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漫画家アシスタント物語 諦めま章〈16〉 内診台は、地獄の特等席!

 
《上の写真:1988年制作「壁」の一部。主人公の体が腐っていくのです 》
            < この諦めま章〈16〉は、文庫本約11ページ分 >

 
  
 
 
              その31

    《 漫画家アシスタントが・・・股を開く時!? 》


「 最近の内視鏡は、以前と違って細くなっていますから、それほど痛みはありませんヨ~ 麻酔もしますからネ~ 」

‥‥と、内視鏡による膀胱検査を説明してくれた医師は、30歳前後か‥‥‥‥ 私から見ると随分と頼りない医師に見えました。

麻酔をするので、たいした痛みはないのだろうと想像は出来ますが‥‥‥‥ 医師の言った‥‥

「 それほど痛みはありませんヨ~ 」

‥‥の、「 それほど 」が気になる‥‥‥‥ 「 痛みはありません 」ではなく「 それほど痛みありませんヨ~ 」という言い方が気になる。

これはつまり‥‥ 痛みがあるのだ!( チクショウ! )

「 それほど痛みはありませんヨ~ 」

‥‥‥‥なんて気休めに決まっているのだ!

‥‥それが、内視鏡検査の1ヶ月ほど前の事でした。
 

仕事場の先輩アシスタントに、私が来月受ける、内視鏡検査の話をしたら‥‥‥‥

「 ワシも病院で似たような事があったのぅ‥‥ 」

この先輩アシスタントは、18歳の時に広島から東京に出てきてもう40年にもなるのに、いまだに広島弁べったりで喋るという激熱郷土愛の持ち主である。

「 ワシが仰向けに寝た状態で看護婦がやってくれたんじゃがのぅ‥‥ おっ立ってしも~てのぅ‥‥ 」( 笑い )
「 ‥‥‥‥ 」( 私は無言 )
「 いかん、いかん‥‥‥‥ と思うんじゃが‥‥‥‥ ついついおっ立ってしも~て‥‥‥‥ いやぁ~恥ずかしかったの~! 」
「 ‥‥‥‥ 」( 私は無言 )

「 まあ‥‥ あの頃は若かったからのぅ‥‥ まだ20代で元気だったからのぅ‥‥ 今じゃったら立たんじゃろ~~がの~! 」( 笑い )

この先輩アシスタントは、盲腸の手術の時の例の「 毛剃り 」の話とゴッチャにしているようだ。
 

初めて紹介された大きな病院へ来てから1ヶ月‥‥

CTスキャナー( 腰部精密画像診断 )、MRI検査( 頭部磁気画像診断 )‥‥ と続いて、いよいよ、内視鏡の検査を受ける日です‥‥‥‥

それにしても泌尿器科や腎臓内科に来る中年男性の多いこと‥‥!

一見すると病気には見えない血色の良い元気そうな人もいるし、見るからに弱っている感じの人もいるのですが、その多くが働き盛りの中年男性です。( もちろん、女性の患者さんもいます )

みんな最初の診察の前に紙コップを持たされてトイレで採尿するのです。

何人も何人も‥‥‥‥ ガッチリとした体格の男性たちが小さな紙コップを持ってトイレを出入りする姿を見ていると‥‥‥‥

いったい世の中の成人男性のうち、どれほど多くの男性が膀胱や腎臓に障害をきたしているのだろうかと‥‥‥‥ 陰鬱な気分になってきます。

さて、どれくらい待たされたのか‥‥‥‥ 3時間以上は待たされたと思うのですが‥‥‥‥ やっと膀胱の検査が始まります。

まず、上半身は下着のシャツ一枚になり、下半身はパンツも全部脱ぐように年増女性の看護師さんから促されます。

一瞬ですが‥‥ これは、あくまで一瞬ですが‥‥ 場末の古びた風俗店に遊びに来た様な錯覚を感じますが‥‥‥‥ 1秒後には、検査室の冷たい緑色のソファや意味深な白いカーテンが、私を現実に引き戻します‥‥‥‥

天井から下がった白いカーテンをめくると‥‥ 椅子(?)があるのです‥‥‥‥

カーテンの向こうから先ほどの年増の看護師さんから声がかかります‥‥‥‥

「 そこへかけて下さい 」

私は、その椅子を見て全身が凍りつきます‥‥‥‥

その椅子は産婦人科で使う‥‥‥‥ あの椅子( 内診台・マッサージチェアにフットマッサージが付いたようなやつ )だったのです!

両足を大きく開脚して座る‥‥‥‥ あの椅子です!

『 これ‥‥ 冗談だろ‥‥‥‥!? 』
 

 
  
 


私が診察を受けた新館の真向かいにある旧館の一部です。ここに、泌尿器科が入っています。

 
               その32

 《 漫画家アシスタントが・・・チンポ丸出しで思うこと・・・!? 》


私が血尿を出してから、検査に出かけている話を書いているのですが‥‥‥‥

結論から言えば、色々な検査の結果‥‥‥‥ 私は先天的な多発性左腎臓のう胞( 腎臓にブドウの房の様に沢山の水泡ができて、腎臓の機能を破壊する )という病気( 資質 )であって、ガンや悪性のウイルス感染ではありませんでした。

ただ、左の腎臓がダメになっているので、これからの人生、残りの右腎臓を大事に使っていきたいと思います‥‥ 睡眠不足にならないようにとか、血圧が高くならないようにとか、水分をこまめに摂取するとか‥‥‥。

さて‥‥

2013年の4月某日‥‥‥‥

膀胱の内視鏡検査‥‥‥‥ 前回の話の続きです‥‥‥‥

一般に、男性器を調べる時には、色々なケースがあるかと思いますが‥‥ 皮膚科の診察( インキンやヘルペス )などでしたら、簡単にパンツを下ろして医師がピンセットか何かでつまんで見るとか。

また、包茎治療などの場合は、パンツを脱いでベッドに仰向けになったりとか。

私も、膀胱内視鏡の検査では、だいたいその辺りの事を想像していました。( ベッドで横になるとか! )

しかし、実際には想像と全然違っていたのです‥‥‥‥ まことにお恥ずかしい話ですが‥‥‥‥ この事だけは書いておきたいと思います。

身の毛がよだつ‥‥‥‥ などという表現がありますが‥‥‥‥ まさに、チンポが縮み上がるようなお話です‥‥‥‥( チクショウ、ただでさえ小さいチンポなのに! )

病院の検査室には、色々な機材がゴチャゴチャと置かれているのですが、いくつかのカーテンによって区分けされています。

内視鏡の検査をするために、部屋の隅にあるベッド上に衣類を脱ぎ、横のカーテンをひくと‥‥‥‥

その問題の「 特等席 」がありました‥‥‥‥

一見すると、重役室の肘掛付きの椅子といった感じですが‥‥‥‥ 足の太ももとふくらはぎをセットするマッサージチェアの足もみ機の様なものが付いています‥‥‥‥ それから、座る部分の丁度、性器が触れる辺りがスッポリと抜け落ちているのです‥‥‥‥( 男性なら、皆さん大好きスケベ椅子みたいな感じです )

また、椅子に座るためには、その太もも用の台に足をセットしないと座れません‥‥‥‥

そのため、足を閉じて椅子に座る事が出来ず、少し( 角度60° )開脚した形になります。

私は、最初、どう座ったものか‥‥‥‥? いや‥‥‥‥? これは?

『 これに座れってのかよ?! 』

‥‥と、一瞬たじろいでいたのですが‥‥‥‥

「 そこに、腰掛けて下さ~い 」

という中年女性の看護師が事務的な声で、「 覚悟を決めてね 」と言わぬばかりに催促してきます。

この看護師は、カーテンの向こう側にいるので、私からは見えません‥‥‥‥ 実は、このカーテンがおかしな形で引かれています。

それは、椅子に私が座ると私の正面、それもお腹の辺りに降りて来る様な感じで私の視野が完全に塞がれる様に引いてあります。

フリチンで、下着シャツ一枚の私の頭の中はカラッポで、冷静な思考など出来ません‥‥‥‥ 状況に流されるだけで‥‥‥‥ ただのバカです!

「 特等席 」に座って少しすると‥‥‥‥ 実に恐ろしいのは、この後の出来事で‥‥‥‥

恐怖のアトラクション‥‥‥‥ スタート!

 ヴィ‥‥! ( 起動音 )

‥‥この瞬間、「 特等席 」が動き出したのです‥‥‥‥!

この椅子こそ、産婦人科で使用される「 内診台 」というやつです!( 後になって知りました )

自分の生涯で、この椅子に座る事になるなんて‥‥‥‥!

そんな事、全く想像していませんでしたから、椅子が電動式で、太ももを乗せた部分が持ち上がりなが‥‥‥‥‥‥ 自動的に開脚していく!

 ヴ‥‥ ヴィィィィ‥‥‥‥!

『 あ、あああああ~~っ! 』( 60度だった開脚度が70、80、90、100度に開きながら、背もたれも! )

声が出そうになると言うか、声も出ないというか‥‥‥‥ 自分の足が自分の意思とは無関係に開脚していくこのテクノロジーの前に完全敗北なわけで‥‥‥‥‥‥!( フリチン中年の血圧急上昇! )

さらに、恐るべきは‥‥‥‥ 

足の開脚と共に背もたれもゆっくりと後ろに倒れてほぼ水平に近い状態になるのです!( 感心している場合ではない! )

ヴィィイイイイイイ‥‥‥‥( 無情な作動音 )

膝は垂直に上がり、太ももから下は水平に上昇‥‥‥・!

‥‥‥‥‥‥まさに想像を絶する破滅的な状況に涙が出そうになるわけです!

 ・・・・・・ィィィィィン!

足の開脚度は約120°! 全開だっ!

体はほぼ水平、背中は冷や汗でグッショグショ!

自分の下半身がどうなっているのかは、カーテンで仕切られているので、全然見えない!

カーテンは、お腹の上辺りに降りていて、看護師さんの声がその向こう側から聞こえてきます‥‥‥‥

「 リラックスして下さいね~ これから麻酔をしますからね~ 」

「 リラックス 」など出来るわけない‥‥‥‥!( 汗がダラダラ流れる! )

この状態でリラックスできる男は、異常があるとしか思えない。急いで救急車を呼んだ方が良い!

もっとも、看護師の側から見れば、粗チン見ながらそう言うしか仕方がないのだろう‥‥‥‥

でも、本当にリラックスさせたいなら冗談の一つも言ってほしい!

『 まあぁ~凄~い! あまりにご立派なんで、食べちゃいた~い! 』

そんな看護師いるわけね~~よなぁ‥‥‥ 

自分の眼に涙がにじんでくる‥‥‥‥‥
 

 
麻酔というのは、ペニスの亀頭部分から尿道へ麻酔薬を注入するのだが、やけに痛い‥‥‥‥( 亀頭の内側にツンツンとした痛みが‥‥ )

私は、今、この記事を書きながら‥‥ この時の事を思い出して、考える‥‥‥‥

その考えとは‥‥‥‥‥‥

『 まさか‥‥ まさか‥‥‥‥ あの方もこんな椅子に座って検査を? 』

でも、それはここ数年の出来事で、私が内診台にのったのは10年以上前の事‥‥  直接、関連はありません。


私は、尿道のチクリチクリとした、冷たい痛みに耐えます‥‥ ただ、耐えるだけ‥‥‥‥

そして、尿道に入った麻酔薬が十分に効果を出すために数分間、そのままの姿で待たされる‥‥‥‥‥‥

そして、ついに‥‥‥‥

尿道の中を小便がドッと逆流してくるような圧力を感じます。 まさに、「突っ込まれる 」感覚です!

当然、私は平常心を失ったまま考え続けます‥‥‥‥

『 この屈辱‥‥ この自尊心の破壊‥‥ この人格的崩壊‥‥‥‥ 』

思わず‥‥‥‥ 私は心の中でうめきます‥‥‥‥‥‥

『 た‥‥ 耐え難きを耐え‥‥ 忍び難きを忍び‥‥‥‥! 』

医師の内視鏡による診察は、痛みと共に尿道に強い圧迫感があり、( 無意識に尿道につまったモノを排除しようと力んでしまう )その不快感を我慢するだけで全身から汗が、シャワーでも浴びたように流れ出します。

流れる汗と‥‥ 耐える涙‥‥‥‥ ただ目を閉じて‥‥‥‥

『 は、敗戦だ‥‥ これが敗戦だ‥‥ これが、無条件降伏だ! 』

内診台でフリチンのまま横になっている私は、内視鏡を突き刺され、冷や汗を吹き出しながら歯を食いしばって‥‥‥‥ 「 敗戦 」を体験していたわけです。

産婦人科で診察を受けて「 すごく嫌だった! 」と、語っていた女性の姿を他人事の様に傍観していた私が浅はかだったと言うしかありません。

私は、汗でベトベトになった内診台の上で、ただ‥‥‥‥

『 ‥‥‥‥堪え難きを堪え、忍び難きを忍び‥‥‥‥ 』

‥‥と、心の中で繰り返すのでした‥‥‥‥
 
 
 
漫画とはあまり関係ないけど‥‥‥‥ 久々の「 血の教訓 」‥‥‥‥!
 
 
   漫画家アシスタント物語  血の教訓

 『 恐怖せよ、テポドン、梅毒、内診台! 』

 
 
 
 

      「 漫画家アシスタント物語 諦めま章〈17〉」へつづく・・・・

                  「諦めま章〈15〉」へもどる‥‥

                        「もくじ」 へ‥‥

 

 

 

 

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