【読書感想文】椿ノ恋文|小川糸
こんにちは、桃実です。
「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」を読み終えて、ついに「椿ノ恋文」に辿り着きました。
早く読みたいけど、読み終わるのはさみしい。
そんな気持ちでページをめくりました。
「キラキラ共和国」から更に8年の時間が経ち、守景家は5人家族となりました。
すっかりお母さんになったポッポちゃんは、どんな生活を送っているのでしょうか。
椿ノ恋文|小川糸

「いつか」ではなく、今、大切な人に伝えたい。
累計70万部のベストセラー、「ツバキ文具店」シリーズ最新作。
鎌倉と小高い山のふもとで、代書屋を営む鳩子。家事と育児に奮闘中の鳩子が、いよいよ代書屋を再開します。可愛かったQPちゃんに反抗期が訪れたり、亡き先代の秘めた恋が発覚したり、新しく引っ越してきたお隣さんとの関係に悩まされたり……。代書屋としても、母親としても、少し成長した鳩子に会いにぜひご来店ください。
鳩子とミツローさんの間に、2人の子ども小梅と蓮太郎が誕生しました。
子育てや家事に追われて代書屋の仕事を休業していました。
2人が小学校に上がるタイミングで代書屋を再開するところから、物語は始まります。
あのかわいらしかったQPちゃんは中学3年生になり、反抗期真っただ中なのです。
あんなにポッポちゃんLOVEだったQPちゃんが!!
鳩子からお得意様に宛てた、再開の案内文は、まるで読者に近況を伝える便りのようでした。
読み始めるうえで、とっても気がかりなことがありました。
はやく、ある人物を登場させて安心させてほしいということです。
なかなか出てこないので、心底心配でたまりませんでした。
バーバラ婦人と男爵です。
この2人、いつもお元気そうですが、そこそこいいお年なので心配なのです。
特に男爵は、前作までに病気が発覚していたのですごく心配していました。
男爵の病気は、聞き間違い?あまりにも人騒がせ過ぎるおじさんではあります。
バーバラ婦人は悲しいことに、家を売って南仏のボーイフレンドのもとに行ってしまって出番が少なくて寂しいです。
でも、お2人が健在で本当に安心しました。
今作のタイトルにもなっている「椿ノ恋文」。
ずっとシリーズを読んできて、まさかの展開でした。
先代の恋が描かれるなんて思っていなかったです。
お相手の方とは、どこで知り合って、どうしてそうなったのか。
具体的なことは分からなく謎な部分はありつつなのですが。
お二方とも亡くなってから出てきた、ラブレターがとっても情熱的で。
そんなラブレターを死後に見られるなんて、ちょっと気の毒なのですが、その手紙を見て先代のイメージが変わりました。
人間味あふれる文章に、先代の本当の心が現れているようでした。
文通相手の静子さんへ宛てた手紙もそうでしたが、自ら筆を執って書く手紙というのは、書き手の人となりが現れる、心を写すものなのだなと、改めて感じました。
そして冒頭でも触れましたが、QPちゃんの反抗期です。
他の人に対しては、今までの心優しいQPちゃんなのに、鳩子に対してだけあたりが強く、酷い言葉をぶつける描写は読むのが本当に辛かったのです。
きっと、ツバキ文具店をずっと読んできた方は、みんなとっても悲しかったに違いありません。
一体、いつ終わるのだろうかと終始ハラハラしながら読み進めました。
なので、先代の手紙を供養するために訪れた伊豆大島に、QPちゃんが現れた時は泣くほど嬉しかったです。
後に、この反抗期について後に、QPちゃんの口から理由が語られます。
何気ないことだけど、どんな言葉が相手の心を突き刺してしまうか分からないものなのだなと感じます。
それが普段から言葉を扱うことを生業にしていて、QPちゃんへの愛情が誰よりも深い鳩子であったとしても。
私的ハイライトはバーバラ婦人の一時帰国でした。
大好きなバーバラ婦人。彼女がいるだけで場の空気が華やぎ、ポジティブなパワーに溢れていて最高に素敵だなと思っています。
この世界って遊園地みたいなものかもしれないわね。
ジェットコースターで恐怖を味わったり、メリーゴーラウンドでロマンスを知ったり、みんな人生を謳歌するために遊園地に来るんじゃない?
遊園地で思いっきり楽しむのが人生の醍醐味。
怖いことや苦しいことも全部全部ひっくるめて、経験そのものを楽しむってこと。
遊園地でどれだけ楽しめるかが、人生の真価のような気がするわ。
バーバラ婦人の考え方に、心が救われた気がしました。
そして気持ちが上向きになったように感じます。
めいっぱい遊園地で楽しんだら、最後に遊園地を出て行くのが唯一のルール。
バーバラ婦人の言葉が、そのまま表れた一冊だったなと思います。
この言葉を、心の額縁に入れて胸の中に飾っておくことに決めました。
何か、困難に見舞われた時には思い出して、強く立ち向かって、それすらも楽しめる心の余白を持ったバーバラ婦人のような女性になりたいです。
続編は描かれるのかしら。
また、みんなに会えるのだろうか。
その日を楽しみに、遊園地でめいっぱい笑いながら楽しんで、待っていようと思います。
辛くなったら目を閉じて「キラキラ、キラキラ」と唱えれば大丈夫。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
