『専有部分の賃貸借における民法と借地借家法』2020年度 管業 問43マンション管理士・管理業務主任者試験対策|No.25|
こんにちは、ねこおじさんです。
今回は、専有部分を第三者に貸すときのルールについて。
実務経験がある人ほど、常識と法律のズレでひっかかる内容なので、注意が必要です。
【問題文】
※出典:2020年度 管理業務主任者試験 問43
区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分を Bに賃貸した場合に関する次の記述のうち、 民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。 なお、AB間の賃貸借契約は、 定期建物賃貸借契約ではないものとする。
1.Bが、Aの承諾を得ないで、 その専有部分を第三者Cに転貸する契約を締結した場合でも、 Cがその専有部分の使用・収益を始めない限り、 AはBとの賃貸借契約を解除することができない。
2.AB間で建物賃貸借の期間を2年間と定め、 中途解約ができる旨の特約を定めなかった場合でも、 Bからは、1箇月の予告期間を置けば中途解約ができる。
3.BがAの同意を得て付加した畳、建具その他の造作について、 Bは、Aに対し、賃貸借が終了したときに、 それらの買取りを請求することができない旨の特約は無効である。
4.Bが賃料を支払わなければならない時期は、 特約をしなければ、当月分について前月末日である。
【問題文の要約】
専有部分の賃貸借について、どれが正しいかを聞いています。
1:転貸契約をしたけど、Cがまだ使ってないなら解除できない?
2:契約が2年でも、1か月前の申告で借主は途中解約できる?
3:造作の買取を請求できない特約は、無効になる?
4:家賃の支払時期、何も決めなければ前月末日払いになる?
【各選択肢のざっくり判定】
●選択肢1:○ → 使用収益前なら解除できない(民法612条2項)
●選択肢2:✗ → 特約がなければ、契約期間中の中途解約は不可(民法618条)
●選択肢3:✗ → 買取請求を否定する特約は有効(借地借家法33条)
●選択肢4:✗ → 賃料は特約がなければ後払い(民法614条2項)
【ねこおじさんのつまずきポイント解説】
問い1(○): ここ、ちょっと引っかかりやすいんですよね。
「転貸した=即アウト」って思いがちなんですが、 判例(最判H8.10.29)では、「実際に第三者が使用収益を始めない限り、 解除まではできない」とされています。
契約だけならまだセーフ。 実行されてからが問題。 え?でも…気持ち的には「もう転貸した時点でアウトでしょ!」ってなりますよね。
そのズレ、試験では容赦なく突かれます。
問い2(✗): はい、これ完璧に引っかかりました…。
「借主からは1ヶ月前に言えば出られる」って、不動産管理の現場では完全に常識。
でも試験的にはNG。 民法上は、特約がなければ、契約期間中に借主から勝手に中途解約はできないんです。
「ってことは、今までやってきた契約の出し方、あれ全部アウトだったの…?」と、 一瞬、不安になりました。
問い3(✗): ここは比較的素直です。 造作(たたみ・建具など)の買取請求については、 借地借家法33条で「請求できる」とされていますが、 「買取りを請求できない」という特約があれば、それは有効です。
つまり、「特約は無効」としているこの選択肢は誤り。
問い4(✗): これも実務経験者ほど引っかかるやつ。
「家賃は前払い」が当たり前、と思ってました。 でも民法614条2項では、「賃料は後払い(使用収益後)」が原則。
つまり、契約でちゃんと「前払い」と決めておかない限りは、月末払いになるんです。
「前月末日で払え」なんてのは、実務での慣習。 試験では、慣習よりも条文ベースで判断されるということですね。
【覚え方・考え方のまとめ】
✅ 転貸契約だけでは解除できない。 実際に使ってからが対象(民法612条)
✅ 借主の中途解約は、特約がないと認められない(民法618条)
✅ 造作買取請求の排除特約はOK(借地借家法33条)
✅ 家賃は特約がなければ後払い(民法614条)
✅ 試験では慣習ではなく、法律条文が基準
✅ 実務経験者こそ、条文とのズレに要注意!
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ではまた、ねこおじさんでした。
