漫画家アシスタント物語 第8章 〈19〉 ブログ書籍化のオファー!?
《 写真上: 目白にある西武池袋線の踏切です。正面、奥の方に霞んで見えるのが池袋のメトロポリタンホテル。結構デカいです 。2011年5月、撮影 》
< この8章〈19〉は、文庫本約10ページ分 >
「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
ただし‥‥
はじめての方は、「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
さて‥‥ ここで‥‥‥‥
「漫画家アシスタント物語」を複数回にわたって、購入してくれた方を紹介させてください。 肉森さん ‥‥‥‥‥‥ ありがとうございました!
その37
《 漫画家アシスタントが・・・ヨダレをこらえる!? 》
私が下した「 決断 」とは、借金を整理する事でした。
しかし、その話の前に、同じ頃に起こったもう一つの重要な出来事について書いておきたいと思います‥‥
それは、一通のメールから始まりました‥‥
「 『 漫画家アシスタント物語 』を出版しませんか 」
そんな事が簡潔に記されたメールをもらったのは、2006年の12月のはじめでした。
見知らぬ出版社からこの短いメールをもらった時は、「 出版詐欺 」か何かかと疑ったものでした。
『 どうせ、本にしてやるから印刷代を出せ‥‥って事だろうな 』
結局、高い自費出版と同じ事じゃないか‥‥と、期待感や嬉しさよりも不安を感じたものでした。
しかし、何度かメールをもらううちに「 詐欺 」や「 自費出版 」ではなさそうだと分かると夢でも見ている様な気分になったものです。
『 オレにこんな運のイイ話が舞い込んでくるものなのか‥‥ 』
ホントになかなか信じられない様な‥‥ 何だか頼りない様な‥‥ そんな気分でした。
それでもお店の経営の悪化やスタッフ同士のトラブル( ※参照 )、そして借金地獄の暗い日々の中で、突然スポットライトに照らされた様な気分でした。
この出版社( マガジン・マガジン社 )に私のブログを推薦してくれたのが大西祥平氏( ※参照 )ですので、彼のお陰でこのブログが書籍化されたと言えるでしょう。
しかし、その大西氏がこのブログを知る契機になったのが漫画編集家竹熊健太郎氏( ※参照 )のブログ「 旧たけくまメモ 」の記事だったのです。
その記事のタイトルが「 全マンガ家志望者必見 」というすごいタイトルの記事で拙ブログが紹介されていたのです。( もったいない話です、いやホントに )
それまでは( 2005年当時は )、ブログのアクセス数が一日で300~500ほどだったのが‥‥ 「 たけくまメモ 」で紹介されるや一挙に18800!
そして「 漫画家アシスタント物語 第1章 」は、一日に73100! これは、gooブログ全58万サイト中の第4位に駈け上りました。( 2ヶ月後には1日1000アクセスほどに定着 )
この頃に大西氏が「 たけくまメモ 」を読んで、そこでこの無名の「 アシスタント物語 」を知ることになるわけです。
この事がなかったら、お店の経営難と借金で完全に自信を失ってどうなっていたか分かりません‥‥‥‥。
2006年12月23日、東京池袋東口にある喫茶店「 耕路 」でマガジン・マガジン社の編集局長、担当編集員、そして大西氏と初めて面談‥‥
「 小池さんがお金を払う必要は一切ありません、こちらで印税を払わせていただくんです! 」
ハッキリと直接言われた事で、ジワ~リ、ジワ~リと歓喜が沸き上がる‥‥ のを必死で抑制する。
こんなところでニタニタとヨダレを垂らすわけにはいかない‥‥‥‥。
イ・ン・ゼ・ェ~‥‥‥‥‥‥
印税である‥‥‥‥ 印税が入るのである!
何も仕事をしていないのに、勝手に印税の方が降って来るのである!
これは‥‥‥‥ 「 棚からボタ餅 」どころではない、「 棚から札束 」である!
「 ですが‥‥ ちょっと足らないんです‥‥ いや、かなり足らないんです‥‥ 」
編集局長と担当編集員氏が困った表情を浮かべている‥‥‥‥
「 ブログの今の文章量では、単行本に出来ないんです‥‥ もっと量が必要なんです 」
私は「 足らない 」と言われて、恐る恐る質問しました‥‥
「 どのくらい足らないんで‥‥‥‥? 」
編集局長と担当編集員氏が顔を見合せながら‥‥‥‥
「 半分くらい‥‥ 」
私は、一瞬、2004年11月からこれまでの3年間、書き続けたブログの文章が大学ノートの束の様になってズッシリとのしかかって来る‥‥ そんなイメージに吐き気を感じながら‥‥‥‥
「 つまり‥‥ まだ‥‥‥‥ 半分足らないと? 」

その38
《 漫画家アシスタントが・・・銀行に怒る・・・!? 》
拙ブログの書籍化( ※参照 )には、まだ記事の量が全然足らないために編集作業にはしばらくの時間が必要でした。
書籍化のオファーをくれたマガジン・マガジン社の方では、急いで記事を完成させて発売したかったのだと思いますが、私は「 急には走れない 」たちで、残りの記事が完成するまでしばらく時間をもらったわけです。
最初のオファーをいただいた時には、「 第4章その30 」前後( ※参照 )を書いていた頃だったと思います。
当時( 2006年12月 )、私がボツ原稿を出版社に持ち込んだ時の話や、秋山プロの先輩アシスタントのエピソードなどを書いていました。
このブログの長期読者の方なら覚えておられると思いますが‥‥‥‥ 先輩の一人が大事なネタ帳を盗まれたりした話。そして、一度、漫画家を諦めた先輩が、ソープの業界漫画で復活する話などを書きました。( この話は好評でした )
この先輩の復活劇から私のデビューまでの記事、約30回分( 30週間分 )の記事が完成するまで、出版を待ってもらったのです。
それでも、出版の予定がほぼ確定した事の喜びは大きく、記事を書く上で必要な取材も面倒臭くなく、さわやかに街の中へブログの写真を撮りに出かけたのを覚えております。
しかし、同時にお店の経営とその責任、さらに一向に減らない多重債務( ※参照 )が重石のようにのし掛っていました。
金利はバラバラだし、毎月返済しなくてはならない定額元本( ※参照 )も各社バラバラ。頭の中はいつも、各金融会社へいくら払わなくてはならないかというお金の計算ばかりでした。
25日に月給( 手取り30万円 )をもらっても、翌日には、ほとんどが借金の利息と定額元本の返済に消えてしまうので、皆さんが考える「 月給 」のイメージとは違い、何のありがたみも無いのです。
まさに、自分の目の前を通り過ぎる他人のお金といった感じなのです。
そして、月の初めにサラ金や、各金融会社のキャッシュディスペンサーで新たな借入金を引き出して生活するため、あたかも、サラ金や金融会社から給料をもらっている様な錯覚に陥ります。
この瞬間の方が「 月給をもらっている 」という感覚になるのです。その感覚が25歳の時から52歳になる2007年まで、26年間も続きました‥‥‥‥
ピッピッ‥‥ ガシャ‥‥ ピ~~ッ
機械から出てくる現金を手にする時、私は、いつも考えるのです‥‥ いや、考えざるを得ないのです‥‥‥‥
『 サラ金のために生きているだけの人生だな‥‥‥‥ 』
秋山プロ( ※参照 )での仕事も、漫画の原稿料も、本の印税も、全ては銀行の口座からサラ金や信販会社へと吸い上げられて行くだけ‥‥‥‥
「 破産 」に向かって毎日苦しんでいるよりも、何とか借金を確実に返して行く方法は‥‥‥‥
そう考えた時に目に付いたのが東京スッペー銀行( ※参照 )の「 おまとめローン 」でした。
借金をしている会社が多過ぎるし、金利も高い。そこでまとめて金利の安い銀行から融資を受ければ、長期返済を計画的に実行できる!( 年間に支払う利息を約140万円から約90万円に減らせる! )
‥‥‥‥と、考えたわけです。
さっそく、申込書に限度額いっぱいの500万円の「 おまとめローン 」を申し込みます。
通常、こうした申し込みをして返事が4~5日以内にあれば「 OK 」。しかし、10日以上経っても返事が無ければ「 NO 」なのですが‥‥‥‥
‥‥‥‥はたして2週間ほどたってから東京スッペー銀行から安っぽい封書が1通届きました‥‥
「 当社既定の審査の結果、残念ながらご希望に沿う事が出来かねますのでご了承下さい 」
皆さんは、「 多重債務者に銀行が金を貸さね~だろ 」と簡単に思われるかもしれませんが‥‥‥‥
私にとっては深刻です‥‥‥‥
良心的に「 おまとめローン 」などと宣伝しておきながら‥‥‥‥ あっさり断られ、完全に頭にきた漫画家アシスタントであります。
『 サラ金の30%以上の高利を20年以上ただの一度も延滞せずに支払ってきた人間を信用できないのか? 』
『 信販会社のキャッシングは年利36%なんだ‥‥ それさえ支払い( 利息と定額元金返済 )をただの一度だって延滞した事がなかったのに! 』
『 金融業界に感謝されこそすれ、なんで疑われるのだ! 』( 会社は元本をはるかに超える利益をむさぼっているくせに! )
つまり‥‥‥‥
銀行にとって‥‥‥‥
「 お前は、もう破産( ゴミ )だよ! 」
‥‥‥‥と言っているわけです!
「 漫画家アシスタント物語 第8章〈20〉」へつづく・・・・
「第8章〈18〉」へもどる‥‥
「もくじ」 へ‥‥
~~~ 参照 ・第8章〈19〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
【その37】
・トラブル : お店で仕事をするのは、3~5人のタイ人マッサージ師。皆、真面目によく働くのですが、ライバル意識が強くケンカや噂話が多くて、いつも緊張感が絶えない。
・大西祥平氏 : 漫画収集家、書店員、漫画や映画の評論やインタビュー取材から本のプロデュースなど幅広く活躍するライター。
・竹熊健太郎氏 : 1960年生まれ、編集家、著書「マンガ原稿料はなぜ安いのか?」「ゴルゴ13はいつ終わるのか?」など多数。2009年、京都精華大学プロデュース学科教授、多摩美術大学非常勤講師などを務める。
【その38】
・書籍化 : 2004年11月から始まった拙ブログへ06年12月にサン出版社(現、マガジン・マガジン社)より書籍化のオファーをいただきました。実際に編集作業に入ったのは07年の夏から。出版されたのは2008年の4月。
・「 第4章その30 」前後・・・2006年頃、秋山プロの先輩たちの色々なエピソードを書いていました。
・多重債務 : 20年以上のサラ金人生のツケ‥‥ サラ金、信販系、銀行系など大ざっぱに500万円。(最大期には600万円以上)
・定額元本 : 毎月、借金の元本に合わせて返済する決まったお金。 通常、50万円の元本に対して月々1万円~2万円ほど。
・秋山プロ : 漫画家ジョージ秋山の仕事場。バブル崩壊後2004年当時、アシスタントは3人。連載は隔週誌、月刊誌合わせて2~3本。 80年代には連載が6本もあり、スタッフが7人という時代もありました。
・東京スッペー銀行 : 外資系の銀行。「おまとめローン」などと言って、実は、多重債務者のブラックリストでも作っているのだろう。 今回は、思いっきり金融機関への愛情をぶつけたネーミングを考えてみました。
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