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「みんなと同じ」は嫌うのに、「あなただけ」には酔ってしまう。理性を奪う人間心理「スノッブ効果」

皆様のセールスコンサルタント、ごりごりのおちびさんです。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

すっかり春めいて、お出かけやショッピングが楽しい季節になりましたね。
そろそろ「春夏物の新しいアイテムでも見に行こうかな」と、胸を躍らせている方も多いのではないでしょうか。

実はこの「お買い物」の気分が高まっているときこそ、私たちは見えない罠にハマりやすくなります。

たとえば、日常のふとした瞬間に、こんな経験はありませんか?

自宅のポストに、クレジットカード会社からの重厚な封筒。
「限られた特別な会員様だけに、プラチナカードのインビテーションをお送りいたします」
こんな案内状を見て、「自分もついに選ばれる側になったのか」と誇らしい気持ちになり、年会費がグッと上がるにもかかわらず申し込んでしまったこと。

あるいは、お気に入りのハイブランドのお店に足を運んだとき。
店員さんから、「いつも懇意にしてくださっている〇〇様だからこそ、お見せしたいものがありまして……」 と、奥の部屋に通され、店頭には並ばない特別なバッグをこっそり提案されたこと。

「みんなが持っている定番モノはちょっと違うな。どうせなら自分だけの特別なものが欲しい」と、予定していた予算を大きくオーバーしてでも「じゃあ、いただきます」と奮発してしまったこと。

あなたも私も、きっと心当たりがあるはずです。

「自分だけが特別扱いされている」「他の人は持っていない」と言われると、つい心が躍ってしまいますよね。

実はこの心理、前回お話しした内容と【真逆】のアプローチなんです。

▼ 前回の記事はこちら「バンドワゴン効果」

前回は、「他のお客様もみんな買ってますよ」と言われると安心してしまう集団心理についてお話ししました。

しかし、世の中にはこの言葉がまったく効かない……どころか、「みんなと同じ? じゃあ俺はいらないわ」とヘソを曲げてしまう人種がいます。

本日は、そんな「みんなと同じが大嫌い」な彼らですら、理性を吹き飛ばして喜んでハンコを押してしまう……。

「あなただけ特別に」という強力な心理効果、『スノッブ効果』についてお話しします。

■ なぜ私たちは「特別扱い」に弱いのか?

そもそも、なぜ人は「あなただけ」「特別な品」といったシチュエーションに、これほどまでに弱いのでしょうか。

その本質は、心理学で証明されている「独自性欲求」という、人間の痛切な願いにあります。

現代は、気を抜くとあっという間に「その他大勢」に埋もれてしまう時代です。
誰もが知る定番のブランドを持ち、SNSでバズっている流行りの服を着る。

それは「みんなと同じ」という安心感を得られる反面、心の底では「自分はただの量産型の人間になってしまっているのではないか」という『没個性への恐怖』を抱えさせます。

だからこそ、私たちは「手に入りにくいレアなモノ」や「自分への特別扱い」を前にすると、「これを手に入れれば、自分はその他大勢とは違う『唯一無二の特別な存在』になれる!」とアイデンティティが刺激され、快楽物質であるドーパミンを分泌させます。

みんなが持っていると欲しくなくなり、誰も持っていないと猛烈に欲しくなる。

これを心理学では『スノッブ効果』と呼びます。

(※ちなみに、「数量限定」「期間限定」なんかはスノッブ効果と損失回避を組み合わせた強力なマーケティング戦略ですが、『損失回避』について語り出すと長くなるので、こちらはまたの機会にたっぷりお話ししますね)

■思考を止める言葉選び

この人間の本能を、私たちのようなセールスのプロが放っておくはずがありませんよね?

一般的な営業マンは、相手が誰であろうと商品のスペックを一生懸命語ったり、「他のお客様にも人気です」と全員に同じアピールをしてしまいます。

これでは、「みんなと同じが嫌いな人」には完全に逆効果です。

一方、トップセールスがなぜ「トップ」であり続けられるのか。
それは、『ソーシャルスタイル理論』などを深く理解し、もしくは、直感的に目の前のお客様のタイプによって「言葉選び」を変えているからです。

目の前のお客様が、直感で生きる【お祭り男タイプ】だと見抜いた瞬間。
「みんな買ってます」という言葉を封印し、モノの良さではなく「お客様自身の希少性」について語り始めます。

「ここだけの話ですが……」

「本来はご案内できないのですが、〇〇様のビジョンに強く共感したので、特別に上に掛け合ってきました」

このような形で 「あなたが私にとって特別な客だから、特別な条件を持ってきた」と囁くのです。

これが、お祭り男タイプの「自分は特別だと思いたいプライド」に強烈に突き刺さります。

するとあなたは、「俺だから出してきたんだな!」と最高に気分を良くし、ハンコを押してくれますよね?

■「選ばれる側」から「選ぶ側」へ。個人で戦う人が持つべき武器

ここまで「買い手」としての心理をお話ししてきましたが、実はこのスノッブ効果、noteを読んでいるようなクリエイターやフリーランスの方が「売り手」になった時にも、武器になります。

それは、「顧客の選別」です。

「お仕事なら何でも受けます!」というスタンスは、一見親切ですが特別感はゼロですよね?

逆に、「私のスキルは〇〇なビジョンを持つ方にしか提供しません」「本気で事業を伸ばしたい方とだけお付き合いします」と、あえて条件をつけるとどうなるか。

これをクリアして依頼してくれたお客様は、「自分はこの人から認められた」という優越感を感じます。
結果として、無理な値引き交渉などが起きにくくなり、お互いにリスペクトを持った質の高い関係を築くことができるのです。

大企業のように「安く大量に」ができない個人にとって、「誰にでも」ではなく「条件を満たしたあなただけに」という特別感を演出することは、自身の価値を高める武器になるはずです。

■特別感という酔いから目を覚ます方法

「ここだけの話ですが」「あなただけに特別に」

これらの言葉は、安心感ではなく「優越感」で思考を奪うセールスのテクニックです。

もし日常で、そんな甘い言葉に気分が良くなって、つい財布の紐が緩みそうになったら。
決める前に、一度だけ「頭を冷やす質問」を自分に投げかけてみてください。
店員さんの笑顔も、奥から出てきた特別感も、全部一度忘れて。

『もしこれが、店員さんからの「特別扱い」がゼロだったとしても、私はこの金額を出してこれを買いたいと思うだろうか?』

この、少しだけ意地悪な自問自答をするだけで、あなたの脳を支配していた「特別感という酔い」がふっと冷めます。
「選ばれた優越感」にお金を払うのではなく、「そのモノ本来の価値」にお金を払う。
この「一瞬の冷静さ」を持つだけで、あなたは営業マンが仕掛けた罠から目を覚まし、本来の納得できる判断を取り戻せるはずです。

ごりごりのおちびさん


【追伸】

次回は、「みんな買ってます」も「あなただけ特別です」も一切通用しない、警戒心MAXの【オタクタイプ】のあなたを攻略します。

甘い言葉には見向きもしない彼らを、理詰めで「なるほど、それなら買おう」と納得させてしまうセールスの技術「両面提示」。

どうぞお楽しみに。

少しでも「参考になった!」「明日から気をつけよう」と思っていただけたら、「スキ」と「フォロー」で応援してくださると嬉しいです。

良いモノを作れば売れるほど、甘くない世界で戦うあなたへ。

▼ 初めましての方へ。セールスコンサルタント「ごりごりのおちびさん」の自己紹介はこちら

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