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好意も、敵意も、必ず返ってくる。人間関係を動かす最強法則「返報性の原理」

皆様のセールスコンサルタント、ごりごりのおちびさんです。

前回の記事では、新しい出会いが増える春に向けて、相手の警戒心をスッと解く「自己開示」の技術についてお話ししました。
嬉しいことに多くの反響をいただき、やはり皆様、仕事でも私生活でも「初めまして」の人間関係には少なからずエネルギーを使われているのだなと実感しています。

▼前回の記事はこちら

前回、「先に心を開いた方が、関係構築の主導権を握る」とお伝えしました。
今回は、その種明かしとも言える、人間の心理の根本的なルールについて少し深掘りしてみようと思います。

■ 「冷たい態度」に、無意識に引っ張られていないか

仕事でも私生活でも、「なぜかあの人とはいつもギクシャクしてしまう」「見えない壁を感じる」という相手はいませんか?

相手が事務的で冷たい態度をとってくるから、こちらも必要最低限の言葉しか返さない。
相手が不機嫌そうだから、こちらも無意識に顔がこわばり、心のシャッターを下ろしてしまう。

実はこれ、あなたの性格が悪いわけでも、相性が絶望的に合わないわけでもありません。
私たち人間の脳に深く刻み込まれた、極めて強力な「プログラム」が作動し、相手の感情にただ「反射」してしまっているだけなのです。

■ プラスにもマイナスにも働く「お返しの法則」

心理学やマーケティングの世界でバイブルとされる、ロバート・B・チャルディーニの著書『影響力の武器』。
ビジネスにおける超名著ですので、すでにタイトルを知っている方や、実際に読まれたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

ただこの本、いざ本屋で手に取ってみると、分厚いハードカバー。
「これ、本当に最後まで読めるのかな……」と、その重圧感に怯んでしまう方も少なくないと思います。(笑)

ですが、いざページをめくってみると、ビジネスの現場はもちろん、日常生活の人間関係にもそのまま取り入れられる生々しい事例ばかり。
さらに、ところどころにちょっとしたコミック調の挿絵も挟まれており、スラスラと読めてしまう良書なんです。

さて、この本の中で、人を動かす最も強力な心理として紹介されているのが『返報性の原理』です。

スーパーの試食でお肉を食べたら、ついその商品を買いたくなってしまう。

見積もりの段階で、頼んでもいないのに丁寧な「ラフ案」まで作ってきてくれた相手には、ついそのまま仕事を発注してしまう。

あれがまさにそうです。

「何かを与えられたら、お返しをしなければならない」という人間の強烈な心理的欲求であり、営業の観点から言えば「相手に、『買わなければいけない』と思わせる、極めて強力で、少し恐ろしい技術」でもあります。

▼書籍:影響力の武器[新版]:人を動かす七つの原理

多くのビジネス書では、「だから先に相手にメリットを与えましょう」というポジティブな文脈で紹介しています。

しかし、本当に恐ろしいのはこの原理の「裏の顔」です。

返報性の原理は、プラスだけでなく「マイナスの感情」にも全く同じように強烈に作動します。

たとえば、車の運転中。

無理やり急な割り込みをされたり、後ろから理不尽にクラクションを鳴らされたりすると、一瞬カッとなって「やり返してやろうか」という衝動に駆られませんか?(※もちろん、あおり運転は絶対ダメ)

スーパーやコンビニでも同じです。

店員さんがイライラして雑な対応をしてくると、客であるこちらも無愛想に振る舞いたくなる。
逆に、横柄な態度をとる客には、店員側も冷たい対応で応戦したくなりますよね。

仕事の現場でも全く同じことが起きています。

例えば打ち合わせで、相手の意見や現状を無意識に「否定」するような言葉を使ってしまうと、相手も即座に心を閉ざします。
そして今度は、あなたの提案やスキルを「否定」する理由を無意識に探し始めるのです。
結果として、どんなに良い提案をしても、非常に厳しい評価や冷ややかな対応が自分に返ってきます。

冒頭でお話しした、お互いに「心のシャッター」を下ろし合ってしまう現象も、実はこのマイナスの返報性が引き起こしている状態なのです。

■ マイナスの空気を「好意」で上書きする

では、明らかにこちらを警戒している相手や、すでに冷たい空気が流れてしまっている現場で、私たち営業はどうやってこの「マイナスのループ」をひっくり返しているのか。

相手のペースには絶対に乗りません。
私たちが戦略的に行っているのは、相手の警戒心に対して、あえて「好意」と「関心」と「敬意」をぶつけることです。

相手がどんなに硬い表情であっても、あるいは少し否定的な態度をとってきても、こちらからは絶対にその警戒心や敵意を打ち返しません。
まずは「あなたのお話に深く興味があります」「あなたをプロとしてリスペクトしています」というポジティブな感情を、言葉や態度、そして前回の『自己開示』も交えながら、こちらからスッと差し出すのです。

すると、見えない壁を作っていた相手の無意識下に、「自分が冷たくしてしまったのに、こんなに良くしてくれた」という『プラスの返報性』が作動し、次第に「こちらも誠意を持って応えよう」という態度に変わっていきます。

これが、私たち営業が現場で使っている、関係性をコントロールし「主導権を握る」ためのカラクリです。

■ 「引き出したい感情」は、自分から投げてしまう

個人のスキルで勝負するフリーランスやクリエイターの方なら、この最強法則「返報性の原理」を知っておくだけで、仕事のやりやすさが劇的に変わります。

例えば、クライアントからの連絡に、要件だけでなく「いつも丁寧なフィードバックをありがとうございます」と一言だけ感謝を添えてみる。
私生活なら、少し気難しいご近所さんに、あえてこちらから先に笑顔で挨拶をしてみる。

「相手がどう出るか」を待つのではなく、「相手から引き出したい感情」を、自分から意図的に投げてしまうのです。

人間関係は、良くも悪くも、こちらが投げかけたものがそのまま返ってくる鏡のようなもの。
だからこそ、好意も敵意も倍返しになる最強法則「返報性の原理」を理解し、あなたの方から「小さな好意」を投げてみてください。

ほんの少しの「好意の球」を投げるだけで、人間関係の主導権は驚くほど簡単にあなたの手の中に収まるはずです。

それでは、今週も良い一週間をお過ごしください。

ごりごりのおちびさん


【追伸】
今回は、人間の心理を動かす「返報性の原理」について語ってみました。

次回は、新しい関係が始まる4月に向けて、人間関係を円滑にする「上手な相談のしかた」についてお話しします。

……というのは建前。

本当は、あえて相手に「教える」という小さな労力を使わせることで、いつの間にかあなたのことを「自分が目をかけてやっているお気に入りの人」に仕立て上げてしまう、したたかな懐への入り方です。

お楽しみに。

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また、もし私にご興味があれば、最初の記事からご覧くださると幸いです。良いモノを作れば売れるほど、甘くない世界で戦うあなたへ。

▼ 営業の攻略法を見つけてしまった男の話

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