【育児時短就業給付金とは?】 条件・申請についてわかりやすく解説
育児と仕事の両立を目指す方にとって、経済的な不安は大きな課題の一つです。特に子どもが1歳以降も保育園の空きがなく、やむを得ず短時間勤務で職場復帰する場合、収入が大きく減ってしまうことがあります。
そうした人を支援するために新設されたのが、「育児時短就業給付金」です。これは、2歳未満の子どもを養育している人が短時間勤務となった場合に給付金の支給を受けられる制度で、2025年度から運用がスタートしました。
この制度により、短時間勤務による収入減を補填したり、育児を理由に退職せず、職場復帰を支援することで、国は「子育てしながらでも安心して働ける社会」を目指しています。
育児時短就業給付金の支給対象者となる条件
育児時短就業給付金は、2025年4月1日以後に育児時短就業を開始した、2歳未満の子供を養育する従業員が対象です。これより前から短時間勤務をしていた人は、2025年4月1日を育児時短就業を開始した日とみなして、各条件を満たす場合は、2025年4月以降の各月を支給対象月として支給されます。
雇用保険の被保険者であること
育児休業終了から継続して、もしくは14日以内に短時間勤務で職場復帰していること
育児休業を取得していない場合は、育児時短就業の開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある)完全月が12か月あること。所定労働時間が通常より短縮されていること
→ 原則として1日6時間以下の労働時間となっている必要があります。
なお、一度短時間勤務を終了して元の働き方に戻ったものの、子どもが2歳になるまでに再び短時間勤務となった場合も対象です。
支給対象となる短時間勤務(時短就業)の定義
育児時短就業給付金の支給対象となる短時間勤務(時短就業)とは、2歳未満の子どもを養育するために、従業員からの申出によって会社が講じた、1週間当たりの所定労働時間を短縮する措置をいいます。
短時間正社員やパートタイム、アルバイトに転換、転職したことで1週間当たりの所定労働時間が短縮されている場合も対象です。
シフト制で働いている場合は1週間当たりの平均労働時間を算定し、短縮が確認できれば認められます。
ただし、勤務時間短縮後の1週間当たりの所定労働時間が20時間を下回る場合は、子どもが小学校に入るまでに20時間以上の所定労働時間で復帰することが前提で、これを就業規則等の書面で確認できる必要があります。そうでない場合は雇用保険の被保険者資格を喪失することとなり、育児時短就業給付金の支給対象となりません。
育児時短就業給付金の支給対象月となる条件
育児時短就業給付金は、短時間勤務を開始した月から歴月で2箇月ごとに申請します。育児休業給付金のように開始した日から2箇月ごとではないので注意が必要です。
申請の対象となる月の条件は下記のとおりです。
その月の初日から末日まで、雇用保険の被保険者であること
月の途中の退職や、雇用保険の資格を喪失した場合、その月は支給の対象になりません。その月に1週間当たりの所定労働時間を短縮して働いていること
その月に育児休業給付又は介護休業給付を受給していないこと
その月が高年齢雇用継続給付の受給対象月ではないこと
育児時短就業給付金の支給額
育児時短就業給付金により、短時間勤務となる前の給与とのおよその差額が補填されます。
基本の計算方法は下記のとおりです
支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合
育児時短就業給付金の支給額 = 支給対象月に支払われた賃金額 × 10%
短時間勤務中の給与が以前の90%以上だったり、計算結果が支給限度額を超えている場合などはその分支給額が調整されます。
育児時短就業給付金申請の必要書類
育児時短就業給付金の申請は、原則は会社が管轄のハローワークに提出します。
育児休業から復帰し、そのまま短時間勤務になった従業員は、育児休業給付金申請書に代わり育児時短就業給付金支給申請書を提出するイメージです。
初回のみ、育児時短就業を開始した日、賃金の額と支払状況、週所定労働時間を確認できるものとして下記書類を添付します。
賃金台帳
出勤簿、タイムカード等
労働条件通知書
育児短時間勤務申出書
育児短時間勤務取扱通知書、就業規則など
育児休業を取得していない、育児休業給付金を受給していない従業員の申請の場合は追加で下記書類を添付します。
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書、所定労働時間短縮開始時賃金証明書
育児時短就業給付受給資格確認票・育児時短就業給付金支給申請書
母子健康手帳
2回目以降は申請書に賃金台帳、出勤簿、タイムカードなどを添付します。
まとめ
育児時短就業給付金は、従業員の職場復帰と育児の両立を支援する新たな制度として注目されています。会社にとっても、従業員の離職防止・人材確保の観点から、制度の正しい理解と実務対応が求められます。


