「スパゲッティ ナポリタン」と「やわやわパスタ」
ナポリタンって、やはり日本人のソウルフードと言えるのじゃないかと思う。
カフェとは誰も呼ばなかった昭和四十年代の喫茶店には必ずナポリタンがあった。
もちろんイタリア直輸入じゃあなく(たぶん)、当然アルデンテじゃない、細めのうどんみたいなやわらかスパゲティー(スパゲッティじゃなくスパゲティー)と玉ねぎ、ピーマン、高級でもないハムをちゃちゃっと炒めてケチャップで味付け、最後にあれば粉チーズをかける。黒胡椒?そんなの挽いちゃいなかった。
昭和から平成、令和と月日が流れ、年号が変わろうともナポリタンは不滅。
だから、定期的に食の雑誌では特集が組まれる。
日本独自のナポリタンについて知るのはとても楽しいことだ。
十代学生諸君!戦後史はナポリタンを実食しながら学ぶに限る。
学んだらナポリタン発祥の店、ホテルニューグランド「ザ・カフェ」でスパゲッティ ナポリタンを食べてみたくなるというもの。
2023年夏、チャンス到来、横浜でのコンサートのチケットが取れ、横浜へ。
開演前の早めのかるい夕食をザ・カフェでとることにした。
といっても直前まで悩みに悩んだのは庶民ゆえにサラダもコーヒーもセットじゃないナポリタン単品の価格が、いくら伝説の一皿とはいえほぼ炭水化物だけの一皿二千円超えはあり得ないだろうと考える性分だからで、でも一生に一度じゃない?!と前々日に決心した次第。


横浜中華街のすぐ近く

ホテル内を見学してゴージャス気分に浸ってからザ・カフェへ
◇スパゲッティ ナポリタン~ホテルニューグランド「ザ・カフェ」

麵が少ないのはコンサート前だから麺の量を減らしてもらったからです
サラダは別にオーダー、それではいただきます
フォークにからめて一口いただくとすぐ、後悔
「麺減らしてもらうんじゃなかったわ~」
おいしい!笑み浮かぶ美味しさ
なに?このパスタ!
セモリナ粉の味わいはどこにも感じられない、日本人のハートに届くやわいうどんのようなやわらか麺、だけどそのやわらかさが調和のいいホテル仕込のまろやかトマトソースと融合
バターの豊かな風味がそこに加わる
天使の○○ってよくいうけれど、それです
逸品!
もちろん知りたいことは訊く。
まずスパゲッティについて。
1.7㎜イタリアのメーカーのスパゲッティをアルデンテにゆでて、冷凍しているものを調理するとのこと。
次にソーセージ。
ボロニアソーセージみたいなソーセージが、ハムやウィンナーでは出せない調和を生んでいる。
業者に頼んで特別に作ってもらっているものだそうだ。
発祥スパゲッティ ナポリタン
2代目総料理長 入江茂忠が、接収時代、茹でたスパゲッティに塩・胡椒・トマトケチャップを和えた物を米兵が食べているのを知り、アレンジを加えて生み出した一品。
終戦後、様々な進駐軍文化が横浜にもたらされ、そのうちの一つが料理です。米兵たちは、茹でたスパゲッティに塩、胡椒で味付けをし、トマトケチャップを和えた物を昼食・夜食によく食べてたそうです。このケチャップスパゲッティは、食料事情が悪い中でも簡単に作れるということで、進駐軍文化に興味津々だった市民にも広まり、街の喫茶店で出されるようになり、日本中で流行しました。
一方、戦後を担った入江茂忠は、いかにも味気ないケチャップスパゲッティを皆喜んで食べていることが気になり、ホテルで出すスパゲッティとして相応しいものとするため、苦心の改良を重ね、ケチャップスパゲッティに代わって、トマト風味を生かした当ホテルならではの風味豊かなソースを作り出し、スパゲッティと合わせてお客様へお出ししました。ニンニクと玉葱の微塵切りを飴色になるまでよく炒め、トマトの粗切り、トマトホール・トマトペーストを加え、ロリエとたっぷりのオリーブオイルを入れて完成したソースをスパゲッティと合わせたこの料理は、「スパゲッティ ナポリタン」と名付けられました。
作り方は ↓
デザートにやはり「ザ・カフェ」が発祥のプリン・ア・ラ・モードを食べてコンサートへ、最高の横浜の一日となったのだった。
某日 超久しぶりにスパゲッティ ナポリタンをうちで作ってみた。

トマト+トマトペースト+トマトホール缶ではなくトマトピューレーのトリプル使い
(にんにく、玉ねぎ、ローリエ、オレガノ、塩、オリーブオイル)

アルデンテにゆでてオイル少々で和えて一晩冷蔵庫でお休みしてもらう
生マッシュルーム
ボロニアソーセージが手に入らずフライッシュケーゼ 粗挽き(成城石井 自家製ソーセージ)
イタリアンパセリ 黒胡椒 パルミジャーノ・レッジャーノ
仕上げのバターは忘れぬよう!

だけどやさしくてまろやか、と~っても満足なスパゲッティ ナポリタン@うちでした
◇センターグリルのナポリタン
もう一店、忘れてはいけないのが、ケチャップのナポリタンを広めた横浜・野毛にある洋食店「センターグリル」だ。
行きたいと思いながら、たぶん行くことはない気がする。
作り方はネットで視聴できるのでぜひ!
確かに喫茶店のナポリタンの作り方のコツが詰まっているけれど、どこのうちにもうちが一番!なナポリタンレシピはあると思う。
センターグリル風ナポリタンにはこれ!ボルカノ赤スパゲッチ!
スパゲッティじゃなくてスパゲッチです。

日本の誇るナポリタン用スパゲッチ
ネット購入なので二種類まとめ買い

ポテトサラダはイタリアンパセリ入り
味付けはりんご酢、塩、マヨネーズ少々

15分ゆでて水でしめ、一晩冷蔵庫で寝かせます

香りが立ったら玉ねぎ(薄切り)、マッシュルーム(薄切り)を加え炒める
❷すぐに粗挽きチョリソー(斜め輪切り)と千切りピーマンを入れ、塩一つまみで調味する
❸トマトケチャップを少し加えて炒める
❹➌に寝かせておいたスパゲッチを加えて手早く混ぜ合わせる
❺フライパンの空いているところにトマトケチャップを入れて炒め、すぐに麺と具を混ぜる
*調理は強火で手早く行います
*最後に味が足りなければ塩一つまみ加えます
❻お皿に➎を盛り付け、黒胡椒を挽き、粉チーズをかける

なんやかやで半世紀近く作り続けていて、ハムじゃなくてウィンナーがうちのナポリタン
ウィンナーは平田牧場粗挽きチョリソーが好き
◇喫茶&カフェ「ヒナタボコ」のやわやわパスタに癒されたい
令和のやわパスもステキだ。
noteに毎日作品を発表されている藤家秋さん
作品に満ちる爽やかアオハルの空気で、若くなくたってついついあの頃の輝きを思い出させてもらえる小説や短歌の数々。
そこには読むだけで食べたくなる(料理したくなる)デパ地下みたいにキラメク料理があふれている。
にこにこと楽しげに具材を炒め、ソースを煮込み、塩コショウで味をととのえる。踊るような手さばき。うれしくてしかたないと、彼の全身が語っている。
「おまたせいたしました」
イカの白、海老のピンク。ぱっかりと開いたあさりに、新鮮なイタリアンパセリ。煮詰められたトマトは太陽のぬくもり。湯気までおいしい。獣じみた食欲がわいてきた。
「あの……めっちゃ、やわらかいんですね」
「はい、一晩寝かせました」
寝かせたパスタ? おかゆみたいなやさしさはトマトソースを吸い込み、かむごとにうまみが広がる。魚介の出汁ってこんな複雑な味なんだ。
「うまっ」
自宅じゃないんだった。はっと顔を上げると、とろとろの笑顔がそこに。

ーーー
「自分用なんすよ。変でしょ?」
~小説より引用

物語とちょっと違っているところわかりますか?
浅蜊がなくて買いに行こうにも激しい雨だったので冷凍庫の蛤を使いました
蛤のおだしが濃厚!イタリアンパセリの花もトッピング
パスタはボルカノ赤スパゲッチ2.2㎜をアルデンテにゆでて、水でしめて水気を切り、EXVオリーブオイル少々で和えて冷蔵庫で一晩寝かせています
(オリーブオイルは冷やすと固まるからNGらしいけど、私はそれでもオリーブオイルで和える!また炒めるんだしね)
確かに疲れている時ってアルデンテ気分じゃないわけで、シーフードやわやわパスタは癒しの一皿、納得。
◇濃厚カルボナーラ
「ただいまです。やわパスひとつ」とヒナタボコで裏メニュー「やわやわパスタ」を毎回注文する花歩。
濃厚カルボナーラ!ですと?!
やわやわパスタでカルボナーラという発想がなかったから、すごく気になる。ぜったい作ってみたかった。
これは1.7㎜スパゲッティでやわやわパスタかな?とアルデンテにゆでてオリーブオイル少々で和えて、一晩冷蔵庫でお休みしていただいた。

ベーコン2枚
全卵1個
パルミジャーノ・レッジャーノ大匙2
イタリアンパセリ少々
黒胡椒は絶対!
EXVオリーブオイル

まったり寛いじゃいました
最近めっきり風当たりが強くなってきて、受難の時代の小麦製品。
小麦アレルギーがあるわけじゃないから、私はデュラム小麦パスタや中華麺、うどん、パンなどの小麦製品をまったく口にしないというスタンス~グルテンフリーの食事実践~ではない。(確実に食べる回数は減ってはいるけれど)
たまに食べるパスタって、やっぱ美味しいんだわ。
やわやわパスタを食べながら、うん、スパゲッティって美味いよねと頷き合った昭和喫茶店ナポリタン世代の二人。
