた奥さんから真剣な表情で訊かれたわけです‥‥‥‥
「 ‥‥はぁ‥‥‥‥? 」
してるに決まっているのですが‥‥‥‥ 当然、驚いた様なフリをして‥‥ トボケようとします‥‥‥‥
「 ‥‥してないと思いますけど‥‥‥‥ 」
アシスタントのそうした答えを最初から予想していた様に‥‥‥‥
「 本当に‥‥? 」
まっすぐこちらを見る奥さんの顔に‥‥‥‥ うつ向いたまま‥‥ うなずき返します‥‥‥‥
だが‥‥‥‥ 動揺しつつも否定を続けるYさんに‥‥ 追及は止まりません‥‥‥‥
「 知ってる事があったら教えて欲しいなぁ‥‥‥‥ 」
Yさんは、漫画家A先生が何度か仕事場に女を連れ込んでいる事を目撃したことがある‥‥‥‥
でも、そんな事言えるわけがない!
『 こりゃ‥‥ 言えない‥‥‥‥ 嘘つくしかない‥‥‥‥ 』
先生のためではなく、「 奥さんのために‥‥ 」Yさんが、そう、覚悟を決めた瞬間でした‥‥‥‥
奥さんが悲しそうに‥‥
「 先生のゴミ箱を掃除していたらね‥‥‥‥ 」
「 ‥‥はぁ‥‥‥‥ 」
「 コンドームが出てきたのよ‥‥‥‥ 」

その20
《 漫画家アシスタントが・・・同じ相談を受ける!? 》
「 小池君、奥さんから内輪の事を相談されるなんて、俺は内心‥‥ 嬉しかったよ‥‥‥‥ 」
40年近く前の事を、ハッキリとした口調で語ってくけたYさん‥‥‥‥
「 だって、俺ぁアシスタントだよ‥‥‥‥ そんな俺に奥さんが相談してくれたんだよ‥‥ 」
そんな気持ちから‥‥
「 先生は‥‥‥‥ 良くないよなぁ‥‥‥‥ 俺さ‥‥ そん時、奥さんの味方になろうって‥‥ そう思ったんだよ‥‥‥‥ 」
こうして、仕事場のゴミ箱からコンドームが出てきた事を告げられ‥‥‥‥ 追い詰められたYさん‥‥‥‥
もはや‥‥‥‥ 誤魔化しようがないと観念し‥‥‥‥‥‥
「 奥さん‥‥ 実はねぇ‥‥‥‥‥‥ 」
Yさんは、自分が知る全ての事を事細かに告白したそうです‥‥‥‥
もちろん、この事は、漫画家先生も他のアシスタントたちも誰も知りません。
この事が原因したのかどうかは分かりませんが‥‥‥‥ 先生と奥さんの間で以下の様な出来事が起こったそうです‥‥‥‥
離婚を覚悟した奥さんは、浮気先から帰宅した旦那( 有名漫画家A先生 )に朝帰りの朝食を作ってテーブルの上に並べます‥‥‥‥
前日に作ったカレーライスの残りだったそうですが‥‥‥‥‥‥
『 これが、この人に作る最後の料理になるのかしら‥‥‥‥ 』
自分が離婚を決意しているとも知らずに‥‥‥‥ ダイニングルームのテーブルに、旦那が黙ったまま‥‥‥‥ 一人でモクモクと残り物のカレーライスを食べている‥‥‥‥
何も知らずに‥‥‥‥
汗をふきふき、ただ黙々と昨日のカレーライスを‥‥‥‥‥‥
そんな旦那を見ていると‥‥ ふと‥‥‥‥ 自分が深刻になっている事が‥‥‥‥ 急に馬鹿々々しくなってしまい‥‥‥‥‥‥
一緒にカレーライスを食べ始め‥‥‥‥
そして‥‥‥‥‥‥
離婚するのを止めてしまった。
そんな後日談を、後になってから人伝に聞きました‥‥‥‥
さて、次に‥‥
もう一人のアシスタント‥‥‥‥
Kさんですが‥‥ 彼は、Yさんよりも3歳年上で同時期( 1969年頃 )にこの漫画家A先生のアシスタントになった人物‥‥‥‥
Yさんが丸々とした好人物なら、このKさんは長身で細面の色男‥‥
細身のKさんが、最近( 去年、2012年、Kさん62歳 )私に語ってくれたのですが‥‥‥‥
それが、Yさんと同じ‥‥ この先生の浮気に関する話でした‥‥‥‥
Kさんは、まだ誰にも喋っていない秘密の話を告白する様に‥‥‥‥ 静かに話し始めます‥‥‥‥
「 小池ちゃん、俺さ‥‥ 奥さんから‥‥‥‥ 先生の浮気について訊かれた事があったんだ‥‥‥‥ ここだけの話だよ‥‥‥‥ 」
「 奥さんからぁ‥‥? 」
私は、何だか以前Yさんからも同じ様な話を聞いた事があるような‥‥‥‥ 興味津々、その話に耳を傾けました!
( ちなみにKさんが語る「 ここだけの話 」を私がネットで書いてしまっている事を、どう謝罪したらよいか‥‥‥‥ まったく分からず‥‥‥‥ 絶交されるかも‥‥‥‥ などと怯えつつ現在、キーボードを打っております‥‥ )
「 奥さんがね‥‥‥‥ 先生、浮気してないかって‥‥‥‥ 」
「 はぁ‥‥‥‥‥‥‥‥ 」( Yさんの話と似てる‥‥ )
「 浮気してます‥‥‥‥ なんて絶対言えないよな~! 」
「 ホントに‥‥‥‥ 喋ってないんですか? 」
「 小池ちゃん、言うわけないじゃないかっ! 」
Kさんは、キッパリと‥‥
「 奥さんからの相談でも、これだけは‥‥‥‥ 絶対に言えないよ! もし、言ったら大変だよ! 」
「 その後も‥‥‥‥ 言ってないんですか‥‥‥‥? 」
「 言ってないよ! 俺は絶対、言わないよ~っ! 」
どうも‥‥‥‥ 奥さんは、Yさんに話す前に‥‥ このKさんに話をしたらしい‥‥‥‥
それも、秘密の話として‥‥‥‥ Kさんは、この話を誰も知らないと思っている様子‥‥‥‥ そこで‥‥ 私は‥‥‥‥
「 Kさん‥‥ 実は‥‥‥‥ 同じ様な話をYさんからも聞いたんですが‥‥‥‥ 」
「 ええ~~っ?! 」
「 漫画家アシスタント物語 諦めま章〈11〉」へつづく・・・・
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