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Enjilの音楽朗読劇「モルゲンロート」に登山に(観に)行った感想

今回は、声優の新垣樽助さんと劇作家の江嵜大兄さんの主宰するEnjilえんじるさんの第三回公演「モルゲンロート」を観に行ってきた感想です。昨年の公演はフォロワーさんからCDをお借りして第二回公演「Music Soldier」を聴いたくらいでした。

今回は初出演の吉野裕行さんと、第一回公演にも参加された能登麻美子さん、倉知玲凰さんのご出演でした。

Enjilさんについては以下に詳細です。

新垣樽助さんの朗読劇は、他に「ふたり芝居」というものがあり、私はそちらを観劇したりCDも聴いていたりしました。
感想はコチラ↓

⚠️今回は朗読劇に行っただけで台本やパンフレットを購入せずにおります。そのため内容や専門用語が合っているかを確認できずうろ覚えな部分や正しい言葉を使えていない部分も多々あるかと思いますので、どうぞそうした細かい部分に関して大目に見られる方はご覧ください。(厳しい方もいるかと思うので)

会場にはいる時に、チケットを見せるとチロルチョコを貰えるという楽しみ。実は昼の部を観劇したフォロワーさんから、これは後で食べてもいいんですよと教えていただいたのでしっかり出しやすいところに入れておきました。
舞台には後ろに下手側キーボード、上手側ギターがあり、演者の座る椅子とマイク、椅子のやや後ろにベンチの様な台に水とキャンプの時のランタンやロウソクの明かりのようなものが灯されていました。後ろには氷山の肌を思わせる白い布を重ねたスクリーンと、差し込まれた照明が鋭角な山の稜線や冬の枯れ木の作る木立のように見えました。時折スモークが炊かれるようにふんわりと視界が白っぽくなっていて、ヒューヒューと風の音に混じって、氷や雪の軋む音なのか、それとも山登りの人の着ているシャカシャカした服が擦れる音なのか、カシャカシャ、パリパリといったような音が聞こえた気がしました。
やや開演時間が過ぎてから影ナレで新垣さんが注意事項をいうのですが、場内での飲食は蓋付きの溢れない容器のものに限り可というアナウンスき、「例えばモルゲンロート水や、モルゲンロート水。モルゲンロート水などの…」とグッズにもあるモルゲンロート水を激推してくれたのにニコニコになりました。
そして開始。冒頭に「モルゲンロート」のテーマであるドラマティックな音楽をしっかりとピアノのfuraniさんとギターの宮崎大介が聴かせてくれます。照明も相まってそれだけでジワンとします。そして、現れた吉野さんと能登さん。
吉野裕行さんが演じる天野蒼汰さんは、能登麻美子さん演じる天野れいさんと二人で劔岳を登っているところです。ここでの、登る時に道具を使っていく息遣いがSEに合わせてすごくナチュラルで、ロープを使い全身を使って登っていくのが身動きと呼吸だけでイメージできる吉野さんと能登さんの演技力にため息が出ました。キラキラした雪山を、二人で更に登ろうとしている時に雪崩が起きます。嶺さんは一命はとりとめたものの、背中を打って自分では身体を動かせない状態に。そこで、蒼汰さんは大きな声を出しながら、指が千切れても助けると頑張るのですが、麓さんは自らロープを切ってしまいます。ここでのやりとり、身体に損傷がある能登さんのか細くなる声、先ほどの幸せそうで楽しそうな蒼汰さんから、悲痛なまでに声を張り上げる吉野さんの演技や声がすごく胸に刺さりました。マイクはもちろん通しているのですが、池袋アニメイトシアターで後方から見ていても、地声の圧が届くくらいに大きな声を出しているのを感じました。嶺さんが落ちたあとの暗転で能登さんは退場。吉野さんが椅子に項垂れたように座ります。
そのあと、新垣樽助さん演じる大蔵直己さんが富山県警山岳警備隊として登山者に登山計画表を見せてもらい確認しているところになります。そして現れた蒼汰さんに話があると言って二人になります。ここで、話しながら新垣さんが煙草を吸う演技をするのですが、そうした演技をみるのが大好きなのでめちゃくちゃ嬉しかったです。そして、何より驚いたのが、吉野さんの表情の変化でした。冒頭に見た嶺さんとの登山での楽しげな表情は消え、そこには眉間にシワを寄せたような、重苦しい寡黙な蒼汰さんがいました。
直己さんから頼まれたのが、倉知玲鳳さん演じる渡辺晴香さんの、小説の取材を受けるということでした。晴香さんは若さに溢れていて、まるでヒーローのように人を助ける山岳救助の民間ボランティアのイメージで蒼汰さんの仕事を見学にきた感じでした。倉知さんの演じる晴香さんは、言葉を選ばずに言うと「若さゆえの無神経さ」をすごくしっかりと演じ切っていて、対する蒼汰さんが喪失の悲しみを抱きつつ日常を山で過ごし、日々救助できることも、出来ずに命を落とした方を搬送することも淡々としているのを垣間見せてくれるキーパーソンとして、すごくいいお芝居だったように思いました。蒼汰さんが舌打ちをするのを直己さんが嬉しいからするんだ、と言われてそのまま舌打ちされると喜んでいると解釈する晴香さんにイライラしたり塩対応したりする蒼汰さんが見られてよかったです。晴香さんのお父さんは渡辺武夫さんと言って、蒼汰さんが嶺さんを亡くした同じ時の雪崩で、救助隊にいた直己さんや他の隊員を救うために殉職していたのでした。
直己さんと蒼汰さんの過去の回想シーンでは、二人が着ていた登山服の上着を脱いで腰に巻くことで表現されていて、少し若い頃のお二人の様子が見られました。直己さんと登山にいき、いきなり結婚しようと思うと言い出し驚かされる直己さんや実際にお高めのレストランに呼び出されて嶺さんを紹介されると、嶺さんのあまりの綺麗さに「おい!」となってマイクを離れて吉野さんの肩口あたりにパンチを2度しにいった新垣さんに笑いました。(ここは14日昼の部はパンチしてなかったらしい)マッチングアプリで失敗したエピソードがあって直己さんがめちゃくちゃいい人なんだなってなりましたし、コロコロ笑いながら二人の仲良しさを感じる嶺さんが眩しかったです。
そんな過去を思い返しつつ、山での救助が差し迫って晴香さんを下山させる蒼汰さん。寝ると、また嶺さんとの幸せな日々の夢を見ます。嶺さんがいるから人としてまっとうな暮らしができていた蒼汰さん。山のことしか考えてなかった山バカの変人と直己さんに言われていた蒼汰さん。結婚のプロポーズに山に登ったのにいざと言う時に上手く言えないし、指輪もなくてカラビナを上げる不器用な蒼汰さん。私の中の吉野さんのお人柄にも、似たような不器用さやお仕事への一直線さを感じでなんだかすごく素敵に思いました。
(このあたりからすでに感想と実際のお芝居の内容の順はぐちゃぐちゃかもしれません)
夜、直己さんが蒼汰さんのところにやってきて様子を聞いた時に、自分を救ってくれた武夫さんの娘だから力になりたいんだと言います。ここでだったと思うのですが、直己さんは結局、結婚もせずに仕事をしていることが分かります。いつ自分がどうなるか分からないからこそ、独り身でいるのかなと感じました。
翌日もまた晴香さんが取材に来てなんとか蒼汰さんに食らいついて仕事について聞こうとします。蒼汰さんに何故山に登るのかを前日も尋ねていたようにその気持ちを聞こうとしていると、まさに雪崩に合う登山者を見つけます。二人で救助に向かうと、さらなる雪崩に巻き込まれます。ここで嶺さん作るご飯がおいしいと言う夢をみるんだったかも。また二人で劔岳に登ると言われて、そこで嶺さんを失いたくないから嫌だという蒼汰さんの悲しい声に辛い気持ちになりました。
なんとか直己さんの呼びかけで気を取り戻し、雪崩で左腕を骨折した晴香さんを連れてビバークします。晴香さんに蜂蜜入りのコーヒーを飲ませて落ち着かせると、甘い物をとカバンからチョコを渡して食べるように言います。そして、「みんなも食べるんだ、許可は取ってあるから」と吉野さんが客降りをして客席の階段を歩いてきたんです!!!わーーーーすごい!!とここでしっかりチョコを食べて包装紙を吉野さんに小さく振って見せました。ウンウンとお客様を見つめながら吉野さんはJ列くらいまで来てくださいました。同じく倉知さんも「ええ、誰に言ってるんですか?」と聞きながら(吉野さんは普通にお客さんと答えるメタな返事が最高)下手の階段を登り、舞台に取り残された新垣さんが「え、舞台に取り残されたんだけど?」みたいな困惑した感じになって笑いました。ここで、夜の部の時の演出なのか、新垣さんが音楽を所望するとfuraniさんと宮崎さんがすぐにマ◯ケンサンバ風メロディーを流して「あ、これなんか踊りたくなるような」と新垣さんや倉知さんも振りをしだすシーンがあって笑いました。そして、そこでほっこりすると蒼汰さんに戻った吉野さんが「しっかりしろ!低体温で意識がはっきりしてないみたいだ」みたいな感じで現実に引き戻してくれます。
待っているビバークの雪洞の中で、寒く身体の感覚を失いつつ死の恐怖に怯える晴香さん。そして、蒼汰さんは外に遭難者を探しに行こうと外に出ます。直己さんと無線で会話する途中で、全てが白くなり何も見えなくなった先に、ようやく5年前に死んでしまった嶺さんを見つけるのです。センターのマイクで向き合いながら話す二人。能登さんは、とても優しい声で、自分は死んだと残酷な現実を嶺さんとして言うと、あまりにも辛そうな様子で蒼汰さんが答えます。ずっと山で探してたのは、あの時に自らロープを断った嶺さんだったのです。でも、もうこれしかないのとプロポーズの時にもらったカラビナを渡し、嶺さんは去っていきます。向き合った二人が手を伸ばし、ギリギリのところで触れ合わず能登さんはすれ違って退場、吉野さんは床に手をついて崩折れます。ここの慟哭がもう朗読劇を超えたお芝居で、本当に切なかったです。
雪洞に残された晴香さんは、死の恐怖に怯えながら今度は亡き武夫さんと会話します。ここで、シリアスだったはずのシーンでお父さんが「すみっコぐらしのペンギン?が好きで地図を虫眼鏡で見てるぬいぐるみが欲しいけど見つからなくて」みたいなこと言って晴香さんがツッコむ的なコミカルシーンがあったのでよかったです。ちなみに新垣さんは本当にすみっコぐらしのペンギン?さんが好きなのは毎月興津和幸さんとやってる配信番組で言ってたことがあるのでムフフとなりました。晴香さんはここで、お父さんが自分やお母さんを顧みずに山の救助に専念して、挙句に亡くなったことを責めるようなことを吐き出します。それまで若くて希望ばかりに見えていた晴香さんの背景に、自分の人生に山のせいで関わりを持てていなかったことが滲んできます。単なる若いネーチャンなわけではないところが良かったです。そして、ちょっとこのへんがうろ覚えなのですが、雪洞を出てきてしまった晴香さんと先に出ていた蒼汰さんの元に、いてもたってもいられずに自ら救助に駆けつけた直己さんと他の隊員さんが到着します。ここで照明がピンクになって、まるで朝焼けの空が雪原に照り映えてるようでした。

自分のためにあんなに多くの人が来てくれたことに、自分の軽率さや愚かさを感じてもう小説なんか書けないという晴香さんに、直己さんは読みたいと言ってくれます。今回助けに来てくれた隊員さんが、父武夫さんに寄って救われたメンバーであり、武夫さんがどのような思いで仕事をしていたのかを直己さんが話します。救助ヘリを呼ぶ直己さんの声を演じる時、新垣さんは本当にそこにヘリを見て大きな声を出してくれ、引っ張り上げられる晴香さんが目に見えるようでした。その前に、晴香さんは白いウエアの嶺さんらしい女性をあの遭難時に見た、その女性は笑顔だったと告げてくれます。
後日、休暇に登山をする直己さんのザイルパートナーとして蒼汰さんと劔岳を登っているところに、蒼汰さんに晴香さんから小説の相談の電話がかかってくるところでお芝居は終わりました。

細かいセリフは覚えてませんが、蒼汰さんは嶺さんを見つけようとして山に登り続けていたことを、嶺さんがいないと分かっても、劔岳での救助などの山に関わる仕事をこれからもしていくであろうという思いを感じる終わり方でした。

この登場人物はそれぞれ山に魅入られ、時に縛られている人たちだと思います。蒼汰さんは晴香さんを伴っての遭難時、自分がまだ嶺さんの喪失を受け入れられずにいた中で、それでも山に登ることをやめないでいてほしい嶺さんの気持ちをそこで受け取ったのかなと思いました。直己さんは、5年前の遭難で命を救われてから、自分が武夫さんのように最後まで諦めずに人を助ける立場に向かった人、晴香さんは自分の父を山に奪われたようなところから、そこに何があったのかを見つける人。そして、嶺さんはもはや、山自身のような。山に登ることで蒼汰さんがまた嶺さんと出会えるような感覚になれたらいいのになと願うような終わり方でした。

いや〜!!素晴らしかったです!
まず、新垣さん。持ち前のキャラクターというか、おちゃめさがある男性を演じさせたら天下一品なんですよ!それで真剣に救助に向かう時の切り替わり。そしてお父さん役も。ヘリを呼ぶ声の伸びやかさを聞いてすごく自分も助かったような安心感でした。
吉野さん。嶺さんがいたころといなくなってからの表情、違いすぎません?!というくらい、全てが全身からオーラが変わるような演技でした。あと、セリフを言わない時も言う時も極力前を向かれていて、台本を見てない感じだったのうに見えました。その陰で没入感が半端なかったです。山のことしか考えてないみたいな蒼汰さんのキャラクター性は、時折他の声優さんから演技に対する姿勢を武士のようだと評される吉野さんだからこそ、ぴったりとした感じがしたと思いました。
倉知さん、かわいいです、本当に。元気に演じるからこそ、遭難した時の怯えなどが引き立ちました。お話を回していくポジションというので、テンポなど小気味良くしてくださいました。
能登さん。すごい、天使か女神でした。登場してハッピーからの急降下、そしてリアルに痛そうな表現、蒼汰さんのもだもだグダグダプロポーズにじれったくなってもっとちゃんと!という時のコミカルさ、そして最後の二人での向き合った掛け合い。あの時のシーンは透き通るみたいな透明感でした。蒼汰さんの指を見て、こんなにボロボロになるまで頑張ってくれたんだねぇと声をかけた(セリフはうろ覚え)あの時、すごく胸が苦しかったです。
実力のある役者さんたちに、プラスしてfuraniさんと宮崎大介さんの演奏が臨場感もムードも添えてくださいました。蒼汰さんや晴香さんの気持ちの苦しみに対して、不協和音の混じるような不安定な感じの音楽だったり、あのマツケン◯ンバとか…(笑)生演奏で聴けることに豪華さよ!!!音楽の知識が全然ないから上手く言葉にできないけど、録音した音声では味わえない生々しい音がお芝居にリアリティを出してくれたと思います。

私が見たのは一度きりでしたが、どんどん話が進むにつれて雪山にいるような情景が見えてくるようでした。素晴らしい体験を本当にありがとうございました!!
現代ってこう、お金とか名誉に縛られたり自己承認欲求に振り回され(私もそうならないか自戒をこめ)たり、世界情勢も不安定だし色々あるけど、この座組でこの人数で織りなすしっかりとしたお芝居の空間があることにとても心が癒されました。映画を作れるかもしれないしアニメでもいいかもしれませんが、でも敢えての音楽朗読劇。だって、音楽と素晴らしい演技と舞台装置、音響効果だけで、ちゃんと雪山を体験できるのですから。展示として終演後に蒼汰さんの使った登山用具が置いてあって触れられるというのも素晴らしいアイディアでした。私は時間の都合で寄れずフォロワーさんにお写真を見せていただきました。
(配信がないのは事情もあるだろうしやはり空間ごと味わってほしいのもあるのかもしれない、私は友達になかなか現地に来られない方も多いのでそれを思うとあれなのですが配信では伝わらないものがありすぎるとも思う)
こうしたお芝居を続けていきたいという新垣さんと江嵜さんの心意気が素晴らしいと思いますし、なにかしらその思いを自分なりに触れた気がして本当によい経験でした。

本当に、ありがとうございました!!!

おまけ

新垣さんがお知り合いのミュージシャンの方と東京と大阪で4月と5月にライブをされるんだそうです。こちらのライブもとんでもないよさがあるので私が体験したときの感想をよければご覧ください↓↓↓これはすごかった…

ライブ詳細はコチラ↓↓↓

樽生たるなまさんの雰囲気と曲も聴ける最新ラジオ

(推し殿も昼の部にいらっしゃったとのことでどんな風に考えながら見てたのかと分かりもしない想像をしながら見てました)(私もまた推し殿の朗読劇を生で見られる日を楽しみにしたいと思います)(新垣さんはお芝居も音楽も手触りのあったかいものを作るのが上手いしそこが素敵なところだなと思いました)

革命的なグッズでした!!!

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