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漫画家アシスタント移住物語  22   先生、弟子が来ました!

 
《 写真上:2023年5月、ジョージ先生のお墓参り、三回忌に4人で墓前へ 》

 
 
 

            こりゃタイ編 その22

 
今年、5月に行ったジョージ先生のお墓参りについて・・・・

私は5,6年ぶりに日本へ帰りました。 たった4、5日でしたが‥‥ 親しい人たちと、お会いする事が出来、とても貴重な時間でした‥‥‥‥

特に先生の墓前へ挨拶に行けた事は‥‥‥‥ いろいろな意味で忘れることの出来ない思い出でになりました‥‥‥‥
 

漫画家ジョージ秋山は2020年の5月に病気で亡くなりました‥‥‥‥ それから丁度3年目になるわけです‥‥‥‥

その日、2023年5月23日‥‥‥‥ 東京東中野‥‥‥‥

数年ぶりに元秋山プロのスタッフが4人顔をそろえました。

秋山プロ最初の内弟子であるウイタ氏( 仮名:71歳、69年に17歳で弟子入り )は、今でも現役のフリーアニメーター。

私に風俗やキャバレー遊びを教えてくれた先輩の羽賀氏( 仮名:72歳 )。

サラ金問題では随分苦労したテラ氏( 仮名:71歳、今も石神井公園で絵を描いています )。

そして、私‥‥‥‥ この4人( 皆さん、「 漫画家アシスタント物語 」のレギュラー陣 )。

他にも岡山県やら、広島県に住んでいる元スタッフがいるのですが、遠くからわざわざ来てもらうわけにもいかず、とりあえず、この4人で師匠のお墓参りをする事になりました。

 

左側の建物が先生のお墓がある東京中野区の某寺院です。お寺の背後奥に墓苑があります。

 

お寺の入口です。正面がお寺で、左側に幼稚園があります。


お寺の正面玄関です。左側には墓苑に入る道があり、水桶が並んでいます。

   

お墓探索中の元スタッフの面々、最初はバラバラに‥‥ 次は隅から一つづつチェック。

    

自然葬の墓石の手前の方に先生の墓石が‥‥ 合掌してお参りする元スタッフ一同。しんみりと「先生、その節は‥‥」とか「先生、ご無沙汰してました‥‥」とか、元スタッフ一同拝礼‥‥


東京、中野区にある小さなお寺で、閑静な住宅街にあります。この場所は、誰も知りませんでしたので、私がご遺族の方からお聞きして皆でやって来たわけです。

バス通りの向かいには大きな回転すし店があり、いくつかの寺院が並んだ一角にそのお寺はありました。

私は、お聞きしていたその寺の名前を確認します‥‥

「 このお寺ですね‥‥ 間違いないと思います、ここですよ。 」

私は、お寺の門を指さして中へ入ろうするのですが‥‥ そこには、ガードマンがいて外を警戒しています‥‥‥

どうも、お寺の境内に保育園か幼稚園があるようで、常時、警備されているようでした。そこで、私たちは警備員に挨拶しながら本堂へ向かいました。横にある白い建物からは幼児たちのさわぐ声が聞こえます。

本堂の裏手が墓苑になっているのです‥‥ 先生の墓がどこか分からないので、お寺の住職さんにでも聞こうかと本堂の玄関を‥‥‥ しかし、そこには、人の気配がない‥‥‥‥

「すいませ~~ん」
「誰かいませんか~っ!」

しばらく待っても、声をかけても‥‥‥‥返事がない。( 玄関のカギは開けっ放しだが )

仕方がないので、自分たちで墓苑をウロウロと探し始めるのですが‥‥‥どういった区画で配置されているのか、まったく要領を得ないので広い墓苑を隅から探し始めました。

「 こりゃ広すぎるし、大変ですよ‥‥! 」( すぐ諦める小池 )

私と羽賀氏は、本堂へもどって住職が帰るのを待ちました。( 多分すぐ帰るだろうと‥‥ )キタさんと仲田さんの二人が広い墓苑を探し続けます‥‥

羽賀氏と二人で、どれぐらい雑談したか分かりませんが、しばらくすると外で声がする‥‥
 
「 お~~い 」
「 お~い、見つけたよ~、先生のお墓を見つけたよ~ 」
 
羽賀氏と私は、土間で立ち上がる‥‥
「 おぉ‥‥! 」
「 根性あるなぁ、あの二人 」

仲田氏とキタ氏に連れられて行くと‥‥‥ あった、あった。

確かに、それは「 秋山家 」のお墓でした。( よく見つけたものです )

さっそく、駅前の生花店で買った花を生けたり、お線香をあげようとするのですが‥‥‥

墓石が変わっている、普通の墓石ではない‥‥‥‥ どうも、生けたり、供えたりする容器がないし‥‥‥ だいたい、この墓石は自然葬というもので、数人の共同墓地になっている。( 先生の墓石の文字『 秋山家 』だけがやけに大きい )

まったく飾り気もない、とても小さな丸い墓石( それぞれに家名が刻まれている )が芝草上に並んでいる‥‥‥お墓の長屋みたいな感じなのである‥‥‥‥

先生らしいといえば先生らしいが‥‥‥ 思っていたイメージ( 大きな御影石の墓 )とはずいぶん違う。

「 派手な事や、虚飾的なことが嫌いだったからなぁ‥‥ 」
「 先生らしいな 」
「 ホントに小さいし、目立たない‥‥ 誰でも、この墓を見たら驚くだろうなぁ 」

さっそく、手を合わせる元スタッフ一同。

持ってきた花束を墓前に供え、それぞれ、先生と久しぶりの挨拶を交わします。

「 その節は、お世話になりました 」
「 先生、本当にありがとうございました 」
「 お参りが遅くなってすいませんでした‥‥ 」
「 先生のお陰で今までやってこれました‥‥‥‥ 」

それぞれが、それぞれの思いを先生に告げる‥‥‥‥

来る時とは違って、帰り道は皆、口数少なく寺を後にしました。

駅までつづく細い道が住宅の間を抜けていく、懐かしい昔話などしながら4人で歩いて行きました‥‥‥
 

その夜、私は先生のご遺族の方へ墓参りの報告のためにメールを送ります‥‥

「 本日の午後、先生のお墓参りに行かせていただきました。 」

ただ、私は少し疑問に思っていた事を質問しました‥‥

献花する台や線香を立てる場所のない事など、4人で墓地を歩く姿と、小さな墓石の写真と共にメールしたわけです‥‥‥

数分後に届いた返信メールには‥‥

「 あ‥‥違います‥‥ 」

私に送られてきたご遺族からの写真は、黒い大きな御影石の立派なお墓でした‥‥‥‥全然違う!

私は、笑いながら写真を確認し、3人の先輩スタッフたちへメールで知らせます。

私が東京にいられるのは3、4日だけでしたので時間がありません。すぐに正確なお墓の位置を地図に記してもらい、翌日一人でもう一度お墓参りへ‥‥( 先輩方は後日、それぞれに墓参されました )

次の日は、土砂降りの雨‥‥‥‥

改めて教えてもらった正確な地図‥‥‥‥

確かに、ほんの少しだけ場所が違う‥‥‥‥

 

左側が幼稚園とお寺、右側の道が墓苑への道でした‥‥

 

この細い道の奥に先生の墓苑がありました‥‥


雨は少し弱くなってきた‥‥

実際に、先生のお墓の前に立つと‥‥‥‥

やたらと寂しい。

シトシトと雨が降る中で、ただ寂しい‥‥

先生の事を、先生の顔を思い浮かべようとしても‥‥‥‥ 出てこない。

なぜか、先生の顔ではなく、誰もいない先生の仕事部屋ばかりが想い浮かぶ ‥‥‥‥

先生のイメージが全然湧かない‥‥ やはり、墓の下だの、空の上だのではなく、それぞれの人の心の奥にいるのではないだろうか‥‥‥‥

心の奥の先生が‥‥‥‥ ある瞬間に、小さな声で語りかけて来る‥‥‥‥ みたいな。

だから、私はそっと‥‥ 小さな声で‥‥

「 せん‥‥せ‥‥‥‥ 」

 
  
  
                    《 2023年7月:ブログ公開 》

 
 
 

               「こりゃタイ編 その23」 へつづく・・・・

                      「その21」 へもどる‥‥
 
                   「もくじ・こりゃタイ編」へ‥‥
 
 
 
 
 
 
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