見出し画像

自分の居場所(高齢の親の引っ越しは想像以上に大変だった)♯11

私は50代主婦。
現在80代の母の住居のエピソードを、綴ろうと思う。

母は現在、公営の賃貸住宅に住んでいる。
毎年、預金や収入についての調査がある。

母が今の住まいに当選できたのは、預金や収入が少なかったことに加え、長年同じ地域に住み続けて応募を欠かさなかったからだと思う。
ようやく落ち着いた今の暮らしがあるが、ここに至るまでは長い道のりがあった。

60代の父の死。
私が実家で暮らしていた頃は、民間の賃貸住宅だった。父が亡くなった後も、母は数年そこで一人暮らしを続けていた。

転機が訪れたのは母が60代の頃。建物の老朽化による「立ち退き」が決まったのだ。

オーナーさんからの突然の宣告

当時の母はまだ仕事をしており、住まいへのこだわりも強かった。
「一人暮らしでもワンルームは嫌」
という母の希望を叶えるため、ネットが使えない母に代わり、私たち姉妹が奔走した。

物件探しから契約の交渉まで、すべて子育て中の娘たちが担う形となった。

今でも忘れられないのは、引越し前日のこと。手伝いに行くと、荷物が全く箱に詰まっていない。
私がこれを片付けるの?と冷や汗が出た。

今まで母は、父に頼り切っていたのだろう。
結局、夜通しで荷造りをして引越しを強行した。

理想と現実のギャップ
新しく見つけた物件は、立ち退き前より家賃が数千円高かった。
妹は「この家賃だと更新時に厳しくなる」と忠告したが、母はその物件をすっかり気に入ってしまった。

70代母の名義では審査が通らず、
結局、娘たちの夫が借主や保証人を引き受けることで、ようやく新生活が始まった。
母は仕事もしつつ、友人達との交流もあり楽しそうに暮らしていた。しかし、収入に対して支出が多く、貯金はほとんどできていなかったようだ。

そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。

数年後、母が転倒したことで状況は一変した。

怪我を機に介護申請を行い、福祉の方々にもお世話になることになった。
大変感謝している。

何より驚いたのは、母にほとんど貯金がなかったことだ。
家賃を下げるための住み替えを検討したが、70代の高齢で持病があり、かついまのエリアで希望の間取りの物件を探すのは至難の業だった。

私の家で同居することも考えた。

しかし、家族それぞれの生活時間も違う。
それぞれの生活を守るためには、
現実的ではないという結論に至った。

最終的に、妹がネットで「セーフティネット住宅(住宅確保要配慮者専用賃貸住宅)」を見つけてくれた。
母にとっては不本意な部分もあったようだが、友人に会いに行ける距離で、かつ少し距離を置くことで自分の心のリセットもできるかと考えた。

新しい土地での暮らしと、生活は、
通院先の確保から始まった。
内科、歯科、耳鼻科……トラブルが起きるたびに新しい病院を探し、母がスタッフの方に顔を覚えてもらえるよう何度も付き添った。

週に一度のヘルパーさんの訪問や、GPS機能付きのスマホを持ってもらったことも、離れて暮らす私たち姉妹の安心材料になった。
今の地域は、母と同世代の方も多く交流も盛んで人との交流が好きな母にとっていい環境であった。

母は検索こそ使いこなせないが、LINEでのやり取りはできるようになり、デジタル機器は母の安心にもつながっているようだ。

セーフティネット住宅で数年を過ごし、先日ようやく公営住宅への入居が決まった。

引越しのたびに実家へ通い、荷物を整理し……。正直「やれやれ」という気持ちもあるが、母の居場所がようやく安定したことに心から安堵している。

私自身、過去に火災で家を失った経験がある。だからこそ「絶対安心な場所」などどこにもないことは分かっている。

それでも、高齢者にとっての居場所は、心身の健康に直結する重要なものだ。

高齢者と呼ばれる年齢になる前に、安心して住み続けられる場所を確保しておくこと。
それは本人にとっても、支える家族にとっても、何物にも代えがたい「備え」なのだと痛感している。

たくさんの
助けていただいた方に 感謝を込めて❤️

※ 苦戦しながら、AIを始めて活用してみました。(スマホは大変です😓)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集