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ととのえるとは、休むこと


ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣ごきたゆたかです。

ここまで、

「ととのえるとは何か」
「ととのえるとは、戻ること」
「ととのえるとは、足すことではなく引くこと」
「ととのえるとは、安心を思い出すこと」
「ととのえるとは、つながり直すこと」
「ととのえるとは、ゆるめること」

と書いてきました。

整えることと、調えること。

頑張る前に、自分の場所へ戻ること。

足しすぎたものを少し引いて、
抱えすぎた力をほどいていくこと。

体が安心を思い出し、
ばらばらになっていたものが少しずつつながり直していくこと。

そして、
必要以上に入っていた力を少し下ろして、
呼吸が戻れる状態をつくっていくこと。

今日お伝えしたいのは、
ととのえるとは、休むこと
だということです。



休めていない人は、思っているより多い

「休むこと」は大切。
多くの人が、頭ではそうわかっているでしょう。

でも実際には、
休めていない人がとても多いように思います。

横になっていても、
頭の中はずっと動いている。

休日も、予定で埋まっている。

少し時間が空くと、
何かしていないと落ち着かない。

休んでいるつもりなのに、
どこか回復していない。
寝ても抜けない疲れがある。

こういうことはないでしょうか。

休んでいる“つもり”と、
休めていることは、
同じではありません。

体が止まっていても、
心や思考がずっと緊張したままだったら、
それは、休めていません。

「休むこと」は、
回復のための大切な営みであり、
明日への英気を養う時間です。


休むことに、どこか罪悪感がある

休めない背景には、
いろいろなものがあります。

やることが多い。
責任がある。
家族のこと、仕事のこと、日常のこと。

そういう現実的な理由も、もちろんあります。

でもそれだけではなく、
もっと深いところで、
休むことに罪悪感がある人も少なくありません。

休んだら遅れてしまう気がする。
休んだら怠けているように感じる。
休んでいる自分には価値がない気がする。
まだ頑張れるのに休むのは甘えだと思ってしまう。

そうやって、
休むことそのものに、
どこか後ろめたさがついてまわる。

すると、
たとえ時間があっても休めていません。

休んでいても、
心のどこかでずっと
「本当にこれでいいのか」
と問い続けているからです。

あなたは、
休むことを自分に許せているでしょうか?


休んでいても、休めていないことがある

ここが、とても大事です。

休むというと、
多くの人は
「止まること」
を思い浮かべるでしょう。

たしかに、
止まることは大切です。

でも、
止まっているだけでは、
回復しないことがあります。

たとえば、
ソファに座っていても、
スマホをずっと見ている。

布団に入っても、
明日のことを考え続けている。

休みの日なのに、
頭の中ではやることの整理が止まらない。

誰にも会っていないのに、
心の中ではずっと人とのことを考えている。

こういう状態では、
体は止まっていても、
心と頭は休んでいない。

休むことは、
単に体を“動かさないこと”だけではなく、
回復できる状態に入っていくことです。

そのためには、
体だけでなく、
心や思考も少しずつゆるんでいく必要があります。

だから前回、
「ゆるめること」が大事だと書いたのです。

ゆるめることができると、
ようやく休めるから。


休むとは、止まることではなく、回復すること

休むことは、
「何もしないこと」
だけではありません。

もちろん、
何もしない時間も大切です。

でも本質はそこではなく、
回復することにあると思っています。
回復しないなら、それは休みになっていない。

浅くなっていた呼吸が戻ること。
固くなっていた体が少しやわらぐこと。
考え続けていた頭が静かになること。
急ぎ続けていた心が、少し落ち着くこと。
“ちゃんとしなきゃ” から離れて、
今の自分に戻ってこられること。

そういうことが起きてはじめて、
人は少しずつ休めていきます。

だから、休むことは、
ただ止まって、何もしないだけではありません。

自分を、自分の力を、
取り戻していく時間です。
自分に還る時間です。

ここの前提が違うと、
休むことの意味が変わり、
休み方が変わります。

休むことは、ただ何もしないわけではなく、
とても能動的で、大切な営みです。


ゆるめた先で、ようやく休める

ずっと力が入っているとき、
人は休もうとしても休めません。

体が緊張している。
頭が止まらない。
胸の奥が急いでいる。
何かしていないと落ち着かない。

そういうときに必要なのは、
まず、ゆるめることです。

肩を下ろす。
息を吐く。
急いでいることに気づく。
今すぐやらなくていいものを、ひとつ後にする。
自分を追い立てている声に気づく。

そういう小さなことの先で、
ようやく体が休まります。

だから、
ゆるめることと休むことは、
別々のものではありません。

ゆるめることが、
休むための入口になる。

そして休むことが、
回復してまた生きていくための土台になる。

その流れがあるだけで、
生活のリズム、人生のリズムが変わります。


休むことで、感覚と判断が戻ってくる

休めていないとき、
人は判断がズレやすくなります。

本当はもう無理なのに、
まだいけると思ってしまう。

本当は休んだ方がいいのに、
ここで止まるべきではないと感じてしまう。

本当は悲しいのに、
それを感じるより先にやることへ向かってしまう。

感覚のズレ。思考のズレ。

休むことで、
まず感覚が戻ってきます。

あ、疲れていたんだ。
少し無理していたな。
今日は静かにした方がよさそうだ。
いま必要なのは、頑張ることじゃないかもしれない。

こういう感覚が戻ると、
選び方も変わります。
心も体も休まっていきます。

つまり、
休むことは、ただ疲れを取るだけではなく、
自分に合った判断を取り戻すこと
でもあります。

回復していないときの判断は、
どうしても無理を前提にしやすい。

だからこそ、
休むことはとても大切なのです。


休むことは、弱さではない

休むことを、
弱さのように感じる人がいます。

止まること。
できないこと。
前に進めないこと。
負けること。

でも私は、
そうは思いません。

休むことは、
自分を守ること。
自分を見失わないこと。
壊れる前に戻ること。

そして、またちゃんと生きていくために必要なことです。

無理をし続けられることが強さなのではなく、
休む必要があるときに、
休めることが強さだと思います。

ずっと踏ん張り続けることはできるかもしれません。
でも、いつまで続けられるでしょうか。

私も、休むことができなかった人間の1人です。
でも、休むことができるようになりました。

休むことで、息しやすく、生きやすくなりました。
気力体力が充実し、
行きたいところに、行きやすくなりました。

休める人は、回復できます。

回復できる人は、また自分に戻れます。

自分に戻れる人は、
無理を無理と感じられるようになります。

私は、自分自身が無理し続けてきた経験もあり、
休む大切さを伝えていきたいのです。


休むために必要なのは、大きなことではない

休むために、
いつもまとまった時間が必要なわけではありません。

もちろん、
大きく休めるならそれも大事です。

でも日常の中での
小さな休みの積み重ねが大事です。

ひと呼吸おくこと。
目を閉じること。
空を見ること。
少し座ること。

お茶をゆっくり飲むこと。
考え続けていることに気づいて、いったんやめること。
音を減らすこと。
予定と予定のあいだに、何もしない時間を少しつくること。

そういう小さな休憩を挟んでいくこと。
それだけで、人は少しずつ休めます。

大事なのは、
休むことを
“特別なときだけのもの”にしないこと。

日々の中で、
少しずつ回復できる感覚を持っておくことです。 

自分なりの休み方を見つけていけるといいですね。


ワーク①|今の自分は、何で休めていないかを見る

ここで、少しだけ自分を見てみてください。

いまの自分が
「休めていない」としたら、
何がそうさせているでしょうか。

たとえば、

  • やることが多すぎる

  • 気になっていることが多い

  • スマホを閉じられない

  • 頭の中がずっと動いている

  • 休むことに罪悪感がある

  • 止まると不安になる

  • 休み方がわからない

  • 人の期待を背負いすぎている

思いつくものを、
いくつか書いてみてください。

ここで大切なのは、
自分を責めることではなく、
休めていない背景を見つけること です。

理由が見えると、
関わり方も変わってきます。


ワーク②|今日できる“小さな休み”をひとつ選ぶ

次に、
今日の自分にできそうな
“小さな休み”をひとつ選んでみてください。

たとえば、

  • 寝る前にスマホを見る時間を5分減らす

  • 飲み物をひと口、急がず飲む

  • 予定と予定の間にひと休憩挟む

  • 誰にも返事をしない時間を少しつくる

  • 「今は休んでいい」と一度言葉にする

  • 呼吸を3回だけ、ゆっくり感じる

大きなことじゃなくて大丈夫です。
いきなり、大きく変えようとしないことです。

小さな休みを積み重ねていくと、
体は少しずつ 
「休んでもいいんだ」
と思い出していきます。


おわりに

ととのえるとは、休むこと。

それは、
ただ止まることではなく、
回復することです。

ずっと張っていたものが少しゆるみ、
浅くなっていた呼吸が戻り、
急いでいた心が少し落ち着いて、
自分の感覚や判断が戻ってくること。

休むことは、
弱さではありません。
遅れることでもありません。
前に進まないことでもありません。

むしろ、
またちゃんと生きていくために必要な、
大切な営みです。

何かを足す前に、
頑張る前に、
まず少し休む。

そのことを自分に許していく。

自分を許すことで、ゆるんでいきます。

ゆるゆるといきましょう♪

ととのえ職人、五木田穣ごきたゆたかでした。

また、次の記事でお会いしましょう。


関連記事

「ととのえる」ということを、もう少し別の角度から読みたい方へ。

・ととのえるとは、ゆるめること
 休む前に、まず少し力を下ろしていくことについて。

・体は、いつも先に知らせている
 休めていないとき、体が先に出しているサインについて。

・休んでいるのに、休めていないあなたへ
 休んでいるつもりでも回復していない感覚について。

・気づいたら、また頑張っている日。
 無意識のうちに、また力が入ってしまう日常の感覚から。

・「ゆるす」ということ。
 ゆるすという言葉について。

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