そっとさりげなく咲く雑草の花のような受けと優等生な攻めのBLCDで安定した演技を楽しむ「すみれびより」感想
今回は月村奎先生原作「すみれびより」の感想です。最近こちらの原作小説をフォロワー様からお借りしたので、いつもの順番を少し繰り上げて感想を書くことにしました。
ちるちるさんの詳細。↓↓↓
(情報を調べたら過去の雑誌付録に「キンモクセイびより」というのがあったことに今更気が付いたのですがすぐに単品で手に入るのが見当たらず聞けておりません)
ネタバレない感想。
エロを期待しないで、ただただ穏やかなお話を聞きたい人にオススメ。興津さんと松岡さんのCDは先に「秋山くん」シリーズを聞いていたため、受け攻め逆なのが面白いし当たり前にお二人ともお上手なのでなんのストレスもなく聞けて、素敵な作品という感じでした。あと、使うスタジオやマイクの関係とかなのか作品が静かな印象なのもあってなのかわからないけど、珍しく興津さんがセリフの合間にブレスするタイミングがわかりやすく聞けて個人的にワクワクしました。
ネタバレありの感想。
主人公は大町芙蓉さん(CV松岡禎丞さん)で、祖母の営む学生のための少しレトロな下宿屋「大町館」を手伝っています。そこに、小学生の頃に半年だけ仲良くしていた西澤浩一郎さん(CV興津和幸さん)がやってきます。
大町さんは、母親からネグレクトを受けていて小学校でも孤立していたという境遇で、そんな中で唯一親しくしていたのが西澤さんでした。再会は嬉しいものの、実は片思いをしていた自分の気持ちをバレないようにと大町さんは隠します。まあ、バレないようにと言いながら、ちゃっかり西澤さんの分のお弁当のおかずを増やすところがかわいいんです。
西澤さんは大町さんと距離を近くしてきて、それにいちいちドギマギするのが初々しい。松岡さんの演技が光ります。というか、私のなかでは松岡さんはとても繊細な人間性の人だと思っているのですごくしっくり来ました。対する西澤さんの、優等生ボーイの興津さんの演技も正統派イケメンボイス(ちょっと優しめ)という感じでした。
お話の二人の会話で、お話の鍵になっている色々な植物の豆知識も聞いてて楽しいです。
ある雨の日に雨宿りでベンチにいる時、うっかり目を閉じてしまった時に西澤さんからキスをされてしまいます。それを「自分が物欲しげだから同情でキスしただけ」と思って避けまくっていると、西澤さんから「友達としていたいからなかったことにして」と言われ、でも他の下宿人と話しているところを見て部屋に連れ込まれてそこで西澤さんからの想いを聞きます。
なんか、こう、何か全てが懐かしい───。
こういう表現はBL愛好者の方には不快に思われるかもですが、なんとなく王道少女漫画のような展開!!!と、小学生の頃に折原みとさんの小説を他の人たちより早めに読んでた私は思いました。(周りが読み出した頃にはもっと大人向け小説に移行してた)可憐で控えめな主人公が王子様的な人に好かれるなんて展開、何回も見た気がする!でも、この「すみれびより」はおどおどしてるけどちゃんと男の子だし、男の子だからこそ恋愛は出来ないって諦めてるんで、全然違うんですけど。そして松岡さんの演技も女々しいけど完全に女子というわけでもないのでそこがいいですよね。
性別関係なく、その人の持ってる輝きが普通の人には見えなくて、運命の相手にだけは見えてるみたいな展開って本当にいつの時代でもいいと思えるんだなぁと謎のしみじみした気持ちになりました。
ちなみに、ここでの西澤さんが自分の気持ちを明かすところでかなり狼狽えてる感じが、興津さんの呼吸浅めのブレスでいい感じにセリフで表現されていて、対する大町さんの泣きながらのセリフも大変切ない演技だったのは言うまでもない感じです。
二人が両思い良かった良かった。
二人が付き合うまでが「すみれびより」なのですが、次の「あじさいびより」は二人にとっては少しだけすれ違うお話です。西澤さんとのキスを下宿人の田上さん(CV白井悠介さん)に見られたときに西澤さんが「ただ熱を測っただけ」と誤魔化したことで、自分との付き合いを隠したいのだと思って距離を取ろうとします。二人の仲をなんとなく察して田上さんはわざと大町さんにベタベタしてみて、西澤さんから「大町は俺のものだからです」という文言を引き出すあたり、田上さんの人の良さが溢れてます。田上さんが二人の馴れ初めを大町さんから聞いた時の「あいつクールなインテリ面してパッションあるな!」のセリフ良かった〜。
二人の誤解が解けて、二人でいちゃいちゃするところがあるんですけど、いい雰囲気です!いい雰囲気でいいBGMで大好きなシーンなんだけど、最後のセリフが「次は口でさせてね」が受けました。何の目的で西澤さんがトイレに駆け込んだのかも分からない大町さん、ナイスですね!
あじさいの花言葉を使った素敵なお話でした。
最後は「ふようびより」。大町さんの名前の芙蓉の花が出てきます。二人で西澤さんの実家に行く話。親が子供を愛せないってことを淡々と話すのが印象的でした。この話は植物の話がモチーフになっていますが、植物は種を落としたらあとはそのまま自力で育つしかない、置かれた環境に耐える事がないというあたりが、大町さんのイメージに重なる気がしました。あと、この作品は大町さんの祖母役と西澤さんのお母さん役は山口享佑子さんが二役演じているのです!寡黙なおばあちゃんと、優しげなお母さんの声の演じ分けが素晴らしかったです。
西澤さんが庭に芙蓉を植えていたお話もしっかり聞けます。
うーん、綺麗。これを庭に植えようとする中学生粋過ぎる。そんな息子が私も欲しい。
汗をかいたからとお風呂に一緒に入ってのシーン。ちょっとだけ家族のいない間にそういうことをするのに後ろめたさを感じた時の大町さんのモノローグがこれなんですが
この清らかで明るい幸福感が間違いだというなら、この世に正しいことなんてひとつもないと思う。
ここのきっぱりとした言葉があってなんか救われました。自分を否定したり他の人からみたら自虐にすら思えるようなメンタルの大町さんがここまでちゃんとはっきり言えるんだなぁと思ってそこにじんとしました。興津さんと松岡さんの演技は最後の最後まで最高でしたよ〜!!!
フリートークは18分弱。興津さんと松岡さんはフリートーク始めにわりとふざけた感じでやってくれるので好きです。「よせやい☆」っていうのが大好き。小説ベースだからもあるけど、松岡さんのセリフが多かった。大町さんの性格に共感が強い松岡さんに、ちょっとボケてツッコミ待ちをするも自分でごめんという興津さん。興津さんの初めての生け花のお話が聞けました。お互いの好きなシーンの話で、随分昔に松岡さんと興津さんがアニメのラジオで一緒だった頃を振り返るエピソードが出て、興津さんの先輩感が感じられます。松岡さん大事ところで「おぉぃ…」って誤魔化して笑いました。興津さんがカタツムリをでんでん虫っていう事実にかわいいだろと頭を抱えました。そこから危険な意味の花言葉について盛り上がりました。
興津さんが好きだったバラはこんなでした。オレンジっぽいな。興津さんが自分の誕生花を知っててその花言葉を話してくれるのですが(そういうのを知ってるのも意外)、言い方次第で花言葉のニュアンスが変わるのがすごく面白かったです。クリスマスイブの収録だったそう。この世界が続きますようにと願って終わりました。
原作を読んで。
実は成人する前、なんとなくまだBLというジャンルが確立してない頃に、図書館でそれっぽい本を読んでいたんです。耽美ものとか。山藍紫姫子先生とか。なんか、書生さんがそこの結核にかかっている帝大生のご子息の最期を看取る話とか。家出少年がとあるサラリーマン風な大人に拾われてなんとなく一緒に済んで部屋のアロワナ飼ってる話とか、なんか読んだんです。(タイトル全然思い出せない)でも、こうして最近の商業BLを嗜むようになってからはマンガとCDメインになっていたので、「すみれびより」が久しぶりのBL小説でした。読んでみると、月村奎先生の繊細な描写もあってサクサク読めました。CDにはない詳細なエピソードもありました。小学生のころの具体的な過去の記憶。おばあちゃんに母との話を聞いて、そのあと西澤さんに会いに行くところや、実家の方に帰って大町さんのことを密かに思っていた女子との再会し、叶わないのがわかっていて告白されるシーンなど。 なるほどなるほど、とより世界が鮮明に詳細に感じました。世界を丸ごと味わうなら断然小説です!でも、CDは色々さっぱりとはしていますが、お話の大事な雰囲気は損なうことなくちゃんと表現されていると思いました。たった四人だけのキャストさんで作られてるとは思えないくらい、しっかりと世界観が伝わりました。
BLCDは殆どが原作ありきのものが多いので、漫画でも小説でも、作者さまが素敵な作品を生み出してくださったお陰で楽しめると思っています。よい作品が原作とCDという違った媒体で両方楽しめるなんて最高ではないか!と思いました。富士山を直接観に行くのも、富士山さんを描いた絵を見るのも、どちらも富士山を楽しんでることには変わりないけど、どちらもそれぞれの良さがあるなぁという感想です。
キャストインタビュー↓↓↓
そんなわけで、今回はここまで。いつもお読みくださりありがとうございます!あと、御本を貸してくださったフォロワー様にも感謝です!!
(好きな植物はツツジなので4月下旬〜5月はとても好きな季節)(インタビューの時の昔の写真を見るのが大変好き)(自分にはファッションセンスはないのでよく分からないけど)(gieの名前はマグノリアから来ています)(どうでもいい知識)(「ぼくの地球を守って」とか懐かしくて読みたくなった)(植物関係だからかな)(錦織一成さんに性癖を歪められた記憶)
いいなと思ったら応援しよう!
チップは必要ありません😊どうか、あなたの心を癒したり支えになったりするような作品に出会えますように祈っております!今後ともよろしくお願い致します!