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理事が自分と契約?利益相反と理事会承認の正しい扱い方|2023年度 マン管 問29|No.120|マンション管理士・管理業務主任者試験対策

こんにちは、ねこおじさんです。
今回は、標準管理規約の理事会・監事まわりの論点から、「理事会の権限と総会決議の線引き」でつまずきやすい一問を取り上げます。
似た出題が団地型規約にもあり、混同しやすいテーマです。


時間のない人はここ読んで!

・正解肢:4(理事会承認が必要)
・建物診断の発注には総会決議が必要(修繕積立金使用)
・監事は理事会を自ら招集できない
・滞納訴訟中でも役員になれる


問題文

マンション管理士試験 令和5年度(2023年) 問29

管理組合の役員及び理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1:区分所有者が、管理組合を原告とする滞納管理費等請求訴訟において被告となっていることは、役員の欠格事由に当たる。

2:監事は、業務監査及び会計監査の権限を有しており、業務の執行又は財産の状況を理事に報告するために、いつでも、自ら理事会の招集をすることができる。

3:大規模修繕工事の内容の検討のために建物診断を業者に依頼する場合、管理組合の理事会は、総会の決議を経ずに、理事会のみの判断で、建物診断の発注をすることができる。

4:マンション管理士が外部専門家として理事に就任している管理組合において、当該組合が当該管理士との間で長期修繕計画作成のための契約を締結する場合には、当該管理士は理事会の承認を得なければならない。


問題文の要約

1:滞納訴訟の被告になったら役員になれない?
2:監事は自分で理事会を開ける?
3:理事会だけで建物診断を依頼できる?
4:理事が自分と契約するときは承認がいる?


各選択肢の判定

1:誤り
役員の欠格事由に「滞納訴訟の被告であること」はありません。

2:誤り
監事は理事会を「招集請求」することはできますが、自ら招集はできません(標準管理規約第41条第4項)。

3:誤り
建物診断費用は修繕積立金から支出するため、総会の決議が必要です。
理事会単独では発注できません。

4:正しい
理事が自身と契約を結ぶのは利益相反取引にあたり、理事会で重要事項を説明し、承認を得る必要があります(標準管理規約第37条第2項コメント)。


ねこおじさんのつまずきポイント解説

問3
「大規模修繕の為の調査費って、たしか団地では、団地総会じゃなくて各棟総会で決議出来たはず。じゃあ総会じゃなくて理事会でも決議出来ても良くない?」

ねこおじさんはこんな風に考えてこの問題によくつまづきます。

大規模修繕のための調査費は、たしかに団地型マンションでは棟総会で決議できる場合もあります。

ただしそれは、団地規約で明確に権限が委任されている特例です。

一般の管理組合では、建物診断にかかる費用は修繕積立金から支出します。
理事会が自由に使えるのは通常会計の範囲までで、積立金を使うときは総会の承認が必要です。

したがって、理事会だけで建物診断を発注することはできません。
「家族に相談せずに貯金を使って健康診断を申し込む」ようなものです。
みんなのお金だから、勝手には使えないのです。

建物診断の費用は修繕積立金から出す。
理事会はその積立金を自由に使えない。
だから総会で「診断を依頼してよいか」を決める必要がある。

一方、問4の理事の中にマンション管理士がいて、その人が長期修繕計画を作成する仕事を請け負う場合、その理事は「理事(代表)」と「仕事を請け負う相手方」という二つの立場を兼ねることになります。

これは、自分で自分と契約するような利益相反取引にあたります。
不公平や疑いを避けるために、理事会で内容を説明し、他の理事から承認を得る必要があります。

ただし、これは積立金を直接使うというより契約の公正性の問題であるため、理事会の承認で足り、総会まで出す必要はありません。

理事と組合のあいだの契約は利益相反取引にあたるため、公平性を保つために理事会で承認を得る。
総会決議までは不要。


覚え方・考え方のまとめ

・修繕積立金=「みんなの貯金」→使うときは総会決議
・通常会計=「今月の生活費」→理事会の範囲でOK
・理事が自分と契約=「利益相反」→理事会の承認でOK

使うお金の“性質”と、契約の“公平性”を区別すると整理しやすいです。


🌀ひっかけ注意ポイント

・監事は理事会を「請求」できるが「招集」できない
・団地型と通常型で決議権限が違う
・積立金を使う行為は常に総会承認が必要


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この記事が少しでも理解の助けになればうれしいです。
理事会の権限と総会の関係、数字よりも“お金の種類”で判断すると迷いませんよ。

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