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漫画家アシスタント物語  第8章 〈5〉 80の母は、なめ切っていた!

 
《写真上: 池袋に私が開いたお店があるマンションの廊下。廊下の左奥がエントランス。問題の人物はそこから来て、ドアの前に立ちチャイムを‥‥》
                < この8章〈5〉は、文庫本約7ページ分 >

 
 

「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
 
ただし‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!

 
 
 
               その9  
  
   《 漫画家アシスタントが‥‥マル暴対応にハラハラ! 》
 
 
 
『 Y組〇〇会‥‥ 』
 
男は、そう印刷された名刺を提示し‥‥ 充分に相手に見せつつ‥‥

相手とは、当日私の代わりにアルバイトで店長代理をしていた82歳になる私の母です。

当時は、70歳以下に見られるほど若くしっかりしていました。 母は、差し出された名刺を受け取ろうと手を伸ばすと‥‥
 
「 これ、差し上げることは出来ないんですがね‥‥ 」
 
そう言って、出した名刺を自分の名刺入れに戻しながら‥‥
 
「 社長さんにお会いしたいんですが‥‥ 」
 
老眼鏡をはずしながら‥‥ 母は‥‥相手から視線をはずさずに‥‥
 
「 今、いないんですよぉ‥‥ 」
 
いつ頃戻るのか尋ねる男に「 さぁ~ねぇ~ 」などとトボケながら‥‥
 
「 私の知り合いにはねぇ‥‥」
「‥‥‥‥?」
男をなめ切った態度で‥‥
「〇〇組の人がいるんですよぉ~ 」
 
 
私は、夜、お店に戻ってからその話を母から聞いて‥‥
 
「 母さん、そんな‥‥ 余計な事言わなくても‥‥ 」
 
たまたま、私とカミさんが外出中に、お店の留守番を頼んだ母がマル暴関係者との初遭遇となってしまったのでした。

たまたま、私が留守の時に来るとは想定していませんでしたので、母に前もってマル暴対応なんて話していなかったのです‥‥ しまったと思いましたが‥‥‥‥ 手遅れです。
 
この母は、戦後、父親( 私の祖父 )の仕事( 安藤建設の下請け業 )を手伝うために建設現場や職人さんの飯場などにはよく出入りしていました。 ですから、その筋の人との応対はもちろん、ジンギ( お控えなすって、手前、生国は関東‥‥ )の切り方も知っている姉御肌の女でした。
 
そのため、平然としながら「 知り合いには〇〇組の‥‥ 」などと言ってしまうわけです。
 
「 余計な事いわなくても‥‥ 」
「 だって、嘘じゃないよ 」
 
この事はすぐに警察に連絡‥‥
 
以前、会った事のある女性の刑事さん( 『 第8章その2 』 )に面会を求めたら‥‥
 
「 今はいません 」
‥‥と。 警察も、しょっちゅう人事が入れ替わる。 ブログでキャラクターを立てる事もできゃしない。
 
「 それにしても‥‥ Y組ですか‥‥ 本当に? ‥‥確かですか? 」
 
新しい担当の若い刑事さん( 1年後にはこの方も人事異動されます )に、何度も同じ事を訊かれました。
 
「 池袋はK連合が多いんです。 めずらしいなぁ‥‥Y組は‥‥ 」
 
‥‥まるで、新種の野生動物でも発見した様な会話をしながら‥‥
「 また来たらすぐに連絡を‥‥ 」
 
とにかく、いわれのない金銭の要求には絶対に応じない‥‥ との事を確認。
 
「 それでも‥‥ 付き合いで‥‥ どうしても払っちゃうってとこもありましてね‥‥ 」
‥‥と。 淋しそうに若い刑事さんが苦笑いする‥‥‥‥
 
幸い、私の店に〇暴関係者は、二度とやっては来ませんでした‥‥( お客さんとしては来ました! )。 ちなみに、同時期‥‥ 同じマンションに入っている店舗はどの店にも軒並み訪問されている様でした。
 
脱サラして独立開業を‥‥ などと考えておられる貴方、くれぐれもお気を付け下さい!

聞くところによると、池袋だけで「〇暴関係」の事務所が100ヶ所以上あるそうです。 ただ、最近は(2020年前後)は、少なくなっているかもしれません‥‥‥‥

 
 
 
 


お店の個室内部です。8畳ほどの部屋をカーテンで3つに区切っています。パーテーション、カーテン、照明、マットなど全て私がセッティング‥‥オレ何やってんだろう‥‥なんて考えながら。

 
                その10  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・男の問題解決に遭遇する! 》
 
 
 
女性の中には若く見られる人がいるもので‥‥ 私のマッサージ店に勤めるタイ式マッサージ師の中には40代なのに、20代で通してしまう猛者もいました。
 
風俗営業ではありませんが、お客さんの8割以上が男性( それも30歳以上 )で、マッサージを施術するのが外人女性となれば‥‥ そこに男女の関係が入り込まないわけはありません。
 
マッサージ師( ほとんど既婚者 )に惹かれて本気になってしまう若い人から、年を忘れた老人の札束攻勢まで‥‥ 多くの男女関係を見てまいりました。
 
その中でも特に記憶に残る「 タイ式マッサージ店伝説 」を書いてみたいと思います‥‥
 
以前にも書かせていただきましたが、「 風俗 」ではないにしても「 風俗的 」なサービス業には、どうしても〇暴関係の人が近づき易いものの様です。
 
名刺を持って「 挨拶 」に来る‥‥ なんてのは分かりやすいのですが‥‥ 中には、お客さんとしてやって来る人もいるのです‥‥
 
そして、ただ、普通の「 お客さん 」として黙って来てくれるだけならありがたいのですが‥‥‥‥とんでもない「 罠 」を仕掛けていく人も‥‥
 
店内は、青いパーテーション( つい立て )や青いカーテンで仕切られた個室になっています。 ライトは枕元にある小さな照明だけ‥‥ 静かな潮騒と管弦楽のゆ~~ったりとしたBGM‥‥‥‥
 
「 なぁ‥‥ ヌキのサービスは出来ないかい? 」
 
入れ墨はありませんが、雰囲気はマル暴風‥‥ そんな中年の男性客がマッサージされながらタイ人マッサージ師に背中でたずねます‥‥‥‥
 
「 ここは、ヌキはぁ‥‥ ないデ~ス 」
 
この手の質問には慣れているマッサージ師は、『 スケベオヤジ 』と思いながら、あっさりと答えます。
 
「 チップ出すからさ‥‥ 5千円出すよ‥‥ 」
 
金さえ出せば問題は解決する‥‥ 男の生き様なんてこんなもんか‥‥ しかし、そう簡単にはいかないのが人生‥‥
  
「 お客サ~ン‥‥ 」
 
お店でも一番、美しくて人気のある彼女は長い髪をアップにまとめた頭を横に振ります。 ‥‥困った坊やでも観る様な眼をしながら‥‥
 
「 ここは、ダメなんデスよ~ 」
 
このお客さんは苦笑いしながら‥‥
「 わかったよ‥‥ 1万円出すよ‥‥ 」
 
‥‥と、言いながら自分の財布を上着から出そうと‥‥‥‥
 
「 できまセ~ンッ! 」
 
‥‥何で? ‥‥ってな表情で‥‥
「 それじゃ~‥‥ 2万円ならいいだろ! 」
 
「 ダメデスゥ‥‥ 」
「 んじゃ~~3万円だ! 」
「 本当にダメなんデス! 」
 
ムッとした様に‥‥
「 ‥‥‥‥5万円! 」
 
‥‥と、ここまで来ると‥‥ もう普通じゃありません。 このやり取りは‥‥ 違う目的を想像せざる得ません。( 金を握らせれば、それをネタに‥‥‥‥ )
 
「 できまセ~ン! 」
「 ‥‥‥‥‥‥‥‥10万! 」
 
結局‥‥ 彼女は最後まで拒否しました。
 
お店として一番怖いのは、お金を受け取ってしまえば、その後でどんな事を言われるか( どんな災いをもたらすか )‥‥‥‥それが心配だったのですが‥‥‥‥これで、一安心。
 
もっとも彼女には、旦那さん( 日本人配偶者 )以外にも若い恋人( 日本人のエンジニア )がいましたから、目先のお金に誘惑されなかったのかもしれません‥‥‥‥
 
池袋や新宿の様な繁華街で商売をするのは、いつ落とし穴に落ちるわからない怖さがあるのです。
 
次回は、「 金さえ出せば問題は解決する 」‥‥ 男性のお客さんが、見事に問題解決したお話を‥‥‥‥
 
中にはいますよ‥‥ お金持ち!

 
 
  
       「 漫画家アシスタント物語 第8章〈6〉」へつづく・・・・
                   「第8章〈4〉」へもどる‥‥
                   「もくじ」 へ‥‥

 
 
  
 


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